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わたしと家族と座敷わらし
鞠助は仲間だ
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「鞠はまた何か呟いた。とにかくいたずらしないでよ」
お姉ちゃんはわたしの顔を睨みそれからナオカちゃん、鞠助と順番にキッと睨んだ。
お手玉遊びでもしてイライラなんて吹き飛ばそうよ。わたしはそう思うのだけど言えない。
だって、絶対に怒られるんだから。
「じゃあ、わたしは勉強があるから部屋に戻るよ。みんなで気が済むまでお手玉でもすればいいんだよ」
お姉ちゃんはそう言うと振り返りもしないで部屋から出ていった。
そんなお姉ちゃんの後ろ姿をわたし達三人とプラス座敷童子は見送った。
「あ~あ、俺まで仲間にされたよ」
「いいじゃない。鞠助も仲間になった記念に公園で遊ぼうよ。滑り台楽しい」
ナオカちゃんはウッシッシと笑う。
「ふざけるなよ。なんで俺が公園でそんな幼稚なことしなきゃならないんだよ」
「小学生のくせにね~」わたしはくふふと笑った。
「ふん! 来年には中学生になるぞ。中学生のくせに幼稚な鞠姉ちゃんだけには言われたくないな」
「でも、鞠助の表情は柔らかくなってきたよ」
座敷童子がニヤリと笑いわたしが感じていたことと同じことを言った。
「うん、ほんとに少し小学生らしい表情になってきたね」
「うん、ふてぶてしい顔がちょっと可愛らしくなってきたね。こまたんののんびりのほほ~んとした顔と隣に並んでもぴったり絵になるね」
ナオカちゃんがうんうんと頷きながら言った。
「ちょっと、ナオカちゃんってばのほほ~んとした顔って酷いよ!」
「おい、ナオカちゃん! 鞠姉ちゃんと絵になんてなりたくないよ」
わたしと鞠助は口々に言った。
「いいじゃない。姉弟なんだから仲良くしなよね」
「そうだよ~鞠ちゃんと鞠助は仲良くだよ~」
ナオカちゃんと座敷童子はそう言って笑い合った。
なんだかナオカちゃんと座敷童子も息の合った姉妹に見えてきた。
その時、引き戸がガラガラと開いた。
お姉ちゃんはわたしの顔を睨みそれからナオカちゃん、鞠助と順番にキッと睨んだ。
お手玉遊びでもしてイライラなんて吹き飛ばそうよ。わたしはそう思うのだけど言えない。
だって、絶対に怒られるんだから。
「じゃあ、わたしは勉強があるから部屋に戻るよ。みんなで気が済むまでお手玉でもすればいいんだよ」
お姉ちゃんはそう言うと振り返りもしないで部屋から出ていった。
そんなお姉ちゃんの後ろ姿をわたし達三人とプラス座敷童子は見送った。
「あ~あ、俺まで仲間にされたよ」
「いいじゃない。鞠助も仲間になった記念に公園で遊ぼうよ。滑り台楽しい」
ナオカちゃんはウッシッシと笑う。
「ふざけるなよ。なんで俺が公園でそんな幼稚なことしなきゃならないんだよ」
「小学生のくせにね~」わたしはくふふと笑った。
「ふん! 来年には中学生になるぞ。中学生のくせに幼稚な鞠姉ちゃんだけには言われたくないな」
「でも、鞠助の表情は柔らかくなってきたよ」
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「うん、ほんとに少し小学生らしい表情になってきたね」
「うん、ふてぶてしい顔がちょっと可愛らしくなってきたね。こまたんののんびりのほほ~んとした顔と隣に並んでもぴったり絵になるね」
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「ちょっと、ナオカちゃんってばのほほ~んとした顔って酷いよ!」
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「そうだよ~鞠ちゃんと鞠助は仲良くだよ~」
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