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夏休みとミケネコーンと沖縄とそして美依奈

10 ミケネコーンはお喋りしますにゃん

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「あ、えっと、ありがとう」

  わたしは、ミケネコーンが差し出したスイカを受け取ってしまった。どうしよう。

「みんなでスイカを食べて友達になろうにゃん」

  にゃぱにゃぱ笑うミケネコーンの後ろにスイカ割りをしていた美依奈の友達がいる。

「……ミ、ミケネコーンちゃん」

「何ですかにゃん?  夏花、スイカ食べないんですかにゃん?」

  ミケネコーンはにゃぱにゃぱ呑気に笑っている。

「ミケネコーンちゃん、う、後ろに……」

「後ろがどうしたんですかにゃん?」

  ミケネコーンはにゃぱにゃぱ笑いながら後ろを向いた。

「あれま……にゃん」

「猫ちゃんが喋っている~」
「猫ちゃんがスイカを食べているよ」
「この猫ちゃんのかりゆしウェアはスイカの汁まみれだよ」

  美依奈の友達が口々に言った。

「う、うにゃん!  猫とちゃいますにゃん、怪獣ですにゃん」

「怪獣だって!  って言うかわたし達のスイカを食べているね」
「本当だ~」

「にゃはは……スイカを頂きましたにゃん」

「た、大変だ!  美依奈、どうしよう?  謝らなきゃ」

「大丈夫だよ。みんなよい子達だから」

  美依奈はそう言って友達の元へと駆け寄った。

「ミケネコーンちゃんにはまいるよね」

  みっきーがわたしの肩をポンと叩きながら言った。

「うん、ミケネコーンちゃんらしいけどね」

  本当に呑気でマイペースなミケネコーンが羨ましい。

「夏花ちゃ~ん、三木田さ~ん、みんなでスイカを食べようだって」

  美依奈は頭の上で両手で丸を作りニコニコ笑っている。


  
  わたし達は、美依奈の沖縄の友達と一緒にスイカを食べた。

  沖縄の青い空と白い砂浜に透明度抜群の綺麗な海で食べるスイカはそれはもう最高だった。

「スイカ、美味しいね」

  わたしは、海を眺めながら言った。

「うん、海も綺麗だし特別美味しく感じるね」

  みっきーもスイカを食べながら笑顔だ。

「久しぶりに夏花ちゃんや三木田さんに会えて良かった。それと可愛いミケネコーンちゃんにも会えて嬉しいな」

  美依奈もスイカにかぶりつき元気な笑顔だ。

「ミケネコーンもスイカをむしゃむしゃにゃんと食べられたしたくさんお友達ができて幸せですにゃん!」

  ミケネコーンは、裂けたお口を大きく開けてスイカにがぶりとかぶりついた。

「お~い!  まだ、スイカ残っているよ~食べる?」

  美依奈の友達が手を振った。

  誰よりも早くミケネコーンが「食べますにゃ~ん!」と答えたかと思うとにゃんにゃんと砂浜を走り出した。

「ミケネコーンちゃんらしいね~」

  わたし達は笑いそして、裸足で砂浜を走り出した。
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