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学校とわたしとミケネコーン
7 ミケネコーンがお弁当を
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「三木田さんどうしたの?」
聞きながら三木田さんに視線を向けるとお弁当箱を片手にワナワナと震えていた。これは嫌な予感がするなと思った。
「わ、わたしのお弁当箱が空っぽになっているんだよ~」
思った通りの答えが返ってきた。
「それって……お弁当を盗み食いされたんだよね」
「うん、そうみたいなんだよ~」
「その盗み食いの犯人はやっぱり」
「うん、やっぱりあの子しかいないと思うよ」
わたしと三木田さんはお互いの顔を見て深く頷き合った。
そうだよ、盗み食いの犯人は奴しかいない。
「ミケネコーンちゃ~ん!! 三木田さんのお弁当も食べたよね~」、「ミケネコーンちゃ~ん!! わたしのお弁当食べてしまったよね~」とわたしと三木田さんはほぼ同時にミケネコーンの顔を見て叫んだ。
「うにゃん? はい、にゃん。美味しくむしゃむしゃにゃんしましたが何ですかにゃん?」
ミケネコーンは首を左に傾げきょとん顔だ。その姿はたまらなくぶさかわではあるけれど可愛らしい。
「ミケネコーンちゃん、どうして全部食べてしまうのかな?」
首を傾げにゃぱにゃぱと笑っているミケネコーンの顔をわたしはじっと見て聞いた。
「だって、二人で楽しそうにお喋りをしていましたからにゃん、ミケネコーンは退屈していましたにゃん」
「……そうだったんだね」
ミケネコーンは寂しかったのかなと思うと少し申し訳ない気持ちになった。
「はいにゃん! なのでミケネコーンはむしゃむしゃにゃんと食べましたにゃん」
「そっか、ミケネコーンちゃんもお喋りに参加したかったのね」
三木田さんすまなそうな目をした。
そうだよね、怪獣界(怪獣界がなんだかよく分からないけど)からこの人間界に落っこちてきて寂しい思いをしたのだろう。
「ミケネコーンちゃんもわたし達の仲間だからね」
わたしはミケネコーンのそのぶさかわな顔を真っ直ぐ見て言った。
「ミケネコーンは嬉しいですにゃん」
ミケネコーンは満面の笑みを浮かべた。
お弁当は全部食べられてしまったけれど、ミケネコーンが笑顔を浮かべ幸せそうにしているからまあいいか。
わたしと三木田さんはかりゆしシャツをケチャップ色に染めお口の周りもケチャップで汚れているミケネコーンの口の周りをウェットティッシュで拭いてあげた。
聞きながら三木田さんに視線を向けるとお弁当箱を片手にワナワナと震えていた。これは嫌な予感がするなと思った。
「わ、わたしのお弁当箱が空っぽになっているんだよ~」
思った通りの答えが返ってきた。
「それって……お弁当を盗み食いされたんだよね」
「うん、そうみたいなんだよ~」
「その盗み食いの犯人はやっぱり」
「うん、やっぱりあの子しかいないと思うよ」
わたしと三木田さんはお互いの顔を見て深く頷き合った。
そうだよ、盗み食いの犯人は奴しかいない。
「ミケネコーンちゃ~ん!! 三木田さんのお弁当も食べたよね~」、「ミケネコーンちゃ~ん!! わたしのお弁当食べてしまったよね~」とわたしと三木田さんはほぼ同時にミケネコーンの顔を見て叫んだ。
「うにゃん? はい、にゃん。美味しくむしゃむしゃにゃんしましたが何ですかにゃん?」
ミケネコーンは首を左に傾げきょとん顔だ。その姿はたまらなくぶさかわではあるけれど可愛らしい。
「ミケネコーンちゃん、どうして全部食べてしまうのかな?」
首を傾げにゃぱにゃぱと笑っているミケネコーンの顔をわたしはじっと見て聞いた。
「だって、二人で楽しそうにお喋りをしていましたからにゃん、ミケネコーンは退屈していましたにゃん」
「……そうだったんだね」
ミケネコーンは寂しかったのかなと思うと少し申し訳ない気持ちになった。
「はいにゃん! なのでミケネコーンはむしゃむしゃにゃんと食べましたにゃん」
「そっか、ミケネコーンちゃんもお喋りに参加したかったのね」
三木田さんすまなそうな目をした。
そうだよね、怪獣界(怪獣界がなんだかよく分からないけど)からこの人間界に落っこちてきて寂しい思いをしたのだろう。
「ミケネコーンちゃんもわたし達の仲間だからね」
わたしはミケネコーンのそのぶさかわな顔を真っ直ぐ見て言った。
「ミケネコーンは嬉しいですにゃん」
ミケネコーンは満面の笑みを浮かべた。
お弁当は全部食べられてしまったけれど、ミケネコーンが笑顔を浮かべ幸せそうにしているからまあいいか。
わたしと三木田さんはかりゆしシャツをケチャップ色に染めお口の周りもケチャップで汚れているミケネコーンの口の周りをウェットティッシュで拭いてあげた。
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