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夏休みとミケネコーンと沖縄とそして美依奈

4 楽しかったね

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「楽しかったね。水遊びなんて久しぶりにしたかも」

「わたしもだよ~夏花ちゃんと友達になってから毎日が楽しいよ」

  みっきーはそう言ってびしゃびしゃに濡れたスカートをぎゅっと絞った。

「わたしもみっきーと友達になってから楽しいことがいっぱいだよ」

  わたしは、にっこりと微笑みを浮かべた。

  みっきーが『夏花ちゃんと友達になってから毎日が楽しいよ』と言ってくれたその言葉が嬉しくて涙が出そうになった。

「友達っていいかもって思っちゃった」

「みっきー、わたしもだよ~」

  わたし達はそう言って顔を見合わせ笑った。

「服びしゃびしゃだね」

「そうだね……あ、わたしの服で良かったら貸すよ」

「えっ、本当にじゃあ、貸してもらおうかな」

「じゃあ、わたしの部屋に行こう。あ、そう言えばミケネコーンちゃんはどこに行ったのかな?  あ、ミケネコーンちゃん!!」

  わたしは、びっくりしてミケネコーンを指差した。

「うにゃん?  なんですかにゃん?」

  ミケネコーンはきょとん顔で首を傾げた。

「な、なんですかにゃんじゃないよ~どうしてきゅうりを食べているのかな?」

「あ、これですかにゃん。めちゃくちゃ美味しいですにゃん」

  ミケネコーンはそう言ってきゅうりをぱりぱりと食べた。


  
  わたしの部屋で服を着替え外に出た。

「夏花ちゃんの服を着てお出かけなんて楽しいな~」

  みっきーは鞄をぶんぶん振り回し楽しそうだ。

「わたしの服を着てもらえてわたしもなんだか楽しいな~」

  わたしもみっきーの真似をして鞄をぶんぶん振り回した。

  そして、わたしの貸した服を着ているみっきーを眺めもし、わたしに姉か妹がいたら服の貸し借りをしたりするのかななんて楽しい空想をした。

「ミケネコーンも可愛い服が着られて嬉しいですにゃん」

  ミケネコーンはきゅうりをぶんぶん振り回して嬉しそうだ。ってちょっと待ってよ。

「ミケネコーンちゃん……」

「はいにゃん?」

「どうして、きゅうりを三本も持っているのかな?  それ、お母さんが大切に育てているきゅうりなんだけど……」

「そうでしたかにゃん。ちょうど食べごろでしたのでにゃん!  いただきますにゃん」

  ミケネコーンは裂けたお口を開けてきゅうりをぱりぱり食べた。その姿があまりにも可笑しくてそして、可愛らしくてクスッと笑った。

  それに……。

  シーサー柄のかりゆしウェアからお着替えしたゴーヤ柄のかりゆしウェアがきゅうりにちょっと似ていた。

  もう、ミケネコーンちゃんってば可愛らしいしから許してしまう。
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