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十二月二十五日のクリスマスの誕生日は幸せで最悪だった
ここで美衣佐Sideこれがわたしからのプレゼントだよ
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十二月二十五日わたしは待ちに待った十六歳の誕生日を迎えた。ずっとこの日を楽しみにしていた。そう、当近さんと高校で出会ってから。
わたしは当近さんへのクリスマスプレゼントを二つ用意した。
一つは可愛らしいプレゼント、そして、もう一つはわたしが本当にプレゼントしたかったものだ。そのプレゼントに視線を落としわたしはほくそ笑む。
「さて、そろそろ誕生日会場に行こうかな」
わたしはプレゼントをカバンに詰め込み部屋から出る。
「美衣佐ちゃん誕生日パーティーに出かけるのね」
まだ、パジャマ姿のお母さんが言った。
「うん、今日はわたしの十六歳の誕生日だからパーティーがあるんだ~」
わたしはニコッと微笑みを浮かべ言った。
「あら、そうだったわね。美衣佐ちゃん、お誕生日おめでとう。大きくなったわね」
お母さんは目を細めながらわたしの顔を見た。
「お母さん。いつも仕事を頑張ってわたしを育ててくれてありがとう」
「あら、とんでもないわよ。美衣佐ちゃんの誕生日にお母さんパジャマ姿でなんかごめんね」
お母さんは自身のパジャマに視線を向け言った。
「そんなこと気にしないで。今日は久しぶりの休みなんでしょ? ゆっくり寝ててよ」
わたしはフフッと笑い「じゃあね、行ってくるよ」と言った。
「いってらっしゃい」とお母さんは微笑みを浮かべた。
「あ、そうだ、お母さん。これを見て」
わたしは、当近さんへの本当にプレゼントしたかったものを見せた。
「えっ!! それは……美衣佐ちゃんどういうことなの?」
お母さんはびっくりしたように目を見開きその声は震えていた。
「うふふ、これをプレゼントするんだよ~」
わたしは口元に手を当てて笑った。
「返しなさい。それを誰に見せるの?」
お母さんの寝ぼけていた目が今は恐怖に怯えている。
「返さないわよ。じゃあね」と言ってわたしは急いで外に出た。
「美衣佐ちゃん返して、返しなさい!!」
わたしは、お母さんの叫び声を無視して階段を駆け下りた。
十二月二十五日わたしは待ちに待った十六歳の誕生日を迎えた。ずっとこの日を楽しみにしていた。そう、当近さんと高校で出会ってから。
わたしは当近さんへのクリスマスプレゼントを二つ用意した。
一つは可愛らしいプレゼント、そして、もう一つはわたしが本当にプレゼントしたかったものだ。そのプレゼントに視線を落としわたしはほくそ笑む。
「さて、そろそろ誕生日会場に行こうかな」
わたしはプレゼントをカバンに詰め込み部屋から出る。
「美衣佐ちゃん誕生日パーティーに出かけるのね」
まだ、パジャマ姿のお母さんが言った。
「うん、今日はわたしの十六歳の誕生日だからパーティーがあるんだ~」
わたしはニコッと微笑みを浮かべ言った。
「あら、そうだったわね。美衣佐ちゃん、お誕生日おめでとう。大きくなったわね」
お母さんは目を細めながらわたしの顔を見た。
「お母さん。いつも仕事を頑張ってわたしを育ててくれてありがとう」
「あら、とんでもないわよ。美衣佐ちゃんの誕生日にお母さんパジャマ姿でなんかごめんね」
お母さんは自身のパジャマに視線を向け言った。
「そんなこと気にしないで。今日は久しぶりの休みなんでしょ? ゆっくり寝ててよ」
わたしはフフッと笑い「じゃあね、行ってくるよ」と言った。
「いってらっしゃい」とお母さんは微笑みを浮かべた。
「あ、そうだ、お母さん。これを見て」
わたしは、当近さんへの本当にプレゼントしたかったものを見せた。
「えっ!! それは……美衣佐ちゃんどういうことなの?」
お母さんはびっくりしたように目を見開きその声は震えていた。
「うふふ、これをプレゼントするんだよ~」
わたしは口元に手を当てて笑った。
「返しなさい。それを誰に見せるの?」
お母さんの寝ぼけていた目が今は恐怖に怯えている。
「返さないわよ。じゃあね」と言ってわたしは急いで外に出た。
「美衣佐ちゃん返して、返しなさい!!」
わたしは、お母さんの叫び声を無視して階段を駆け下りた。
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