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わたしと家族と座敷わらし
イタズラ好きな座敷童子
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「わっ! どうしてお手玉がこんなにたくさん落っこちているの?」
お姉ちゃんの大きな声が廊下から聞こえてきた。
「お手玉ってまさか?」
わたしは、座敷童子の顔をちらりと見た。座敷童子は「鞠ちゃんと鞠助は仲良しだ~♪ ナオカちゃんもね~♪」なんて歌を歌いながらお手玉をポーンと投げ上げた。
わたしがそんな座敷童子をじっと見ていると「ん? 鞠ちゃんどうかした?」と座敷童子は首を横に傾げながら落ちてきたお手玉を器用にキャッチする。
「座敷童子ってばまた何かしたよね?」
わたしが尋ねると座敷童子は「さあ、どうかしらね?」と首を横に傾げクスクスと笑った。
これは絶対に何かやったに違いない。
「どうせ美鞠姉ちゃんの部屋にお手玉でも置いたんだろう?」
鞠助はふぅーと大きな溜息をつき座敷童子を見た。ナオカちゃんも座敷童子を見て笑っている。
「あはは、バレた~」
座敷童子はあっさり認めた。
「バレるに決まっているだろう」
「座敷童子のやることは単純だよね」
「やっぱりだ~」
わたし達は口々に言った。
「だって、美鞠ちゃんは意地悪だからいたずらしちゃったよ」
座敷童子は口元に手を当て可笑しそうに笑った。
「いたずら好きな座敷童子だ~」
わたし達は声を揃えて言った。
「えへへ、だって、わたしの趣味はいたずらなんだもんね」
にんまり笑顔の座敷童子は胸を張りなぜだか得意げだ。
「悪趣味な奴だな」と鞠助は眉間に皺を寄せる。
「めちゃくちゃ悪趣味~」とわたしは笑いナオカちゃんも「座敷童子らしい悪趣味な趣味だね」と言ってケラケラと笑う。
「あ、みんなでわたしのことを悪趣味って言って酷いよ~」
座敷童子は頬をぷくっと膨らませわたし達の顔を順番に見た。
「だって、悪趣味だもんね」
わたし達の声は揃った。
「ふん! みんなして酷いな~いいもんね。悪趣味な趣味を極めてみせるからね」
座敷童子はふんと笑いお手玉をぽーんと投げた。
「それで、またお手玉を破いて美鞠姉ちゃんの部屋に置いたのかよ?」
鞠助は軽蔑するような表情を浮かべ座敷童子を見た。
「うふふ、どうかしらね~」
座敷童子が楽しそうに笑いながら答えたその時、ナオカちゃんの部屋の引き戸が勢いよく開いた。
「ちょっと、これナオカちゃんの落とし物かな?」
部屋に入ってきたのはお姉ちゃんだ。手にはたくさんのお手玉を持っている。
「違うよ」とナオカちゃんは返事をしたけれど、お姉ちゃんの視線はナオカちゃんが手に持っているお手玉に釘付けだ。
「そのお手玉とこれそっくりだよね?」
お姉ちゃんは言いながらナオカちゃんとお手玉を交互に見た。これはもう物的証拠がありナオカちゃんが犯人みたいではないか。
そう思ったのだけど、お姉ちゃんはわたしと鞠助の顔を見た。
えっ! どうして? そうなのだ。わたしと鞠助もお手玉を握っていたのだった。
お姉ちゃんの大きな声が廊下から聞こえてきた。
「お手玉ってまさか?」
わたしは、座敷童子の顔をちらりと見た。座敷童子は「鞠ちゃんと鞠助は仲良しだ~♪ ナオカちゃんもね~♪」なんて歌を歌いながらお手玉をポーンと投げ上げた。
わたしがそんな座敷童子をじっと見ていると「ん? 鞠ちゃんどうかした?」と座敷童子は首を横に傾げながら落ちてきたお手玉を器用にキャッチする。
「座敷童子ってばまた何かしたよね?」
わたしが尋ねると座敷童子は「さあ、どうかしらね?」と首を横に傾げクスクスと笑った。
これは絶対に何かやったに違いない。
「どうせ美鞠姉ちゃんの部屋にお手玉でも置いたんだろう?」
鞠助はふぅーと大きな溜息をつき座敷童子を見た。ナオカちゃんも座敷童子を見て笑っている。
「あはは、バレた~」
座敷童子はあっさり認めた。
「バレるに決まっているだろう」
「座敷童子のやることは単純だよね」
「やっぱりだ~」
わたし達は口々に言った。
「だって、美鞠ちゃんは意地悪だからいたずらしちゃったよ」
座敷童子は口元に手を当て可笑しそうに笑った。
「いたずら好きな座敷童子だ~」
わたし達は声を揃えて言った。
「えへへ、だって、わたしの趣味はいたずらなんだもんね」
にんまり笑顔の座敷童子は胸を張りなぜだか得意げだ。
「悪趣味な奴だな」と鞠助は眉間に皺を寄せる。
「めちゃくちゃ悪趣味~」とわたしは笑いナオカちゃんも「座敷童子らしい悪趣味な趣味だね」と言ってケラケラと笑う。
「あ、みんなでわたしのことを悪趣味って言って酷いよ~」
座敷童子は頬をぷくっと膨らませわたし達の顔を順番に見た。
「だって、悪趣味だもんね」
わたし達の声は揃った。
「ふん! みんなして酷いな~いいもんね。悪趣味な趣味を極めてみせるからね」
座敷童子はふんと笑いお手玉をぽーんと投げた。
「それで、またお手玉を破いて美鞠姉ちゃんの部屋に置いたのかよ?」
鞠助は軽蔑するような表情を浮かべ座敷童子を見た。
「うふふ、どうかしらね~」
座敷童子が楽しそうに笑いながら答えたその時、ナオカちゃんの部屋の引き戸が勢いよく開いた。
「ちょっと、これナオカちゃんの落とし物かな?」
部屋に入ってきたのはお姉ちゃんだ。手にはたくさんのお手玉を持っている。
「違うよ」とナオカちゃんは返事をしたけれど、お姉ちゃんの視線はナオカちゃんが手に持っているお手玉に釘付けだ。
「そのお手玉とこれそっくりだよね?」
お姉ちゃんは言いながらナオカちゃんとお手玉を交互に見た。これはもう物的証拠がありナオカちゃんが犯人みたいではないか。
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えっ! どうして? そうなのだ。わたしと鞠助もお手玉を握っていたのだった。
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