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カレーライスと猫と
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「美味しいはずだから食えよにゃん」
「ありがとう、美味しそうですね。だけど、食えよってわたし一応お客さんなんですよ……」
わたしはカレーライスと猫の猫福を交互に眺めながら言った。
「ああ、そうだったにゃん。どうぞお召し上がりくださいませにゃん」
「いただきま~す」とわたしは手を合わす。猫福の取ってつけたような言い方は気に食わないけれど、カレーライスのスパイシーな香りには敵わない。
スプーンでごはんをすくう、そのごはんにカレールーをかけ口に運ぶ。すると、口の中にスパイシーな香りが再び漂いこんにちはだ。ああ、幸せで文句を言うことも忘れてしまう。
「おっ、お客さん美味しそうな顔をしているなにゃん」
そう言った猫福こそ幸せそうに頬を緩め舌舐めずりをした。
「はい、とっても美味しいですよ」
「ほぅ、そうかにゃん。どれ、俺もいただこうかにゃん」
そう言ったかと思うと猫福の可愛らしい手がニョキニョキにゃんとカレーライスに伸びてくるではないか。
「ちょっと、カレーライスは手掴みで食べるものではありません!!」
わたしは思わず伸びてきた猫福の可愛らしい手をペシッと払いのけてしまった。
「ムムッにゃん。俺の手をペシッとしたなにゃん」
猫福は目を釣り上げそれとほっぺたをぷくっと膨らませ怒っている。それもまた可愛らしくてほっこりほくほくだ。猫福はかなりご立腹ではあるけれど。
「美味しい料理とこたつにそれから不思議な猫がいる喫茶店だね」
わたしはにっこり笑いスプーンを口に運んだ。
「ありがとう、美味しそうですね。だけど、食えよってわたし一応お客さんなんですよ……」
わたしはカレーライスと猫の猫福を交互に眺めながら言った。
「ああ、そうだったにゃん。どうぞお召し上がりくださいませにゃん」
「いただきま~す」とわたしは手を合わす。猫福の取ってつけたような言い方は気に食わないけれど、カレーライスのスパイシーな香りには敵わない。
スプーンでごはんをすくう、そのごはんにカレールーをかけ口に運ぶ。すると、口の中にスパイシーな香りが再び漂いこんにちはだ。ああ、幸せで文句を言うことも忘れてしまう。
「おっ、お客さん美味しそうな顔をしているなにゃん」
そう言った猫福こそ幸せそうに頬を緩め舌舐めずりをした。
「はい、とっても美味しいですよ」
「ほぅ、そうかにゃん。どれ、俺もいただこうかにゃん」
そう言ったかと思うと猫福の可愛らしい手がニョキニョキにゃんとカレーライスに伸びてくるではないか。
「ちょっと、カレーライスは手掴みで食べるものではありません!!」
わたしは思わず伸びてきた猫福の可愛らしい手をペシッと払いのけてしまった。
「ムムッにゃん。俺の手をペシッとしたなにゃん」
猫福は目を釣り上げそれとほっぺたをぷくっと膨らませ怒っている。それもまた可愛らしくてほっこりほくほくだ。猫福はかなりご立腹ではあるけれど。
「美味しい料理とこたつにそれから不思議な猫がいる喫茶店だね」
わたしはにっこり笑いスプーンを口に運んだ。
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