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魔法の村と魔法使いと動物達
トラッコとぷにぷにな肉球と魔法使い
しおりを挟む先程まで怖がっていたのが嘘のように貧神は柔らかい笑みを浮かべトラッコさんの肉球のある大きなその手をぎゅっと握っている。
「うふふ、わたしご自慢の肉球よ。可愛くて気持ちいいと魔法使い仲間にも言われるんですよ。ガオー」
「おっと、ガオーですか! 肉球は本当にぷにぷにしていて気持ちいいですよ」
貧神はもう怖くないらしい様子でにんまりと笑った。
「うふふ、貧神さん。ありがとうございます。わたしの肉球を褒めて頂きとっても嬉しいです。ガオー」
トラッコさんはにこやかに笑いそしてやはりガオーと吠えた。このガオーは挨拶なんだと俺は理解した。
「さあ、魔法の森はこれからですにゃん」
チャーミにゃんがしょぼい棒切れみたいな魔法の杖をくるくる振り回し言った。
「わたしもお供しますよ。ガオー」
トラッコさんは相変わらず吠えるが怖くなくなってきた。
「なんだか楽しくなってきたな」
調子のいい貧神は楽しんでいるようだ。
「そうだな。ちょっと楽しいかもな」
俺も今のこの状況を楽しもうと思いニッと笑った。
俺達の目の前をもふもふ動物が二本足で歩いていて一匹はしょぼい棒切れみたいな魔法の杖をくるくる振り回す猫。もう一匹は黒色の横縞の身体と猛獣らしくガオーと吠えるのが迫力満点の虎。だけど、この虎はどうやら優しいようだ。
そんな二匹の背中を眺めながら歩くと心がいつの間にか弾んできた。なんだかちょっとした冒険者にでもなった気分だ。
俺は元気よく歩いた。隣を歩く貧神も楽しそうだ。
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