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シーサーたんとミケナ
1 今日もミケネコーンと一緒に
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そして、今日もミケネコーンは学校についてきた。わたしの鞄の中に当たり前のように入ったのだった。
教室に着き席に腰を下ろしながらみっきーはもう登校してきているのかなとキョロキョロしていると、教室の前の引き戸がガラッ開きみっきーが入ってきた。
「おはよう~夏花ちゃん」
みっきーは高めの位置でツインテールに結んだ髪の毛を揺らし笑顔で朝の挨拶をした。
「おはよう~みっきー」
わたしも笑って朝の挨拶をした。
教室で友達と笑顔で朝の挨拶ができることにわたしは、幸せを感じる。五月までは美依奈と当たり前のように挨拶をしていたけれど。
それが幸せなことだと気づいていなかったな。なんて考えていると、
「みっきーおはようですにゃん」
ミケネコーンがわたしの鞄からにゃーんと飛び出し挨拶をした。
「あ、ミケネコーンちゃん、おはよう~今日も登校したんだね」
「はいにゃん。もちろんですにゃん」
ミケネコーンは元気よく答えた。
「ミケネコーンちゃんってばシーッだよ」
わたしは唇に人差し指を当てて言った。
「分かりましたにゃん。シーッですにゃん」
ミケネコーンはそう言って肉球のある可愛らしい手を裂けたお口に当ててにゃぱにゃぱにゃんと笑った。
「さあ、帰ろう~」
ホームルームが終わるとわたしは、みっきーとそれから鞄の中に入っているミケネコーンと一緒に教室を出た。
「今日は本屋に寄って行こう~」
「うん、欲しい本があったんだ~」
友達と一緒に下校する当たり前のことが今のわたしは嬉しく感じる。
「本屋さんにお菓子は売っていますかにゃん?」
ミケネコーンが鞄から顔をにょきにょきと出して聞いてきた。
「本屋さんにお菓子は売っていないよ。ミケネコーンちゃんはお弁当をたくさん食べたでしょ」
わたしは、鞄の中から顔を出しているミケネコーンの顔を見て言った。
「今日のお弁当はゴーヤが美味しかったですにゃん」
「あれは、沖縄に住んでいるいとこのお姉ちゃんのお母さんが送ってきてくれたんだよ」
「そうなんですかにゃん。ミケネコーンはサーターアンダギーも食べたいですにゃん」
ミケネコーンは言ってヨダレを垂らしている。
「ミケネコーンちゃんは本当に食いしん坊だね~」
わたしはクスクス笑う。
「ミケネコーンちゃんの頭の中は食べ物のことでいっぱいなんだね」
みっきーも鞄の中から顔を出しているミケネコーンに視線を向けクスクス笑った。
「はいにゃん。ミケネコーンの頭の中は食べ物が占領していますにゃん」
ミケネコーンは得意げに言った。
そんなミケネコーンが可笑しくてわたしとみっきーは顔を見合わせて笑い合った。
教室に着き席に腰を下ろしながらみっきーはもう登校してきているのかなとキョロキョロしていると、教室の前の引き戸がガラッ開きみっきーが入ってきた。
「おはよう~夏花ちゃん」
みっきーは高めの位置でツインテールに結んだ髪の毛を揺らし笑顔で朝の挨拶をした。
「おはよう~みっきー」
わたしも笑って朝の挨拶をした。
教室で友達と笑顔で朝の挨拶ができることにわたしは、幸せを感じる。五月までは美依奈と当たり前のように挨拶をしていたけれど。
それが幸せなことだと気づいていなかったな。なんて考えていると、
「みっきーおはようですにゃん」
ミケネコーンがわたしの鞄からにゃーんと飛び出し挨拶をした。
「あ、ミケネコーンちゃん、おはよう~今日も登校したんだね」
「はいにゃん。もちろんですにゃん」
ミケネコーンは元気よく答えた。
「ミケネコーンちゃんってばシーッだよ」
わたしは唇に人差し指を当てて言った。
「分かりましたにゃん。シーッですにゃん」
ミケネコーンはそう言って肉球のある可愛らしい手を裂けたお口に当ててにゃぱにゃぱにゃんと笑った。
「さあ、帰ろう~」
ホームルームが終わるとわたしは、みっきーとそれから鞄の中に入っているミケネコーンと一緒に教室を出た。
「今日は本屋に寄って行こう~」
「うん、欲しい本があったんだ~」
友達と一緒に下校する当たり前のことが今のわたしは嬉しく感じる。
「本屋さんにお菓子は売っていますかにゃん?」
ミケネコーンが鞄から顔をにょきにょきと出して聞いてきた。
「本屋さんにお菓子は売っていないよ。ミケネコーンちゃんはお弁当をたくさん食べたでしょ」
わたしは、鞄の中から顔を出しているミケネコーンの顔を見て言った。
「今日のお弁当はゴーヤが美味しかったですにゃん」
「あれは、沖縄に住んでいるいとこのお姉ちゃんのお母さんが送ってきてくれたんだよ」
「そうなんですかにゃん。ミケネコーンはサーターアンダギーも食べたいですにゃん」
ミケネコーンは言ってヨダレを垂らしている。
「ミケネコーンちゃんは本当に食いしん坊だね~」
わたしはクスクス笑う。
「ミケネコーンちゃんの頭の中は食べ物のことでいっぱいなんだね」
みっきーも鞄の中から顔を出しているミケネコーンに視線を向けクスクス笑った。
「はいにゃん。ミケネコーンの頭の中は食べ物が占領していますにゃん」
ミケネコーンは得意げに言った。
そんなミケネコーンが可笑しくてわたしとみっきーは顔を見合わせて笑い合った。
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