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奈美ちゃんと英美利ちゃん
桜色のスカートとわたし
しおりを挟むわたしは、懐かしい少女時代を思い出しながら英美利ちゃんの桜色のスカートを穿いた。
桜色のスカートはきっと上質な素材なんだと思う。軽くてさらさらとしていて穿き心地が良い。これこそわたしが求めていたスカートだ。
そして、この桜色のスカートに黒色のリボンが付いた真っ白なブラウスを合わせた。
「か、可愛い~」
わたしは、全身鏡の前に立ち自分の姿を眺めた。わたしでも可愛らしく見える桜色のスカートは最強だ。
英美利ちゃんが羨ましいなと鏡に映る自分の姿を眺めながら思った。お給料をもらったらこの桜色のスカートを買いに行こうかな。
でも待てよ、英美利ちゃんとの歴然たる美の差を見せつけられて落ち込むことになるだけだと思う。
そう考えるとがっかりした。
鏡の中の自分の姿を眺めているとお姉ちゃんの気持ちが少しだけ分かったような気がした。
だって、わたしも可愛らしい服を着るとそこそこ可愛くなるけれど、英美利ちゃんや奈美ちゃんのようにはなれない。
頑張って鏡の前に二時間座ったとしてもきっと無理だろう。持って生まれたものが違うのだから仕方がない。
お姉ちゃんは天使のように可愛らしい奈美ちゃんとずっと一緒にいた。同じ持ち物を持っても奈美ちゃんみたいに可愛らしくなれない。それにクラスメイトだった英美利ちゃんは絶世の美少女だったのだから……。
でも、だからと言ってお姉ちゃんはやっぱり異常だ。家に帰ると正にどんぐりの背比べのようなわたしが居たのにだ。
そんなことを考えながらわたしは鏡の中の自分を見つめた。
鏡に映る幼い日とさほど変わらない自分の顔を眺めていると複雑な気持ちになってきた。
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