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学校と狛犬達とクラスメイトそれから……神様
学校でのわたしは
しおりを挟む教室に入るとすでに半数以上のクラスメイトが登校していた。みんな楽しそうに話をしている。
わたしは二年生になってからこの中学校に転校してきた。すでに出来上がっているグループの中に入っていくことができなかった。
まあ、元々友達も少なかったけどね。と思いながら窓側の一番後ろの自分の席に腰を下ろす。この席に座っているわたしのことなんて誰の目にも入っていないのだろうな。
ちょっと寂しいけれど気楽でいいやとも思うわたしがいる。でも、本当は友達がほしい。
神様や狛子と狛助に頑張ってと応援されて頑張ると答えたのに教室に入ると弱気なわたしになる。ダメだなわたしは……。
そんなことを考えながら通学カバンから教科書を取り出す。
すると、
「わたし達も椅子に座りたいな」
「立ちっぱなしだと足が疲れるな~」
なんて狛子と狛助はぶつぶつ文句を言っている。わたしはすっかりこの二人(二匹)の存在を忘れていた。
「席は無いよ。我慢するんだよ」とわたしは小声で言った。
「そ、そんな~わたし達も座りたいよ~」
「そうだよ、一日中立っているのは辛いな」
狛子と狛助が床に寝転がり両手と両足をバタバタさせて暴れた。みんなに見えてないから良いけれど、もし見えていたら大変な騒ぎだ。
「ちょっと、うるさいよ~えっと、後でお菓子をあげるから我慢してね」
「えっ! お菓子」と狛子と狛助は声を揃えて言った。目もキラキラ輝いている。
なんて現金な子達なんだろうか。泣いた鳥がもう笑っているよ。わたしも幼い頃おばあちゃんとおじいちゃんによく言われたけれど。
「仕方がない、お菓子のために我慢するよ」
「僕も我慢するよ。偉いでしょう?」
なんて言って二人(二匹)は立ち上がり胸を張る。
それって偉いのかなと思いながらわたしは、「え、偉いね……」と言った。
「ねえ、狛子ちゃん、チョコかな? あ、八つ橋かな?」
「狛助、八つ橋ってそれは京都でしょう。チョコもいいけど鹿さんのクッキーも食べたいな~」
狛子と狛助はきゃっきゃっと騒いでる。
一日中このうるさい二人(二匹)の面倒を見なきゃいけないのかなと思うと頭が痛くなりそうだよ。
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