沖縄のシーサーとミケネコーンとわたしの楽しい冒険をどうぞ~

なかじまあゆこ

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プロローグ こんにちはミケネコーンとシーサーと大好きな本

5 夏花は困ってしまう

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「あのね、ミケネコーンちゃんってば何ですかにゃんじゃないよ」

「うにゃん?  夏花どうしましたかにゃん」

  ミケネコーンはお口の周りにドーナツの食べかすをくっつけたままの状態で首を傾げている。

「シーサーが喋っているんだよ」

「シーサーが喋っているんですねにゃん」

「もう、ミケネコーンちゃんに用事があるみたいなんだよ」

  わたしは、門柱の上に置かれているシーサーを指差して言った。

「そうなんですかにゃん」

  ミケネコーンはくるりとシーサーに視線を向けた。その時、

「ならん!  ミケネコーンを甘やかしてはならんのじゃーーーーー!!」と叫んだシーサーの甲高くてちょっと間抜けな声が響き渡った。

「ミケネコーンを甘やかしてはならんとは何ですかにゃん?」

  きょとんと首を傾げるミケネコーンを無視してシーサーが「良いか、夏花ちゃん!」と言った。

「えっと、シーサーわたしに言っているのかな?」

  シーサーのギョロとしたその目はわたしを見ているしそれに夏花ちゃんと言っているではないか。

「そうじゃ、この間抜けなミケネコーンのお父上がミケネコーンに修行をするようにと言っておられたのじゃ~!」

  やっぱりシーサーの声はちょっと甲高くて間抜けな声だよ。

  「……はぁ、そうですか?  ってわたしに言われても困るよ」

「いいえ、夏花ちゃん、君はミケネコーンの良き相棒じゃ~!」

  シーサーは『~じゃ~』と言っているんだけど真面目なのかふざけているのか良く分からない。

  それに今もむしゃむしゃにゃんとドーナツを食べているミケネコーンが良き相棒だなんて思えないし、ってちょっと待ってよ。

  ミケネコーンはいつの間にかヨーグルトを食べているではないか。

  それはわたしのヨーグルトだよ。

「ミケネコーンちゃん!!  返して!」

「うにゃん?」

「うにゃんじゃないでしょ」

「うにゃにゃん?  にゃんをプラスしましたにゃん」

  ミケネコーンは首を傾げてわたしの顔を見た。その顔は言うまでもなくヨーグルトまみれになっていた。

「にゃんをプラスしましたにゃんじゃないよ」

「うにゃにゃんにゃん!  夏花の鞄にヨーグルトが入っていたので食べましたにゃん」

  そう言って笑うミケネコーンに呆れて言葉も出ない。

「夏花ちゃん、このミケネコーンを修行の旅に連れ出すのじゃ~」

  ああ、もう駄目だ。わたしの頭はくらくらしてきた。
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