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学校とわたしとミケネコーン

10 歌わないのですかにゃん

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「あれま?  歌わないんですかにゃん?  夏花とみっきーもご一緒にどうぞにゃ~ん!」

  ミケネコーンは肉球のある可愛らしい両手を広げて言った。

  わたしとみっきーは顔を見合わせて笑い合った。

「うにゃん?  どうして笑っているんですかにゃん。早くお歌を歌いましょうにゃん」

  ミケネコーンは首を傾げわたし達の顔をじっと見た。そのきょとんとした顔にヨーグルトとマンゴーがべったりくっついているのだからまた、笑いそうになる。

「ミケネコーンちゃん、わたしはお歌遠慮するよ」

「わたしも~ちょっとお歌は遠慮するね」

「あんまりですにゃん。一緒にお歌を歌いましょうにゃん。では、もう一曲歌いますにゃ~ん」

  ミケネコーンはまたまた腰をふりふりお歌を歌い始めた。

「ミケネコーンたらたらミケネコーン♪  にゃんにゃんたらたらミケネコーン♪  怪獣界一のお利口さんたらたらミケネコーン♪  お父ちゃまとお母ちゃまに会いたいですにゃんたらたらミケネコーン♪」

  ミケネコーンは声高らかにお歌を歌ったのだった。そして、お父ちゃまとお母ちゃまの箇所で少し顔を歪めた。

  ミケネコーンはお父さんとお母さんに会えなくて寂しいのかな。

  「ミケネコーンちゃんってば熱唱しているね」

  わたしは未だに熱唱中のミケネコーンを眺めながら言った。

「うん、余程お歌が好きなんだろうね」

  みっきーもクスクス笑いながらミケネコーンの熱唱ぶりを眺めている。

「あ、そうだ。沖縄の本でも見る?」

  わたしは、鞄からごそごそと沖縄の本を取り出しながら聞いた。

「うん、見る。見たいよ~」

  みっきーは目をキラキラと輝かせ答えた。

「みっきーも沖縄が好きなんだね」

「うん、小学生の時に家族旅行で沖縄に行ったことがあるんだけどその時に見た沖縄の綺麗な海が忘れられないんだ~」

  みっきーは家族と行ったキラキラと輝く青く澄んだ海を瞳の奥から取り出したのだろう。

「そうなんだね。沖縄の海はとっても綺麗だもんね」

  わたしは、沖縄の本を開いた。すると、青くて澄んだ海の写真が目に入りそして……。
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