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俺達がこの世界にやって来たのは意味があるのかもしれない
ようこそ魔法の村へ
しおりを挟むそれからしばらくの間俺達は黙々と歩いた。
自然が豊かな森林を歩いていると空気がとても美味しくて体の中からスーッと癒される。そして、ピーッピピッと鳥のさえずりが聞こえ耳に心地よくてなんだかほっとする。
「まだ着かないのかい?」と貧神が尋ねる。
「もうすぐ着くにゃんよ」
チャーミにゃんは元気よく答えにゃんにゃんと俺達の前を歩く。
「チャーミにゃんはいつも元気な奴だな」
しょぼい棒切れみたいな魔法の杖をくるくる振り回し歩くチャーミにゃんの後ろ姿を眺めながら俺は言った。
「まったく元気は誰よりもありそうな猫さんだよな」
まだ貧神は空に飛ばされたことを根に持っているようだ。まあ、飛ばされた挙げ句川に落っことされたのだからそうなるよな。
「にゃはは、魔法の村に到着ですにゃんよ」
チャーミにゃんはぴたりと足を止めこちらに振り向いた。
「おっ、遂に到着か」、「到着したんだね」と俺と貧神はほぼ同時に言った。
そして、入り口に『魔法の村へようこそ』と書かれた木製の看板が設置されていた。その看板は美しく癒される風景に溶け込んでいた。
「うふふにゃん。さあ、行きましょうかにゃん」
チャーミにゃんはニコニコと笑い肉球のある可愛らしい両手を大きく広げた。
そして、しょぼい棒切れみたいな魔法の杖を振り回しチャーミにゃんは魔法の村へにゃんにゃんと入った。
「楽しみだね」
「そうだね」
俺と貧神もその後を追った。
魔法の村に入ると柔らかくて心地よい風が吹き俺達を歓迎するかのように迎え入れてくれた。
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