73 / 75
カフェノートから
しおりを挟む部屋に戻ったわたしはカフェノートを開いた。そして、いつものようにボールペンをぎゅっと握った。
『祐介君、琵琶湖でおもいっきり泳いで楽しかったよ。今は宿の部屋でゆっくりしています。
それとびっくりしたことがあったんだよ。今、宿泊しているこの花風荘はわたしが小学生の頃お父さんと琵琶湖旅行をした時に泊まった宿だったんだよ。まったく覚えていなかったのに無意識のうちに選んでしまったのかな? という不思議なことがありました。早乙女』と書いた。
わたしのお父さんに会いたいという気持ちがこの宿を引き寄せたのだろうか。それとも引き寄せられたのだろうか。
そんなことを考えているとふと思った。
この祐介君とやり取りをしているカフェノートにも何か意味があるのかなとそう思ったのだった。
祐介君あなたとわたしの関係は……。と考えているといつものように豪快で大きく綺麗な祐介君の文字が浮かび上がってきた。
0
お気に入りに追加
3
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる