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俺達がこの世界にやって来たのは意味があるのかもしれない

もふもふ楽園を案内しますにゃん

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「成行、貧神ご飯の前にこのもふもふ楽園を散歩しますかにゃん?」

  チャーミにゃんは俺と貧神にそう言ったかと思うとてくてくにゃんと歩き出していた。

「強制散歩らしいな……」
「そのようだな……」

  俺と貧神は仕方ないなと言い合い肩をすくめた。

「成行、貧神~早くにゃん」

  チャーミにゃんはこちらに振り向き言った。

「はいはい、猫のお嬢さんわかりましたよ」
「ダルいけどたまには運動になるから良いか」

  俺と貧神はてくてくにゃんにゃんと元気な足取りで歩くチャーミにゃんを追いかけた。

「にゃはは、楽しく笑顔で歩けば嫌なこともしりとりで負けた悔しいことも全部忘れ去ることができるにゃ~ん」

  チャーミにゃんのそう言って歩く後ろ姿を眺めていると、不思議なパワーを感じ俺も元気が出てきた。そして、隣を歩く貧神に視線を向けると顔を上に向け歩いていた。

  このもふもふ楽園は緑と色鮮やかに咲き誇る花とそれから癒しの動物がいる。まだ、チャーミにゃんとミキニルにゃんと出会っただけではあるがきっと、可愛らしくて優しい動物達がいっぱいいるんじゃないかなと俺は感じた。

「成行、貧神~早くにゃ~ん!」

  チャーミにゃんこちらに振り向きはしょぼくて棒切れみたいなダサい星の付いた杖をくるくると振り回しながら言った。
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