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最悪な結末とは

まさか

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  お兄ちゃんの日記帳がわたしの側にあり、パタンとページが開かれた。

  それと、同時にお母さんが震える指先で、指差した方向を見ると、心臓が止まりそうになり、そして体が冷たくなった。

  ゾクゾクゾクゾクしてこの場に立ってはいられないそんな感覚だ。

                こんなことってあるの?

  わたしは、ありえない光景を目の当たりにした。


  お母さんの指を指した方向には、祭壇があり、祭壇の両脇には花が飾られている。

  それから、お菓子や食べ物が置かれていた。

  そして、わたしの体に寒気が走ったのは、そこから視線を上に上げると、もう立っていられない。本当に駄目だ。

  だって、そこには。



  そこには、そこには、ああ、そこには。

              なんてことなの!!







     わたしの遺影があったのだから。

    あまりの驚きをで声が出ない。ゾクゾクゾクゾクとして背筋に冷たいものが走った。

  遺影の中には丸顔でおさげ姿の少女が微笑んでいた。

  そう、それは、このわたし史砂だったのだ。


  
  死んだのは、お兄ちゃんじゃなかった。

  死んだのは、わたし史砂だったなんて……。そんな馬鹿なことがあるなんて信じられない。

  だけど、これがどうやら現実のようだ。

   お兄ちゃんの日記帳をわたしは、震える手で拾い上げた。

   その日記帳には真実が書かれていた。
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