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沖縄のキラキラ輝く海へテレポートしたのかな
9 この声は
しおりを挟む地面に沖縄の本が落っこちていた。
鞄から出した覚えはないのに不思議だなと思いながらわたしは、身をかがめて沖縄の本を拾おうとしたその時。
風も吹いていないのに本のページがぱらぱらとめくれた。
「え!? どうして?」
「本がぺらぺらとめくれていますにゃん!」
「どうして~」
わたし達はひとりでにぺらぺらとめくれている沖縄の本をじっと眺めた。
すると、その時……。
「久しぶりだね」と甲高くてちょっと間抜けな声が聞こえてきた。
この声は……。
「……シーサーたん?」
「シーサーたんですにゃん。お久しぶりですにゃん。けどびっくりですにゃーん!」
「え!? 誰?」
わたし達は驚きの声を上げた。
今も本のページがぱらぱらとめくれている。
そして……。
ピカッと青色の光が見えた。するとどこまでも続く沖縄の海と空らしき風景が目の前に広がったかと思うと、突然風がゴォーッと吹いた。
「わっ、一体どうなっているの!?」
わたしが声を上げるとみっきーとミケネコーンも、
「この風と青色の光はなに~!?」
「青色の光が眩しいですにゃーん!!」
と、叫んだ。
「沖縄の海を楽しんだようだね」
どこからかちょっと間抜けな甲高い声が聞こえてきた。
あの声は……。
そうもちろんシーサーたんの声だった。
ことんと音が鳴ったので視線を向けるとシーサーたんが地面にころんと落っこちていた。
「あ、シーサーたん!!」
どうして!? この沖縄にいるのかな?
シーサーたんは近所の家の門柱の上に置かれているはずなんだけれど。
「あ、こんにちはですにゃ~ん」
ミケネコーンは当たり前のように挨拶をしている。
「アイタタッ! 痛いのじゃ~!」
「シーサーたん大丈夫?」
なんてわたしは、思わず声をかけてしまったけれど、シーサーの置物が喋るだけでとどまらず痛がっているなんて……。
「大丈夫じゃな~い! 痛いのじゃ~」
ころんと地面に転がっているシーサーたんが叫んだ。
シーサーたんはギョロとした目をよりギョロとさせ痛がっている。わたしは、シーサーたんのその姿を大丈夫かなと心配になりながら眺めた。
するとその時、ミケネコーンが、
「シーサーたん、大丈夫ですかにゃ~ん!」と声を上げ身を低くかがめ地面に転がっているシーサーたんをギュッと抱きしめた。
「い、痛いじゃないか~ミケネコーン」
「ミケネコーンはシーサーたんが心配なのでギュッとしましたにゃん」
ミケネコーンはシーサーたんをギュッギュギュと強く抱きしめる。
「だから痛いと言っているのじゃ~」
「うにゃん? 痛いとは大丈夫ですかにゃん」
ミケネコーンは心配そうに眉間に皺を寄せそして、ギュッギュギュとした。
ミケネコーンには優しさがあると思うのだけどシーサーたんが痛がっていることに気がついていないようだ。
「ギュギュとすると痛いのじゃ~まあ良い、一旦帰るのじゃ~」
シーサーたんがちょっと間抜けな甲高い声で叫んだかと思うと地面に落っこちいた沖縄の本がペラペラとめくれた。
そして……。
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