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魔法の村と魔法使いと動物達
花達が咲き誇る
しおりを挟むそれからも俺達は歩き続けた。歩きながら緑色の爽やかな空気を体いっぱいに吸い込む。
「着いたにゃん」とチャーミにゃんの元気な声が聞こえてきた。
「あ、これは」俺は思わず声を上げてしまった。だって、目の前に色鮮やかな花が咲き誇っているのだから。いや、咲き誇っているだけではなくて……。
猫、うさぎ、犬、ペンギン、レッサーパンダ、パンダ、タヌキ、羊、にオトッセイまでいた。
可愛らしい動物達が美しい杖(チャーミにゃんの棒切れみたいな杖とは大違いだ)を手に持ちくるくると振り回している。
ただ、振り回しているのではなくて、動物達がその美しい杖をくるくると振り回すと花がぽんぽん、ぽんぽんと次から次へと咲くではないか。
「な、なんだよ。これは!?」
「めちゃくちゃ凄いぞ!」
俺と貧神は大きな声を上げてその綺麗でそれはもう不思議な世界を眺めた。
「これは魔法の村の花咲かせタイムですにゃん」
チャーミにゃんがニコニコと笑い答えた。
「この魔法の村をお花でいっぱいな綺麗な村にする儀式と言うか魔法タイムですよ。ガォー、ガォー、ガォー」
トラッコさんもニコニコと笑いガォーと吠えた。
「そ、そうなんだ。凄いな……」
「綺麗だな」
今もぽんぽん、ぽんぽんと花が咲く。
紫陽花、ハイビスカス、ブーゲンビリア、チューリップ、薔薇、椿、桜にそれからもひまわりまで季節を問わない花が咲き誇る。
俺と貧神は呆然とその世界を見つめ続けた。
ぽんぽん、ぽんぽん、キラキラと輝く花達に囲まれまるで俺は夢の世界にいるようだ。
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