沖縄のシーサーとミケネコーンとわたしの楽しい冒険をどうぞ~

なかじまあゆこ

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プロローグ こんにちはミケネコーンとシーサーと大好きな本

8 ただいま

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「ただいま~」と家に帰るとお母さんが台所で夕飯の準備をしていた。

  わたしは、抱っこしているミケネコーンに視線を向けて「ミケネコーンちゃん良い子にしていてね」と言った。

「はいにゃん!  任せてくださいにゃん」

  ミケネコーンはにゃぱにゃぱと笑顔で返事をしているけれど怪しいものだ。

「おかえりなさい、夏花ちゃん。手を洗ってうがいをするのよ」

「は~い」とわたしは素直に返事をして洗面所に向かい手を洗いうがいをした。

  それから、そろりと二階の自室に向かおうとしたのだけど、今日に限ってお母さんが台所から出てくる。

「夏花ちゃん、今日ね大きなスイカを頂いたのよ。後で食べようね」

「あ、うん、ス、スイカ楽しみ~」

  わたしは、答えながら抱っこしているミケネコーンをどうやって説明しようかと考える。

  その時。

「スイカですかにゃん!  ミケネコーンはスイカ大好きですにゃん、食べますにゃ~ん」

  なんてミケネコーンは声を出すではないか。

「えっ?  今の声は夏花ちゃん?」

「えっと、そうわたしの声だよ」と誤魔化そうとしたのだけど、

「ミケネコーンですにゃん。夏花のお母さんですかにゃん。これからどうぞよろしくですにゃん」

  ミケネコーンはお母さんに挨拶をした。その裂けた大きな口からヨダレがじゅるじゅる垂れていた。

  
  これは絶体絶命の大ピンチだ。

  お母さんは目を大きく見開きわたしの顔とそれから抱っこしているミケネコーンを交互に見ている。

「これはその……」

  わたしは意を決して猫の怪獣を拾いましたと謝ろうとしたその時。

「か、可愛らしいわ。って言うかその子ぶさかわだね~」

  なんて言ってお母さんは目をキラキラと輝かせミケネコーンを見ているではないか。

「ミケネコーンってば可愛らしいですかにゃん。嬉しいですにゃ~ん、あ、でも、ミケネコーンぶさかわちゃいますにゃん!」

「あら、ぶさかわじゃないのね。ってちょっと待ってよ。良く考えるとその子喋っているわね」

  なんてことにお母さんは今更気づく。

「はいにゃん。ミケネコーンはお喋りもお歌も得意ですにゃ~ん!  一曲歌いましょうかにゃん」

「うふふ、お喋りもお歌も得意だなんて頼もしいわね」

  お母さんはにっこりと笑った。

  わたしのお母さんが変わり者で良かったなと思った。

「にゃはにゃはにゃん。では、これからミケネコーンをよろしくお願いしますにゃん。あ、ミケネコーンスイカ食べたいですにゃん!」

  ヨダレをじゅるじゅる垂らしているミケネコーンに、お母さんが、「ご飯の後でね」と言ってウィンクをした。

  こうして、ミケネコーンはわたしの家に住むことになった。
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