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わたしと家族と座敷わらし

座敷童子と遊ぼう

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「ねえ、座敷童子、公園に行って滑り台で遊ばない?」

「うん、遊ぼう」

  わたしと座敷童子は神社の隣にある公園の滑り台に走った。

  そして、滑り台の階段を登りするする滑る。「わ~い!  やっぱり滑り台は楽しいよ~」とわたしは声を上げた。

  座敷童子もわたしと同じように階段を登った。「ふふん、滑るぞ」と言った座敷童子は滑り台をするする滑った。その顔はとても嬉しそうに輝いていた。

  座敷童子が滑り台を滑っている光景を見ることができるなんてめちゃくちゃ貴重な体験だよね。そう思うとなんだか嬉しくなる。

滑り台をわたしは逆走して駆け上がった。ナオカちゃんと滑り台で遊んだ時のように。

「えへへ! 座敷童子!  楽しいよ」とわたしは滑り台のてっぺんから叫ぶ。

「鞠ちゃんって子供っぽいよね」

  座敷童子は滑り台の下でニヤリと笑う。

「うん、子供っぽくてもいいもん。それにわたしは目一杯青春するんだ~」

  わたしは滑り台の上で叫んだ。すると、なんだかスッキリして気分爽快になった。

 わたしが滑り台を滑り終えると座敷童子が、「わたしもは逆走しちゃおうかな」と言ったのとほぼ同時にもう駆け上がっていた。

「ふふっ、なんか滑り台を逆走して駆け上がると楽しいね」

  座敷童子は滑り台のてっぺんから叫ぶ。

「でしょう。楽しいことはやってみなきゃね」

 今度はわたしが滑り台の下から座敷童子を見上げニヤリと笑ってみせた。

  鞠助やお姉ちゃんもわたしやナオカちゃんやそれから座敷童子のようにおもいっきり遊ぶといいのになと思った。

 人生何が正しくて何が間違っているのかなんてわからないけれど。わたしが大人になるとわかるのだろうか? それは大人になってからの楽しみにしよう。

 この日のわたしは座敷童子と神社で鞠投げをしたり公園の遊具でおもいっきり遊んだ。

 楽しい時間はあっという間だ。気がつくと夕日が遊具を照らしていた。オレンジ色に包まれた世界にわたしと座敷童子の笑顔がぽわんと浮かんだ。

 ああ、楽しかったと言う毎日を積み重ねていけたらいいな。

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