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プロローグ こんにちはミケネコーンとシーサーと大好きな本
3 二本足で立っている
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「怪獣界はミケネコーンの故郷ですにゃん。大好きなお父ちゃまとお母ちゃまとそれから美猫怪獣のお姉ちゃまがいますにゃん!」
ミケネコーンはそう言ったかと思うとぴょ~んとジャンプしてダンボールから飛び出した。
凄いジャンプ力と思いきやバランスを崩し前のめりにぽてりーんと転び地面にひっくり返った。
「痛いですにゃ~ん! ミケネコーンは痛いですにゃ~ん」
ミケネコーンは手足をバタバタさせながら暴れた。
「大丈夫?」
「大丈夫じゃありませんにゃん! あんまりですにゃん」
ミケネコーンは地面から顔を上げた。可哀想にその顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっている。
「いきなり飛び出すからだよ」
わたしがそう言いながら手を差しのべようとしたその時、ミケネコーンはむくりと立ち上がった。
「えっ!? どうして立っているの?」
そうなのだ。このミケネコーンという猫だかなんだか分からない怪獣らしい生き物は二本足で立っているのだった。
しかも背丈は、手のひらサイズと小さかった。
「うにゃん? ミケネコーンはいつも二本足で立っていますにゃん」
そう言ってミケネコーンはぽんぽんと体に付いた泥を払った。
「……あ、そうなんだね。ミケネコーンちゃんは二本足で立って喋ることも出来る猫型怪獣なんだね」
わたしは、涙と鼻水でベタベタにゃんになっているミケネコーンの顔をじっと見て言った。
「はいにゃん。お喋りもお歌も得意ですにゃん。それよりミケネコーンはお腹が空きましたにゃん」
「じゃあ、ちょっと待ってね」
わたしは、鞄の中に手を入れがさごそと食べ物が入ってないかなと探すと、あった、本を読みながら食べようかなと思っていたドーナツだ。
「ドーナツだけど食べられる?」
「ミケネコーンはドーナツめちゃくちゃ大好きですにゃ~ん!」
そう答えたミケネコーンの裂けたお口からたらりとヨダレが垂れている。
「はい、どうぞ」
「夏花、ありがとうですにゃ~ん!」
ミケネコーンは、わたしが渡したドーナツをそれはもう勢いよくむしゃむしゃと食べた。余程お腹が空いていたのだろう。
「あはは、そんなに美味しそうに食べてくれると嬉しいな」
「美味しいですにゃん。ミケネコーンは幸せですにゃん!」
幸せそうに食べているのは良いけれどミケネコーンのお口の周りはドーナツの砂糖まみれになっているではないか。
「ねえ、ミケネコーンちゃん、お口の周りがばっちくなっているよ」
「ミケネコーンは気にしないですにゃん!
むしゃむしゃにゃんですにゃん」
ミケネコーンがドーナツをぽろぽろこぼしながら食べていたその時、視線を感じた。
ミケネコーンはそう言ったかと思うとぴょ~んとジャンプしてダンボールから飛び出した。
凄いジャンプ力と思いきやバランスを崩し前のめりにぽてりーんと転び地面にひっくり返った。
「痛いですにゃ~ん! ミケネコーンは痛いですにゃ~ん」
ミケネコーンは手足をバタバタさせながら暴れた。
「大丈夫?」
「大丈夫じゃありませんにゃん! あんまりですにゃん」
ミケネコーンは地面から顔を上げた。可哀想にその顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっている。
「いきなり飛び出すからだよ」
わたしがそう言いながら手を差しのべようとしたその時、ミケネコーンはむくりと立ち上がった。
「えっ!? どうして立っているの?」
そうなのだ。このミケネコーンという猫だかなんだか分からない怪獣らしい生き物は二本足で立っているのだった。
しかも背丈は、手のひらサイズと小さかった。
「うにゃん? ミケネコーンはいつも二本足で立っていますにゃん」
そう言ってミケネコーンはぽんぽんと体に付いた泥を払った。
「……あ、そうなんだね。ミケネコーンちゃんは二本足で立って喋ることも出来る猫型怪獣なんだね」
わたしは、涙と鼻水でベタベタにゃんになっているミケネコーンの顔をじっと見て言った。
「はいにゃん。お喋りもお歌も得意ですにゃん。それよりミケネコーンはお腹が空きましたにゃん」
「じゃあ、ちょっと待ってね」
わたしは、鞄の中に手を入れがさごそと食べ物が入ってないかなと探すと、あった、本を読みながら食べようかなと思っていたドーナツだ。
「ドーナツだけど食べられる?」
「ミケネコーンはドーナツめちゃくちゃ大好きですにゃ~ん!」
そう答えたミケネコーンの裂けたお口からたらりとヨダレが垂れている。
「はい、どうぞ」
「夏花、ありがとうですにゃ~ん!」
ミケネコーンは、わたしが渡したドーナツをそれはもう勢いよくむしゃむしゃと食べた。余程お腹が空いていたのだろう。
「あはは、そんなに美味しそうに食べてくれると嬉しいな」
「美味しいですにゃん。ミケネコーンは幸せですにゃん!」
幸せそうに食べているのは良いけれどミケネコーンのお口の周りはドーナツの砂糖まみれになっているではないか。
「ねえ、ミケネコーンちゃん、お口の周りがばっちくなっているよ」
「ミケネコーンは気にしないですにゃん!
むしゃむしゃにゃんですにゃん」
ミケネコーンがドーナツをぽろぽろこぼしながら食べていたその時、視線を感じた。
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