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第一章 古書カフェ店のスタートです
2 喋る動物達
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みどりちゃんが指差しているその先を見るといつの間にか猫の隣に猫より少し体長が大きいくちばしと足が赤色の鳥がちょこりんこといるではないか。
「えっ、この鳥は……」
「どうしているの?」
だって、この鳥は確か……
沖縄の北部にあるやんばるの森だけに生息している絶滅危惧種に指定されている飛べない鳥……
「えっ、みどりちゃん、この鳥はヤンバルクイナじゃないの?」
わたしは、大きな声を上げて叫んでしまった。
その鳥は、わたしに答えるかのように、「コッコッコッコー」と鳴いた。
猫もそうだよと言わんばかりに、にゃーんと鳴いた。
「ねえ、猫さんのお友達なの?」
猫は、わたしの目をじっと見つめている。その瞳はとても綺麗でキラキラ輝いていて吸い込まれてしまいそうだ。吉田さんの瞳にもどことなく似ていた。
わたしと猫は見つめ合う。
とその時、猫の口角が上がりニンマリと笑ったように見えた。笑っているよ、これは絶対に笑っているよ。
「みどりちゃん、この猫さん笑っているよ」
わたしは、ニンマリ笑顔の猫を指差しながら言った。
「えっ、あ、本当だ!」
みどりちゃんもびっくりしたように口をパクパクさせていた。
ニンマリと笑う猫にやんばるの森だけに生息しているはずのヤンバルクイナが目の前にいる。
これは一体どういうことなのだろうか。
すると、今度は、
「こんにちは」と可愛らしい声が聞こえてきた。誰の声、みどりちゃんの声ではないことだけは確かだ。
信じられない、わたしがドジで間抜けな真理子でそれから大人になっても夢見る少女みたいだと言われていても。
この現実は信じられない。
だって、声の主は……。
「こんにちは、真理子ちゃんとみどりちゃん。よろしくにゃん」
わっ、わぁーーーーーーーー
喋った。猫が喋った。
そう、声の主はわたしの目の前でニンマリと笑っているこの猫だったのだから。
「あ、えっと、あなたは猫さんですよね?」
わたしってばなんて間抜けな質問をしているのだろうか。
見た感じどう見ても猫だよね。濃いオレンジ色の縞模様にふさふさの毛並み、丸くて可愛らしいぱっちりおめめ。なんとも言えないほど可愛らしくてぎゅっと抱きしめたくなるほど可愛い。
「はい、猫ですよ。にゃんにゃんですにゃん。名前は茶和ですにゃん。それから、お友達のヤンバルクイナはヤンバちゃんですにゃん」
そう言って猫さんこと茶和ちゃんはにゃんまりと笑った。
「み、みどりちゃん……この猫さん、茶和ちゃんは喋ったよね?」
わたしは、みどりちゃんに視線を向け同意を求めた。
「う、うん。ま、真理子、この猫さん喋ったよ~笑ったよ……わたしの目と頭も真理子みたいにおかしくなってしまったのかな?」
なんて失礼なことをみどりちゃんは言うのだろうか。信じられない。
「みどりちゃん、それって酷くない。真理子みたいにってちょっと失礼だよ。なんて言ってる場合じゃない。猫が話をするなんてファンタジーの世界だよ!」
「これが現実ですにゃん。真理子ちゃん、みどりちゃん」
茶和ちゃんは口角を上げてにゃんまりと笑った。
「……茶和ちゃんは何者なの?」
とわたしが聞き、みどりちゃんも
「そうよ、何者なの? 茶和ちゃんとそれからヤンバルクイナのヤンバって名前そのままだね」と言った。
「猫ですにゃん。動物ですよ」
「わたしは、鳥だよ。ヤンバルクイナのヤンバで名前がそのままなんてみどりちゃん失礼しちゃう」
ヤンバルクイナのヤンバちゃんはぷんすか怒っている。
えっ、ちょっと待ってーーーー
ヤンバルクイナも喋ったではないか。
これが夢なのか確かめるためにわたしは自分のほっぺたをつねってみた。
「わっ、痛いよ~」
自分の手でぎゅーっとつねったほっぺたがジンジンして痛かった。やっぱりこれは夢なんかではなくて現実なんだ。
わたしの目の前にいる喋る猫もヤンバルクイナも本物なんだ。信じられない現実が目の前にある。
「真理子、何やってんの? それにしても、猫とヤンバルクイナが話をするなんて夢みたいだよね」
わたしと同様にみどりちゃんも面食らった顔をしている。
「二人ともどうしたんですかにゃん?」
茶和ちゃんは、耳をピンと立て口角を上げてにっと笑った。
ヤンバちゃんも茶和ちゃんと同様に笑っているように見える。
「まっ、いっか! わたしは猫とヤンバルクイナが話をする現実を受け入れるよ。だって、猫とヤンバルクイナがお話をするなんて楽しい世界じゃない。ねっ、みどりちゃん」
「……あ、そうだね。わたしは、真理子と違って現実主義だけど仕方がない。猫も鳥も話をしている現実が目の前にあるんだもんね!」
みどりちゃんはそう言ってにっこりと笑った。
「流石、真理子ちゃんにみどりちゃん、仲良くしましょうにゃ~ん」
「コッコッコー仲良くしましょうコッコッコー」
茶和ちゃんとヤンバちゃんとわたし達はどうやらお友達になったようだ。
「えっ、この鳥は……」
「どうしているの?」
だって、この鳥は確か……
沖縄の北部にあるやんばるの森だけに生息している絶滅危惧種に指定されている飛べない鳥……
「えっ、みどりちゃん、この鳥はヤンバルクイナじゃないの?」
わたしは、大きな声を上げて叫んでしまった。
その鳥は、わたしに答えるかのように、「コッコッコッコー」と鳴いた。
猫もそうだよと言わんばかりに、にゃーんと鳴いた。
「ねえ、猫さんのお友達なの?」
猫は、わたしの目をじっと見つめている。その瞳はとても綺麗でキラキラ輝いていて吸い込まれてしまいそうだ。吉田さんの瞳にもどことなく似ていた。
わたしと猫は見つめ合う。
とその時、猫の口角が上がりニンマリと笑ったように見えた。笑っているよ、これは絶対に笑っているよ。
「みどりちゃん、この猫さん笑っているよ」
わたしは、ニンマリ笑顔の猫を指差しながら言った。
「えっ、あ、本当だ!」
みどりちゃんもびっくりしたように口をパクパクさせていた。
ニンマリと笑う猫にやんばるの森だけに生息しているはずのヤンバルクイナが目の前にいる。
これは一体どういうことなのだろうか。
すると、今度は、
「こんにちは」と可愛らしい声が聞こえてきた。誰の声、みどりちゃんの声ではないことだけは確かだ。
信じられない、わたしがドジで間抜けな真理子でそれから大人になっても夢見る少女みたいだと言われていても。
この現実は信じられない。
だって、声の主は……。
「こんにちは、真理子ちゃんとみどりちゃん。よろしくにゃん」
わっ、わぁーーーーーーーー
喋った。猫が喋った。
そう、声の主はわたしの目の前でニンマリと笑っているこの猫だったのだから。
「あ、えっと、あなたは猫さんですよね?」
わたしってばなんて間抜けな質問をしているのだろうか。
見た感じどう見ても猫だよね。濃いオレンジ色の縞模様にふさふさの毛並み、丸くて可愛らしいぱっちりおめめ。なんとも言えないほど可愛らしくてぎゅっと抱きしめたくなるほど可愛い。
「はい、猫ですよ。にゃんにゃんですにゃん。名前は茶和ですにゃん。それから、お友達のヤンバルクイナはヤンバちゃんですにゃん」
そう言って猫さんこと茶和ちゃんはにゃんまりと笑った。
「み、みどりちゃん……この猫さん、茶和ちゃんは喋ったよね?」
わたしは、みどりちゃんに視線を向け同意を求めた。
「う、うん。ま、真理子、この猫さん喋ったよ~笑ったよ……わたしの目と頭も真理子みたいにおかしくなってしまったのかな?」
なんて失礼なことをみどりちゃんは言うのだろうか。信じられない。
「みどりちゃん、それって酷くない。真理子みたいにってちょっと失礼だよ。なんて言ってる場合じゃない。猫が話をするなんてファンタジーの世界だよ!」
「これが現実ですにゃん。真理子ちゃん、みどりちゃん」
茶和ちゃんは口角を上げてにゃんまりと笑った。
「……茶和ちゃんは何者なの?」
とわたしが聞き、みどりちゃんも
「そうよ、何者なの? 茶和ちゃんとそれからヤンバルクイナのヤンバって名前そのままだね」と言った。
「猫ですにゃん。動物ですよ」
「わたしは、鳥だよ。ヤンバルクイナのヤンバで名前がそのままなんてみどりちゃん失礼しちゃう」
ヤンバルクイナのヤンバちゃんはぷんすか怒っている。
えっ、ちょっと待ってーーーー
ヤンバルクイナも喋ったではないか。
これが夢なのか確かめるためにわたしは自分のほっぺたをつねってみた。
「わっ、痛いよ~」
自分の手でぎゅーっとつねったほっぺたがジンジンして痛かった。やっぱりこれは夢なんかではなくて現実なんだ。
わたしの目の前にいる喋る猫もヤンバルクイナも本物なんだ。信じられない現実が目の前にある。
「真理子、何やってんの? それにしても、猫とヤンバルクイナが話をするなんて夢みたいだよね」
わたしと同様にみどりちゃんも面食らった顔をしている。
「二人ともどうしたんですかにゃん?」
茶和ちゃんは、耳をピンと立て口角を上げてにっと笑った。
ヤンバちゃんも茶和ちゃんと同様に笑っているように見える。
「まっ、いっか! わたしは猫とヤンバルクイナが話をする現実を受け入れるよ。だって、猫とヤンバルクイナがお話をするなんて楽しい世界じゃない。ねっ、みどりちゃん」
「……あ、そうだね。わたしは、真理子と違って現実主義だけど仕方がない。猫も鳥も話をしている現実が目の前にあるんだもんね!」
みどりちゃんはそう言ってにっこりと笑った。
「流石、真理子ちゃんにみどりちゃん、仲良くしましょうにゃ~ん」
「コッコッコー仲良くしましょうコッコッコー」
茶和ちゃんとヤンバちゃんとわたし達はどうやらお友達になったようだ。
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