沖縄のシーサーとミケネコーンとわたしの楽しい冒険をどうぞ~

なかじまあゆこ

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プロローグ こんにちはミケネコーンとシーサーと大好きな本

2 猫ちゃいますにゃん

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「猫ちゃいますにゃん、ミケネコーンですにゃん」

  え!?  猫ちゃいますにゃんって!?  この声はどこから聞こえてきたのかな。わたしの耳はおかしくなってしまったのだろうか。

「ミケネコーンてばミケネコーンですにゃんってばにゃん。ダンボールの中にいますにゃん」

「えっ?  ダンボール。ミケネコーン?」

  視線を下に向けるとダンボールがあった。そして、その中に三毛猫がいた。ううん、これは三毛猫じゃない。

  だって、この生き物は白、茶色、黒の三色の毛色を持つ短毛のいわゆる三毛猫と同じ柄なんだけど、どこか違う。

  目なんて顔からはみ出すほど大きくて、お口も裂けるくらい大きい。いや、お口は裂けている。

  それに、猫より鋭い歯だ。

「ミケネコーンはお腹が空きましたにゃん」

  そう言ってヨダレをたらりと垂らすミケネコーンという不思議な動物がわたしの顔をじっと見ている。

  ちょっと不細工だけど可愛いよ。っていうかぶさかわでなんだか面白可愛い顔ではないか。

「ねえ、ぶさかわちゃん君は何者なのかな?」

  わたしが聞くと、

「ぶさかわちゃんとちゃいますにゃん!  ミケネコーンですにゃん!」

  と言ってヨダレをたらりと垂らした。

  それはそうとこのミケネコーンってば喋っているよ。

  どうなっているの?


  「……あのミケネコーンちゃんは猫じゃないよね?」

  わたしは、腰を抜かしそうになりながら聞いた。

「はいにゃん。ミケネコーンは猫とちゃいますにゃん。猫の形をした怪獣ですにゃ~ん!  ところでお名前は何ですかにゃん?」

  そう言ってミケネコーンはにゃぱにゃぱと笑いわたしの顔を見た。

「……か、怪獣って……まさかの怪獣なの? わたしは、真川夏花まかわなつか、中学一年生だよ」

「うにゃん、夏花ですかにゃん。はい、怪獣ですにゃん。夏花、ミケネコーンを助けてくださいにゃん」

  ミケネコーンはその顔からはみ出しそうな大きな目をうるうるさせながら言った。

「助けるってどういうこと?」

  わたしは、聞きながらダンボールを見た。よく見ると、黒いマジックで『捨て猫です』と書かれているではないか。

  この子は捨て猫なんだ。ああ、なんて可哀想なんだろうかと思ったけれど、ちょっと待てよ、怪獣なんだよねとふと考え直す。

「ミケネコーンはお父ちゃまに修行をしなさいと言われ怪獣界からこの真っ黒な人間界に突き落とされましたにゃ~ん!」

  ミケネコーンの大きな目から涙がポロポロとこぼれ落ちた。

「ミ、ミケネコーンちゃんてば可哀想に~って怪獣界って何ですか~」

  わたしは、大声で叫んだ。
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