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わたしと家族と座敷わらし
翌朝は晴れ
しおりを挟む翌朝はぴっかーんと晴れ渡る快晴だった。春の日差しが気持ちいい。今日は公園日和だ。そう思うと嬉しくなる。
階段をトントンと下りて台所に行くと大きな口を開けてナオカちゃんがトーストをかじっていた。
「ナオカちゃん、おはよう~」
わたしは元気よく挨拶をした。
「おはよう~こまたん」
ナオカちゃんもにっこりと笑い挨拶を返してくれた。
「ナオカちゃん早起きなんだね」
わたしは言いながら椅子に座った。
「うん、早起きって言ってももう九時だよ」
ナオカちゃんが壁に掛かっている時計を指差して言った。
「だって、おばあちゃん以外の家族は日曜日は寝坊助なんだもん」と言ったのとほぼ同時に玄関の引き戸がガラガラと開きおばあちゃんが台所に入ってきた。
「おはよう、鞠ちゃん。食パン何枚食べるんだい?」
「えっと、二枚食べる。おばあちゃんおはよう~」
流し台で手を洗っているおばあちゃんにわたしは返事をした。おばあちゃんは庭の花に水やりをしていたのだろう。
おばあちゃんが焼いてくれたトーストをかじりながらナオカちゃんに「ねえ、久しぶりに公園に行こうよ」と言った。
ナオカちゃんは飲んでいた紅茶のマグカップをテーブルに置きながら「公園?」と言った。
「うん、昔よく遊んでくれたでしょう」
「あ、そうだったね。公園よく行ったね。懐かしいな~うん、こまたん公園に行こうよ」
ナオカちゃんは口角をキュッと上げてとびっきりの笑みを浮かべた。
「わ~い! やったー」
やっぱりナオカちゃんは口角をキュッと上げて「こまたん公園行こうよ」と言ってくれた。わたしは嬉しくて飛び上がりそうになった。
嬉しい気持ちいっぱいでわたしは大きな口を開けてがぶりがぶりとトーストを頬張る。バターがじゅわーと染み込んだ熱々のトーストはそれはもう美味しくてほっぺたが落っこちそうになった。
その後はちみつも塗るとじゅわーと濃厚な甘さが溢れてきて口の中が幸せいっぱいになる。
さあ、今日は公園にナオカちゃんと行くぞ。わたしはトースト二枚を平らげ紅茶をゴクゴク飲み干した。ナオカちゃんはトーストを三枚食べたらしい。負けた。
さてさて、やって来ました公園です。今日は春の風が爽やかで心地好い。
「なんか暖かくなると心もぽかぽかしてくるね」
わたしは、太陽がキラキラと輝く青空を見上げて言った。
「うん、春だな~って当たり前のことを思っちゃう。でもそれが幸せだなと感じるよ」
ナオカちゃんもわたしと同じように春の青空を見上げ目を細めた。春の青く澄んだ空を見上げているとなぜだか涙が出そうになった。どうしてかな?
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