座敷童子が見える十四歳のわたしと二十七歳のナオカちゃん

なかじまあゆこ

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わたしと家族と座敷わらし

座敷童子が美鞠にも見えたらいいな

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ナオカちゃんの部屋は一瞬シーンとしたけどその静寂は座敷童子が破る。

「こ~んなに可愛いわたしが見えないなんて美鞠ちゃんは損してるね」

 座敷童子はお手玉をぽーん、ぽーんと高く投げ上げニマリと笑う。

わたしとナオカちゃんは顔を見合わせ笑い合う。

「可愛いってな‥‥‥クソ生意気な座敷童子のクセにな」

 鞠助がふんと鼻で笑った。

「ふん、それはこっちの台詞だよ。鞠助こそクソ生意気な小学生でしょう。それにわたし見かけは幼女だけどずっとナオカちゃんの部屋に住んでいる座敷童子だよ」

 座敷童子はお手玉を器用にキャッチしニヒヒと笑った。

「うわぁ、マジカよ! なんか不気味だぞ。それって化け物見たいじゃないか」

 鞠助は両手で腕を擦り震えている。

 クソ生意気なクセに怖がりなんだから。そう思うとなんだか可笑しくなる。ナオカちゃんもブルブル震え怯えている鞠助を見てクスクス笑っていた。


 それから数日後。学校からの帰り道。神社の境内を通り抜けわたしは家に向かっていた。その時、ぽーん、ぽーんと鞠をつく音が聞こえてきた。

「あ、座敷童子だ」
「あ、鞠ちゃんだ」

 わたし達はお互いの顔を見て笑い合った。

「神社で遊んでいたの?」

「うん、さっき鞠助君と鞠を投げ合って遊んでいたんだよ」

「えっ~! 鞠助と鞠遊びをしたんだ!」

「うん、ものすごく嫌そうな顔していたけどね」

 座敷童子は可笑しそうに笑う。

「鞠助らしいよね。きっと、あの子本当は喜んでいるよ」

 わたしも座敷童子の顔を見て笑った。

「お~い! こまたん~座敷童子~」
 
 この声はナオカちゃんだ。振り向くとナオカちゃんがこちらに向かって歩いてくるところだった。

 ナオカちゃんの顔はキラキラと輝く大きな笑顔だった。
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