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俺達がこの世界にやって来たのは意味があるのかもしれない
俺達は猫耳仲間です
しおりを挟む俺達はどうやら猫耳人間と猫耳神様になってしまったようだ。チャーミにゃんの棒切れみたいな魔法の杖はとんでもない力があるようだ。
そうもちろん悪い方の意味でね。
俺はあれから勇気を出して自分の姿を全身鏡に映し眺めた。その姿を見てコスプレ少年みたいではないかとちょっとがっかりしたのと同時になんだか三角形の猫耳とお尻の辺りに生えているもふもふふわふわな尻尾が可愛らしいかもとも思ってしまったのだった。
そんな自分にまた呆れてしまった。
俺は本来ある人間の耳を少し長めの髪で隠した。
俺が縁側に座りぼんやりしていると貧神が隣に座り声をかけてきた。
「なあ、成行。俺は猫耳神様でも構わないかなと思えてきたんだ」
「えっ!」
貧神は真っ白な透き通る肌にベーシックなチェック柄のパジャマを身を包み頭に三角形の猫耳を生やしお尻にはもふもふふわふわな水色の尻尾が生えている。
ちょっと繊細でクールで可愛らしい姿になっているではないかと俺は貧神の姿をじっと眺めた。
「だってさこの姿はなかなか可愛らしいしそれにこの世界にいると人間から一方的に願いを聞かされたりしないからな」
貧神はそう言って満足そうな笑顔を見せた。
「ふ~ん、そうなんだ。そんなに人間の願いを聞くことに嫌気が差していたんだね……」
「まあね……見返りを期待しないで人々の願いをしっかり聞くのが神様なのかも知れぬが俺はそうだな、きっと落ちこぼれの神様なんだよ」
貧神は自身で言ったことに頷きながら話した。
「落ちこぼれの神様か……そしたら俺は落ちこぼれの人間だったのかもな」
俺はそう言ってふーっと息を吐いた。
俺達は落ちこぼれの人間と神様なのかもしれないな。それから俺達をこの世界に導いたチャーミにゃんは落ちこぼれの猫ってところだろうか。
そんなことを考えながらハイビスカスが咲き乱れる美しい風景を俺は貧神と眺めた。
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