4 / 12
こたつのある猫喫茶店へようこそ
しおりを挟む
憂鬱な気持ちを抱えたままわたしはタイムカードを押す。
「永久ちゃんまた、明日~」と同僚のホミちゃんが手を振る。わたしも「ホミちゃんお疲れ様~また、明日ね」と手を振り返す。
職場のビルを出るとすっかり夜空が広がっていた。
このまま真っ直ぐ帰ろうかなと思ったけれど、寄り道することにした。ほっと落ち着くことが出来る飲食店があればいいなと思いながら夜道をぶらぶら歩く。
気がつくと人で賑わう繁華街から風情のあるの路地裏にわたしは、足を踏み入れていた。
そこは江戸時代の名残が感じられる黒塀に囲まれた情緒ある美しい街並みが広がっていた。
「わっ、知らなかった。こんな場所があったんだ」とわたしは思わず声に出してしまう。
なんだか懐かしき世界にタイムスリップでもしてきたみたいだとわくわくしてきた。美味しいご飯が食べられる店はないかな? 辺りをキョロキョロと見渡していると、『こたつのある猫喫茶へようこそ』と書かれた看板が目に入る。
こたつと猫の文字にわたしの心はグイグイと引き込まれそうになる。
というかもう引き込まれていた。気がつくとわたしはそのこたつのある猫喫茶店にようこその前に立っていたのだ。
「ようこそ、こたつのある猫喫茶店へ~」
どこかからそんな声が聞こえてきたような気がした。あはは、空耳まで聞こえちゃったと思うと可笑しくなる。わたしはその喫茶店の引き戸をガラガラと開けた。
「お邪魔します」
「永久ちゃんまた、明日~」と同僚のホミちゃんが手を振る。わたしも「ホミちゃんお疲れ様~また、明日ね」と手を振り返す。
職場のビルを出るとすっかり夜空が広がっていた。
このまま真っ直ぐ帰ろうかなと思ったけれど、寄り道することにした。ほっと落ち着くことが出来る飲食店があればいいなと思いながら夜道をぶらぶら歩く。
気がつくと人で賑わう繁華街から風情のあるの路地裏にわたしは、足を踏み入れていた。
そこは江戸時代の名残が感じられる黒塀に囲まれた情緒ある美しい街並みが広がっていた。
「わっ、知らなかった。こんな場所があったんだ」とわたしは思わず声に出してしまう。
なんだか懐かしき世界にタイムスリップでもしてきたみたいだとわくわくしてきた。美味しいご飯が食べられる店はないかな? 辺りをキョロキョロと見渡していると、『こたつのある猫喫茶へようこそ』と書かれた看板が目に入る。
こたつと猫の文字にわたしの心はグイグイと引き込まれそうになる。
というかもう引き込まれていた。気がつくとわたしはそのこたつのある猫喫茶店にようこその前に立っていたのだ。
「ようこそ、こたつのある猫喫茶店へ~」
どこかからそんな声が聞こえてきたような気がした。あはは、空耳まで聞こえちゃったと思うと可笑しくなる。わたしはその喫茶店の引き戸をガラガラと開けた。
「お邪魔します」
1
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
久しぶりにおばあちゃんのお好み焼きが食べたいな
なかじまあゆこ
キャラ文芸
駅のホームでずっこけたり職場に行くと『申し訳ないのですが業績悪化の為今回で契約終了です』と言われて職を失ったりと散々な一日だった佐波は、久しぶりにおばあちゃんの料理が食べたいなと思った。
けれど、もうこの世におばあちゃんはいない。
「おばあちゃんに会いたいよ」と叫んだ佐波の前に「わたしのことを呼びましたか?」と現れたのは……。
ツインテールが可愛らしい女の子ひよこだった。
そして、ひよこ連れて来られたお店「ひよこ」にはイケメンオーナーの神本がいた。
不思議なお店「ひよこ」で繰り広げられる笑いと涙とほっこりの世界にようこそ。
ひよことオーナー神本は……実は。
どうぞよろしくお願いします(^-^)/
わたし雑草がぼうぼうと生えているおばあちゃんの家にお邪魔します!(猫と不思議な生き物が住みついています)
なかじまあゆこ
児童書・童話
猫好きな小鳥浜ことりが最近気になるのは雑草がぼうぼうに生えているおばあちゃんの家だ。
その家に大好きな猫が通っているのを見かけめちゃくちゃ興味を持っていた。
そんなある日、猫と遊んでいると、その家に住むおばあちゃんに声を掛けられて。
小鳥浜ことり小学五年生と幼なじみの紫美紀香と町田結太におばあちゃんと猫。それからちょっと不思議なあやかしの物語です。
よろしくお願いします(^^)/
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【フリー声劇台本】地下劇場ゆうとぴあ(女性3人用)
摩訶子
キャラ文芸
『いらっしゃいませ。カフェではなく、【劇場】の方のお客様ですか。……それなら、あなたはヒトではないようですね』
表向きは、美しすぎる女性店主と元気なバイトの女の子が迎える大人気のカフェ。
しかしその地下に人知れず存在する秘密の【朗読劇場】こそが、彼女たちの本当の仕事場。
観客は、かつては物語の主人公だった者たち。
未完成のまま葬られてしまった絵本の主人公たちにその【結末】を聴かせ、在るべき場所に戻すのが彼女たちの役目。
そんな二人の地下劇場の、ちょっとダークな幻想譚。
どなたでも自由にご使用OKですが、初めに「シナリオのご使用について」を必ずお読みくださいm(*_ _)m
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/chara_novel.png?id=8b2153dfd89d29eccb9a)
乙女フラッグ!
月芝
キャラ文芸
いにしえから妖らに伝わる調停の儀・旗合戦。
それがじつに三百年ぶりに開催されることになった。
ご先祖さまのやらかしのせいで、これに参加させられるハメになる女子高生のヒロイン。
拒否権はなく、わけがわからないうちに渦中へと放り込まれる。
しかしこの旗合戦の内容というのが、とにかく奇天烈で超過激だった!
日常が裏返り、常識は霧散し、わりと平穏だった高校生活が一変する。
凍りつく刻、消える生徒たち、襲い来る化生の者ども、立ちはだかるライバル、ナゾの青年の介入……
敵味方が入り乱れては火花を散らし、水面下でも様々な思惑が交差する。
そのうちにヒロインの身にも変化が起こったりして、さぁ大変!
現代版・お伽活劇、ここに開幕です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる