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感動の再会かな
空から落ちてきた小さな生き物は
しおりを挟む正直びっくりした。きっと、にゃんにゃんと鳴くと思っていたのだから。
「ミケネコーンちゃんは立派になったね」
「はいにゃん。夏花、ミケネコーンはこれでも怪獣界の王子ですからにゃん」
そう言って鼻水を垂らしながら笑うミケネコーンが愛おしく感じた。
その時、「にゃんにゃんにゃんにゃ~ん」と言う声が聞こえてきた。
この声は……。
「お、お父ちゃまの可愛らしい声ですにゃん!」
ミケネコーンが空を見上げたその時、「にゃんにゃんにゃ~ん! ミケネコーン!」とさっきより大きな声が聞こえてきた。
それとほぼ同時に手のひらサイズくらいの猫が空から降ってきてうつ伏せでポテンと転がった。
「わしは痛いですにゃ~ん!」
「お、お父ちゃま大丈夫ですかにゃん?」
ミケネコーンは心配そうにそのお父さんらしき猫を覗き込んだ。この猫が怪獣王ということなのか。
「わしは痛いにゃん! 大丈夫じゃないにゃん」
そう言いながらその手のひらサイズの猫お父さんは二本足で立ち上がった。
「お父ちゃまミケネコーンは会いたかったですにゃ~ん!」
ミケネコーンは、お父さんににゃーんと抱きついた。
「えい、ミケネコーン離れるのじゃにゃん!」
「でも、ミケネコーンは久しぶりにお父ちゃまに会えたんですにゃん」
ミケネコーンはそう言ってお父さんにぎゅっとしがみついた。
「えい、うるさいにゃん。だけど、ミケネコーン成長したにゃん」
お父さんはそう言って優しい笑顔を浮かべた。
「……ミケネコーンは成長しましたかにゃん?」
ミケネコーンはうるうるした目でお父さんを見上げた。
「うむ、シーサーたんとシーサーたんたんの再会にも少しは貢献したにゃん。それにみんなを笑顔にしたにゃん。そして、何よりも『強くなりますにゃん』と言ったにゃん」
お父さんは優しい眼差しをミケネコーンに向けた。
「お父ちゃま見ていたんですかにゃん?」
「見ていたにゃん。だからミケネコーンお前を迎えに来た。着地に失敗したけどにゃん」
「お、お父ちゃま……それってミケネコーンは怪獣界に帰れるってことですかにゃん?」
ミケネコーンのその大きな目はキラキラ輝いている。
ミケネコーンが怪獣界に帰ってしまうと少し寂しいけれど、でも喜んであげたいと思う。
「そうだ、ミケネコーン怪獣界に帰るぞ」
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