19 / 66
学校とわたしとミケネコーン
8 ミッキー
しおりを挟む
「ありがとうですにゃん」
わたしと三木田さんが口の周りを拭き拭きしてあげるとミケネコーンは嬉しそうににゃぱにゃぱと笑顔を浮かべた。
ミケネコーンのその顔は不細工なのに愛嬌があり可愛らしかった。
最近の楽しみは本を読むことくらいだったけれど、ミケネコーンの笑顔とそれから三木田さんとこうして一緒にミケネコーンの口の周りを拭き拭きしていると昔からの友達のように思えてくる。
三木田さんにわたしと似たものを感じた。
「本屋さんで真川さんを見かけたんだよ」
「えっ? 本屋さんでわたしを?」
「うん、沖縄の本を見ていたでしょ? わたしもその本が欲しくて買おうかなと思っていたんだ」
三木田さんは目をキラキラと輝かせている。
「そうだったんだね」
「うん、声をかけようかなと思ったけどかけられなかった」
「どうして?」
「だって、ちゃんと話したことがなかったから。わたしこれでも人見知りしちゃうんだよ」
三木田さんはそう言って笑った。
三木田さんも沖縄の本に興味を持っていたんだ。なんだかちょっとびっくりしてわたしは三木田さんの顔をじっと見てしまった。
「真川さんとはなんとなく気が合うかなと思ったんだ」
わたしの顔を見返した三木田さんはにっこり笑った。
「それはとっても嬉しいよ。わたしと三木田さん気が合うかもしれないね」
わたしもにっこりと笑顔を浮かべた。
美依奈以外に友達なんかいらないと思っていたけれど三木田さんと友達になりたいなと思った。
「ねえ、夏花ちゃんって呼んでもいいかな?
わたしのことも文代と呼んでくれても良いしそれかみっきーでもいいよ」
三木田さんはちょっと照れたような笑顔を浮かべた。
「あ、うん。夏花って呼んでいいよ。じゃあ、わたしもみっきーって呼ぶね」
「うん、夏花ちゃん、文代はちょっとダサいからみっきーって呼んでくれて嬉しいな~」
「文代ちゃんも可愛いけどみっきーはもっと可愛い呼び名だもんね」
「うふふ、夏花ちゃんありがとう」
久しぶりに夏花ちゃんと呼んでもらえてわたしは嬉しかった。ほくほくな笑顔をになっていたその時……。
「ミケネコーンが蚊帳の外になっていますにゃ~ん!!」
ミケネコーンがにゃんにゃんと叫んだ。
わたしと三木田さんが口の周りを拭き拭きしてあげるとミケネコーンは嬉しそうににゃぱにゃぱと笑顔を浮かべた。
ミケネコーンのその顔は不細工なのに愛嬌があり可愛らしかった。
最近の楽しみは本を読むことくらいだったけれど、ミケネコーンの笑顔とそれから三木田さんとこうして一緒にミケネコーンの口の周りを拭き拭きしていると昔からの友達のように思えてくる。
三木田さんにわたしと似たものを感じた。
「本屋さんで真川さんを見かけたんだよ」
「えっ? 本屋さんでわたしを?」
「うん、沖縄の本を見ていたでしょ? わたしもその本が欲しくて買おうかなと思っていたんだ」
三木田さんは目をキラキラと輝かせている。
「そうだったんだね」
「うん、声をかけようかなと思ったけどかけられなかった」
「どうして?」
「だって、ちゃんと話したことがなかったから。わたしこれでも人見知りしちゃうんだよ」
三木田さんはそう言って笑った。
三木田さんも沖縄の本に興味を持っていたんだ。なんだかちょっとびっくりしてわたしは三木田さんの顔をじっと見てしまった。
「真川さんとはなんとなく気が合うかなと思ったんだ」
わたしの顔を見返した三木田さんはにっこり笑った。
「それはとっても嬉しいよ。わたしと三木田さん気が合うかもしれないね」
わたしもにっこりと笑顔を浮かべた。
美依奈以外に友達なんかいらないと思っていたけれど三木田さんと友達になりたいなと思った。
「ねえ、夏花ちゃんって呼んでもいいかな?
わたしのことも文代と呼んでくれても良いしそれかみっきーでもいいよ」
三木田さんはちょっと照れたような笑顔を浮かべた。
「あ、うん。夏花って呼んでいいよ。じゃあ、わたしもみっきーって呼ぶね」
「うん、夏花ちゃん、文代はちょっとダサいからみっきーって呼んでくれて嬉しいな~」
「文代ちゃんも可愛いけどみっきーはもっと可愛い呼び名だもんね」
「うふふ、夏花ちゃんありがとう」
久しぶりに夏花ちゃんと呼んでもらえてわたしは嬉しかった。ほくほくな笑顔をになっていたその時……。
「ミケネコーンが蚊帳の外になっていますにゃ~ん!!」
ミケネコーンがにゃんにゃんと叫んだ。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
子猫マムと雲の都
杉 孝子
児童書・童話
マムが住んでいる世界では、雨が振らなくなったせいで野菜や植物が日照り続きで枯れ始めた。困り果てる人々を見てマムは何とかしたいと思います。
マムがグリムに相談したところ、雨を降らせるには雲の上の世界へ行き、雨の精霊たちにお願いするしかないと聞かされます。雲の都に行くためには空を飛ぶ力が必要だと知り、魔法の羽を持っている鷹のタカコ婆さんを訪ねて一行は冒険の旅に出る。
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
おなら、おもっきり出したいよね
魚口ホワホワ
児童書・童話
ぼくの名前は、出男(でるお)、おじいちゃんが、世界に出て行く男になるようにと、つけられたみたい。
でも、ぼくの場合は、違うもの出ちゃうのさ、それは『おなら』すぐしたくなっちゃんだ。
そんなある日、『おならの妖精ププ』に出会い、おならの意味や大切さを教えてもらったのさ。
やっぱり、おならは、おもっきり出したいよね。
少年騎士
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」ポーウィス王国という辺境の小国には、12歳になるとダンジョンか魔境で一定の強さになるまで自分を鍛えなければいけないと言う全国民に対する法律があった。周囲の小国群の中で生き残るため、小国を狙う大国から自国を守るために作られた法律、義務だった。領地持ち騎士家の嫡男ハリー・グリフィスも、その義務に従い1人王都にあるダンジョンに向かって村をでた。だが、両親祖父母の計らいで平民の幼馴染2人も一緒に12歳の義務に同行する事になった。将来救国の英雄となるハリーの物語が始まった。
がらくた屋 ふしぎ堂のヒミツ
三柴 ヲト
児童書・童話
『がらくた屋ふしぎ堂』
――それは、ちょっと変わった不思議なお店。
おもちゃ、駄菓子、古本、文房具、骨董品……。子どもが気になるものはなんでもそろっていて、店主であるミチばあちゃんが不在の時は、太った変な招き猫〝にゃすけ〟が代わりに商品を案内してくれる。
ミチばあちゃんの孫である小学6年生の風間吏斗(かざまりと)は、わくわく探しのため毎日のように『ふしぎ堂』へ通う。
お店に並んだ商品の中には、普通のがらくたに混じって『神商品(アイテム)』と呼ばれるレアなお宝もたくさん隠されていて、悪戯好きのリトはクラスメイトの男友達・ルカを巻き込んで、神商品を使ってはおかしな事件を起こしたり、逆にみんなの困りごとを解決したり、毎日を刺激的に楽しく過ごす。
そんなある日のこと、リトとルカのクラスメイトであるお金持ちのお嬢様アンが行方不明になるという騒ぎが起こる。
彼女の足取りを追うリトは、やがてふしぎ堂の裏庭にある『蔵』に隠された〝ヒミツの扉〟に辿り着くのだが、扉の向こう側には『異世界』や過去未来の『時空を超えた世界』が広がっていて――⁉︎
いたずら好きのリト、心優しい少年ルカ、いじっぱりなお嬢様アンの三人組が織りなす、事件、ふしぎ、夢、冒険、恋、わくわく、どきどきが全部詰まった、少年少女向けの現代和風ファンタジー。
【完結】魔法道具の預かり銀行
六畳のえる
児童書・童話
昔は魔法に憧れていた小学5学生の大峰里琴(リンコ)、栗本彰(アッキ)と。二人が輝く光を追って最近閉店した店に入ると、魔女の住む世界へと繋がっていた。驚いた拍子に、二人は世界を繋ぐドアを壊してしまう。
彼らが訪れた「カンテラ」という店は、魔法道具の預り銀行。魔女が魔法道具を預けると、それに見合ったお金を貸してくれる店だ。
その店の店主、大魔女のジュラーネと、魔法で喋れるようになっている口の悪い猫のチャンプス。里琴と彰は、ドアの修理期間の間、修理代を稼ぐために店の手伝いをすることに。
「仕事がなくなったから道具を預けてお金を借りたい」「もう仕事を辞めることにしたから、預けないで売りたい」など、様々な理由から店にやってくる魔女たち。これは、魔法のある世界で働くことになった二人の、不思議なひと夏の物語。
奈良町には食いしん坊な神様と狛犬が住んでいます!
なかじまあゆこ
児童書・童話
奈夜(なよ)はならまちの神社で夢が叶いますようにとお祈りをしていた。すると、狛犬の狛子と狛助がついてきた。プラス神様も……。
江戸時代末期から明治時代の昔ながらの町屋が建ち並ぶ奈良の懐かしさを感じるならまちで食いしん坊な狛犬の狛子と狛助それからお金が好きな神様に好かれた奈夜は……。
おじいちゃんとおばあちゃんとならまちで暮らす中学二年生の奈夜。おじいちゃんは……。
そこに狛犬と神様がいつの間にか居候、ご飯やお菓子を一緒に食べる。ほのぼのと美味しいご飯と楽しい時間を過ごしそして、時には切ない物語です。
よろしくお願いします(^-^)/
魔法少女はまだ翔べない
東 里胡
児童書・童話
第15回絵本・児童書大賞、奨励賞をいただきました、応援下さった皆様、ありがとうございます!
中学一年生のキラリが転校先で出会ったのは、キラという男の子。
キラキラコンビと名付けられた二人とクラスの仲間たちは、ケンカしたり和解をして絆を深め合うが、キラリはとある事情で一時的に転校してきただけ。
駄菓子屋を営む、おばあちゃんや仲間たちと過ごす海辺の町、ひと夏の思い出。
そこで知った自分の家にまつわる秘密にキラリも覚醒して……。
果たしてキラリの夏は、キラキラになるのか、それとも?
表紙はpixivてんぱる様にお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる