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俺達がこの世界にやって来たのは意味があるのかもしれない

楽しい時間

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「成行~貧神~にゃんにゃん」

  チャーミにゃんがしょぼい棒切れの杖を振り回しながらとてとてにゃんにゃんと歩きこちらに向かって来る姿が見えた。

「相変わらず可愛いけどアホ面な奴だな」

「だよな。だけどアイツのおかげで楽しめているのかもな」

  俺と貧神は柔らかい風に吹かれながら綺麗な花が咲き誇る景色とチャーミにゃんの可愛らしいアホ面と揺れるしょぼい棒切れを眺めた。

「成行、貧神遊ぼうにゃん」

  チャーミにゃんが俺達の目の前に立ち言った。

「チャーミにゃん何をして遊ぶんだ?」

「う~ん、何をして遊ぼうかなにゃん?」

  チャーミにゃんは言いながらしょぼい棒切れ杖を振り回す。

「何して遊ぶか決めずに誘っているのかよ」

「はいにゃん」

  チャーミにゃんはそれが当たり前のように答えた。

「まったく俺を猫耳神様にしたくせに呑気な奴だよな」

  貧神が呆れたような声を出す。

「はいにゃん。ごめんなさいです」

  チャーミにゃんはにっこりと笑いぺこりと頭を下げた。

「はぁ。ごめんなさいと言われてもな」

「でも貧神その猫耳ともふもふふわふわな尻尾気に入っているんだろ?」

  俺は貧神のぴくぴく動く三角形の耳に視線を向けて言った。

「まあな……」

「わっ!  貧神ってば猫耳にお尻尾気に入ってくれたんだね。嬉しいにゃん」

  チャーミにゃんは嬉しそうにしょぼい棒切れ杖を振り回しながらぴょんぴょんと飛び跳ねた。

「まあな、俺が可愛くなったからな。でもな……」

  嫌そうな声で貧神は答えるけれどその口元が笑いそうになっている。素直に嬉しいと言えばいいのになと思うとなんだか可笑しくなる。

「にゃはは、良かったにゃん」

  チャーミにゃんはとびっきりの笑みを浮かべた。
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