沖縄のシーサーとミケネコーンとわたしの楽しい冒険をどうぞ~

なかじまあゆこ

文字の大きさ
上 下
39 / 66
シーサーたんとミケナ

1 今日もミケネコーンと一緒に

しおりを挟む
  そして、今日もミケネコーンは学校についてきた。わたしの鞄の中に当たり前のように入ったのだった。

  教室に着き席に腰を下ろしながらみっきーはもう登校してきているのかなとキョロキョロしていると、教室の前の引き戸がガラッ開きみっきーが入ってきた。

「おはよう~夏花ちゃん」

  みっきーは高めの位置でツインテールに結んだ髪の毛を揺らし笑顔で朝の挨拶をした。

「おはよう~みっきー」

  わたしも笑って朝の挨拶をした。

  教室で友達と笑顔で朝の挨拶ができることにわたしは、幸せを感じる。五月までは美依奈と当たり前のように挨拶をしていたけれど。

  それが幸せなことだと気づいていなかったな。なんて考えていると、

「みっきーおはようですにゃん」

  ミケネコーンがわたしの鞄からにゃーんと飛び出し挨拶をした。

「あ、ミケネコーンちゃん、おはよう~今日も登校したんだね」

「はいにゃん。もちろんですにゃん」

  ミケネコーンは元気よく答えた。

「ミケネコーンちゃんってばシーッだよ」

  わたしは唇に人差し指を当てて言った。

「分かりましたにゃん。シーッですにゃん」

  ミケネコーンはそう言って肉球のある可愛らしい手を裂けたお口に当ててにゃぱにゃぱにゃんと笑った。

  「さあ、帰ろう~」

  ホームルームが終わるとわたしは、みっきーとそれから鞄の中に入っているミケネコーンと一緒に教室を出た。

「今日は本屋に寄って行こう~」

「うん、欲しい本があったんだ~」

  友達と一緒に下校する当たり前のことが今のわたしは嬉しく感じる。

「本屋さんにお菓子は売っていますかにゃん?」

  ミケネコーンが鞄から顔をにょきにょきと出して聞いてきた。

「本屋さんにお菓子は売っていないよ。ミケネコーンちゃんはお弁当をたくさん食べたでしょ」

  わたしは、鞄の中から顔を出しているミケネコーンの顔を見て言った。

「今日のお弁当はゴーヤが美味しかったですにゃん」

「あれは、沖縄に住んでいるいとこのお姉ちゃんのお母さんが送ってきてくれたんだよ」

「そうなんですかにゃん。ミケネコーンはサーターアンダギーも食べたいですにゃん」

  ミケネコーンは言ってヨダレを垂らしている。

「ミケネコーンちゃんは本当に食いしん坊だね~」

  わたしはクスクス笑う。

「ミケネコーンちゃんの頭の中は食べ物のことでいっぱいなんだね」

  みっきーも鞄の中から顔を出しているミケネコーンに視線を向けクスクス笑った。

「はいにゃん。ミケネコーンの頭の中は食べ物が占領していますにゃん」

  ミケネコーンは得意げに言った。

  そんなミケネコーンが可笑しくてわたしとみっきーは顔を見合わせて笑い合った。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたし雑草がぼうぼうと生えているおばあちゃんの家にお邪魔します!(猫と不思議な生き物が住みついています)

なかじまあゆこ
児童書・童話
猫好きな小鳥浜ことりが最近気になるのは雑草がぼうぼうに生えているおばあちゃんの家だ。 その家に大好きな猫が通っているのを見かけめちゃくちゃ興味を持っていた。 そんなある日、猫と遊んでいると、その家に住むおばあちゃんに声を掛けられて。 小鳥浜ことり小学五年生と幼なじみの紫美紀香と町田結太におばあちゃんと猫。それからちょっと不思議なあやかしの物語です。 よろしくお願いします(^^)/

極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

猫菜こん
児童書・童話
 私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。  だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。 「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」  優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。  ……これは一体どういう状況なんですか!?  静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん  できるだけ目立たないように過ごしたい  湖宮結衣(こみやゆい)  ×  文武両道な学園の王子様  実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?  氷堂秦斗(ひょうどうかなと)  最初は【仮】のはずだった。 「結衣さん……って呼んでもいい?  だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」 「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」 「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、  今もどうしようもないくらい好きなんだ。」  ……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。

生贄姫の末路 【完結】

松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。 それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。 水の豊かな国には双子のお姫様がいます。 ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。 もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。 王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。

【奨励賞】おとぎの店の白雪姫

ゆちば
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 奨励賞】 母親を亡くした小学生、白雪ましろは、おとぎ商店街でレストランを経営する叔父、白雪凛悟(りんごおじさん)に引き取られる。 ぎこちない二人の生活が始まるが、ひょんなことからりんごおじさんのお店――ファミリーレストラン《りんごの木》のお手伝いをすることになったましろ。パティシエ高校生、最速のパート主婦、そしてイケメンだけど料理脳のりんごおじさんと共に、一癖も二癖もあるお客さんをおもてなし! そしてめくるめく日常の中で、ましろはりんごおじさんとの『家族』の形を見出していく――。 小さな白雪姫が『家族』のために奔走する、おいしいほっこり物語。はじまりはじまり! 他のサイトにも掲載しています。 表紙イラストは今市阿寒様です。 絵本児童書大賞で奨励賞をいただきました。

忠犬ハジッコ

SoftCareer
児童書・童話
もうすぐ天寿を全うするはずだった老犬ハジッコでしたが、飼い主である高校生・澄子の魂が、偶然出会った付喪神(つくもがみ)の「夜桜」に抜き去られてしまいます。 「夜桜」と戦い力尽きたハジッコの魂は、犬の転生神によって、抜け殻になってしまった澄子の身体に転生し、奪われた澄子の魂を取り戻すべく、仲間達の力を借りながら奮闘努力する……というお話です。 ※今まで、オトナ向けの小説ばかり書いておりましたが、  今回は中学生位を読者対象と想定してチャレンジしてみました。  お楽しみいただければうれしいです。

突然、お隣さんと暮らすことになりました~実は推しの配信者だったなんて!?~

ミズメ
児童書・童話
 動画配信を視聴するのが大好きな市山ひなは、みんなより背が高すぎることがコンプレックスの小学生。  周りの目を気にしていたひなは、ある日突然お隣さんに預けられることになってしまった。  そこは幼なじみでもある志水蒼太(しみずそうた)くんのおうちだった。  どうやら蒼太くんには秘密があって……!?  身長コンプレックスもちの優しい女の子✖️好きな子の前では背伸びをしたい男の子…を見守る愉快なメンバーで繰り広げるドタバタラブコメ!  

奈良町には食いしん坊な神様と狛犬が住んでいます!

なかじまあゆこ
児童書・童話
奈夜(なよ)はならまちの神社で夢が叶いますようにとお祈りをしていた。すると、狛犬の狛子と狛助がついてきた。プラス神様も……。 江戸時代末期から明治時代の昔ながらの町屋が建ち並ぶ奈良の懐かしさを感じるならまちで食いしん坊な狛犬の狛子と狛助それからお金が好きな神様に好かれた奈夜は……。 おじいちゃんとおばあちゃんとならまちで暮らす中学二年生の奈夜。おじいちゃんは……。 そこに狛犬と神様がいつの間にか居候、ご飯やお菓子を一緒に食べる。ほのぼのと美味しいご飯と楽しい時間を過ごしそして、時には切ない物語です。 よろしくお願いします(^-^)/

王女様は美しくわらいました

トネリコ
児童書・童話
   無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。  それはそれは美しい笑みでした。  「お前程の悪女はおるまいよ」  王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。  きたいの悪女は処刑されました 解説版

処理中です...