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沖縄の楽園に行きたいと思ったのにどうして異世界なんですか? それにやる気のない神様がついてくるのかな?

沖縄の楽園に行きたいと思った俺は緑色の世界に包まれました

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  もうなんだかなと俺は思った。頑張って仕事をしても給料も上がらない。貯金も貯まらない。たまるのはストレスばかりだ。

「なんか疲れたな~沖縄の楽園にでも行ってのんびりしたいな」

  そう思いながら俺はトボトボ歩いた。

  そして、気がつくと俺は神社の前に立っていた。こんなところに神社があったんだ。今まで気がつくことなく歩いていた。

  俺は毎日会社と家の往復だけしかしていないつまらない人生を送っていた。俺はまさかこのままずっと報われることもなく生きて人生を終えるのかなと思うと恐ろしくなってきた。

  現在二十五歳、まだまだこれからではあるけれど、なんだか生きるのも辛くなってくる。

  俺は、はぁーと溜め息をつきながら気がつく神社の鳥居を潜っていた。

  なんだかひっそりとした神社だな。草がぼうぼうに生えているし拝殿もあまり手入れされていないようだ。

  まあ、いいか。神様にお願いでもしようかなと思いながら俺は財布から一円玉を取り出した。

  俺は一円玉を握りしめクモの巣がある拝殿へ近づきお賽銭箱に一円玉を投げ入れた。チャリンと良い音が鳴る。

「沖縄の楽園でゆっくりできますように」と俺はお祈りをした。

「それかここじゃないどこかへ行けますように。神様がいるなら助けてください」

  これで良し。まあ、気休めだけどお祈りしたぜ。俺はふぅーと息を吐き大きく伸びをした。

  その時、「神様に頼るなよ」とだるそうな声が聞こえてきた。

  えっ!?  この声はどこから聞こえてきたのだろうか。俺は辺りをキョロキョロと見渡した。けれど、誰もいない。と思ったのだけど。

「うわぁ~君は誰だ!」

  俺は思わず声を上げてしまった。だって、そこには肌が透き通るほど真っ白な男性がいたのだ。俺も男にしては色白ではあるが今目の前にいる男性はこの世のものとは思えないほど真っ白だったのだ。

  それも驚いたのだがもっとびっくりしたのはこの男性はベーシックなチェック柄のパジャマ姿だったのだから。神社にパジャマ姿でいるこの男性は何をしているのだろうかと思い俺はじっと眺めた。

  すると、パジャマ姿の男性は「俺は神様だが卒業したい」と言った。


「は?  神様、卒業?」

  俺の頭に『?』マークが浮かんだ。

「みんな祈るだけ祈って俺はその願いを聞くことに疲れたんだ!  神様なんて卒業するぞ」

  男性はそう言ってふわぁーとあくびをした。

  俺はそんな自称神様のパジャマ男をじっと眺めた。コイツは変人かもしれない。この場から逃げた方が良いかなと俺は身構えた。

  そして、俺がすたこらさっさと逃げようとしたその時、

「逃げるなーーー!!  俺の代わりに神様をやれ!」なんて声が聞こえてきたのだ。

「はい?  意味がわからないけどご遠慮します」

  パジャマ男は神様とか訳のわからないことを言っている。これはマズイと判断した俺は今度こそ逃げるぞと足を動かそうとしたその時、

  自称神様パジャマ男の「逃げるな!」と叫ぶ声と「にゃん」と鳴く猫のような鳴き声がほぼ同時に聞こえてきた。

  猫もいるのかなと思ったその時、緑の木々と雑草がザザザッと風に揺れた。

  そして、あっ!!  と思った瞬間俺は緑色の世界に包まれた。
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