沖縄のシーサーとミケネコーンとわたしの楽しい冒険をどうぞ~

なかじまあゆこ

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プロローグ こんにちはミケネコーンとシーサーと大好きな本

1 こんにちはにゃん! ミケネコーンですにゃん!

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「こんにちはにゃん!」
  君の元気な笑顔に初めてあったあの日のことをわたしは、忘れない。


  わたしの心がわくわくするのは本屋さんに行って大好きな本を発見することだ。

  本屋さんに行くと表紙が見やすいように平積みされた文庫本のコーナーをまずは見る。

  それから本を立てて表紙を正面に向けて陳列されているコーナーを見る。そのあとは、背表紙を見せるように書棚に並べられた本もちゃんと確認する。

  これだ!  と思った本に出会うとそれはもう幸せな気持ちになる。

  今日もわたしは幸せやわくわくやどきどきを探しに本屋さんに来ている。

  面白い本はあるかな?  

  本を読んでいる時はわたしじゃない女の子になれる。自信満々な女の子にもなれるし冒険者にだって男の子にもなれる。それから動物にもね。

  そう、内気なわたしじゃない誰かに……。

  人の顔色ばかり見てうつむいているそんな弱気なわたしじゃない誰かになれる。素敵な夢がたくさん詰まっている本がわたしは好きなのだ。

  今日もらったお小遣いが猫柄のお財布に入っている。どんな夢の世界に出会えるかな?

  わたしはわくわくしながら本屋さんの店内を歩いた。

  すると、その時。

  青くてキラキラと輝いている海の写真が目に飛び込んできた。あ、綺麗だなと思い手に取った。この海は沖縄かな?

「わぁ~綺麗~」

  思わず声が出てしまった。

  だって、透明度が高くて本の中に吸い込まれそうな青さなんだもん。わぁ、いいな、綺麗だな。これは沖縄の海かな。

  ぺらぺらページをめくると南国らしい綺麗な海の写真や海をバックにした猫の写真と文章が書かれていた。どうやらエッセイのようだ。

  わたしは、迷わず本を手に取りレジに向かった。

  そして、店員さんにブックカバーを付けてもらいわくわくしながら本屋を出る。

  外に出ると夏の空に太陽がキラキラと輝いていた。早く家に帰り麦茶でも飲みながら本を読もう。

  わたしは、嬉しくてぴょんぴょんぴょんとスキップしながら家路に向かう。

  すると、その時、門柱の上に置かれていたシーサーの置物が目に入った。

  このタイミングでシーサーの置物と出会えるなんて嬉しいのだ。

  因みにシーサーとは沖縄県の家の守り神や魔除けの役目をはたしている。見た目はライオンや狛犬に似ている。

  わたしの住んでいる東京都にシーサーの置物が飾られている門柱はちょっと珍しいかな。

  シーサーに「こんにちは」とわたしは声をかけた。

  返事なんてするわけないよねと思ったその時、にゃ~ん、にゃ~ん、うにゃにゃ~んと猫の鳴き声が聞こえてきた。

  え?  「猫かな?」

  どこにいるのかな。
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