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カフェノートで会話
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わたしは、チョコレートポッキーと歌舞伎揚を交互に食べながら祐介君からの返事が来るかなとカフェノートを眺めた。
すると、祐介君の豪快で大きくて綺麗な文字が浮かび上がってきた。
『早乙女ちゃん、俺も新幹線に乗っているよ。親にカフェノートを見られたら困るのでこっそり書いています。お父さんとお母さんはガイドブックを眺め串カツの美味しい店やカフェなどを探しているよ。祐介』と書かれていた。
『祐介君もお父さんとお母さんにカフェノートを見られたら困るよね。わたしは、友達に見られたくないので見ないでよって言ったよ。串カツ楽しみだな~早乙女』
と笑いながら書いていると、
「早乙女ちゃんってば顔がにやけていて気持ち悪いんだけど」と亜子ちゃんがこちらを見て言った。
「わっ! あ、亜子ちゃんこっちを見ないでよ。って言うか気持ち悪いってちょっと失礼だよ」
わたしは、慌ててカフェノートを閉じた。
「だって、早乙女ちゃんのにやけている顔が視界に入るんだもん。それにちょっぴりカフェノートが気になるよ~」
「えっ! 気になるの? えっと、祐介君も今、新幹線に乗っているんだって」
「えっ! 祐介君も今新幹線に乗っているの? わっ、それって時空を超えて過去の祐介君と早乙女ちゃんが繋がっているってことだよね」
亜子ちゃんはそう言って目をキラキラさせた。
「うん、過去の祐介君も新幹線に乗っていると思うとなんだか不思議だよね」
「もうわくわくしちゃうよ。わたしも祐介君と話がしたいな~」
亜子ちゃんは興味津々な様子で目をキラキラキラキラと輝かせた。
「えっ! 祐介君と話したいの?」
亜子ちゃんにそう聞きながらカフェノートを通して祐介君と話ができるのはわたしだけだという特別感があったのにそれが崩れると嫌だなと思った。
「うん、話がしたいよ」
なんて言って亜子ちゃんはわたしの顔をじっと見るのだから困ったものだ。
「あ、でも……」
「でも何よ?」
「……えっと、祐介君もいきなり亜子ちゃんに話しかけられるとびっくりするかな~って思ったんだよ」
わたしが慌ててそう言うと亜子ちゃんは、
「あっそ、びっくりするかな? まあいいよ。また今度で」
亜子ちゃんは、言いながら漫画本を手に取り読み始めた。
わたしはホッとしてカフェノートを開き眺めた。亜子ちゃん達の協力もありこの旅行が出来ているのだから挨拶くらいしてもらってもいいかなとも思った。
そして、新幹線は新大阪駅に着いた。
「わ~い、大阪だよ~串カツがわたし達を待っているよ~」
「わ~い、大阪だ~串カツもたこ焼きも大阪のシンボルのビリケンさんもわたし達を待っているよ~」
わたしと亜子ちゃんは、新幹線から降りると喜び叫んだ。
「姉ちゃんに亜子さんうるさいですよ。恥ずかしい人達ですね」
奈央がふぅーと深い溜め息をついた。
「だって、嬉しい時は素直に嬉しい~って叫ばなきゃね。奈央ももっと嬉しそうな顔をしたらいいんだよ」
「そうよ、奈央君大阪に着いたんだよ」
「……では言わせてもらいますけどどうして俺はボストンバッグを二個持っているんですか?」
奈央はボストンバッグを両手に持ち頬を膨らませている。一つはわたしのボストンバッグでもう一つは奈央のボストンバッグだ。
「ん? あ、そのボストンバッグね。だって、重たいんだもん」
「……ふざけるなよ~自分で持てよ」
「……あの俺も言わせてください。どうしてボストンバッグを二個持っているんですか?」
見ると青橋君も両手にボストンバッグを持っていた。
「あ、ごめんね。だって、重たいんだもん」
亜子ちゃんはにっこりと笑った。
「勘弁してくださいよ」
そんなわたし達を久美佐ちゃんはクスクスと笑いながら眺め奈央と青橋君は唇を尖らせている。
「さあ、行こう」
わたしは歩き出した。
すると、祐介君の豪快で大きくて綺麗な文字が浮かび上がってきた。
『早乙女ちゃん、俺も新幹線に乗っているよ。親にカフェノートを見られたら困るのでこっそり書いています。お父さんとお母さんはガイドブックを眺め串カツの美味しい店やカフェなどを探しているよ。祐介』と書かれていた。
『祐介君もお父さんとお母さんにカフェノートを見られたら困るよね。わたしは、友達に見られたくないので見ないでよって言ったよ。串カツ楽しみだな~早乙女』
と笑いながら書いていると、
「早乙女ちゃんってば顔がにやけていて気持ち悪いんだけど」と亜子ちゃんがこちらを見て言った。
「わっ! あ、亜子ちゃんこっちを見ないでよ。って言うか気持ち悪いってちょっと失礼だよ」
わたしは、慌ててカフェノートを閉じた。
「だって、早乙女ちゃんのにやけている顔が視界に入るんだもん。それにちょっぴりカフェノートが気になるよ~」
「えっ! 気になるの? えっと、祐介君も今、新幹線に乗っているんだって」
「えっ! 祐介君も今新幹線に乗っているの? わっ、それって時空を超えて過去の祐介君と早乙女ちゃんが繋がっているってことだよね」
亜子ちゃんはそう言って目をキラキラさせた。
「うん、過去の祐介君も新幹線に乗っていると思うとなんだか不思議だよね」
「もうわくわくしちゃうよ。わたしも祐介君と話がしたいな~」
亜子ちゃんは興味津々な様子で目をキラキラキラキラと輝かせた。
「えっ! 祐介君と話したいの?」
亜子ちゃんにそう聞きながらカフェノートを通して祐介君と話ができるのはわたしだけだという特別感があったのにそれが崩れると嫌だなと思った。
「うん、話がしたいよ」
なんて言って亜子ちゃんはわたしの顔をじっと見るのだから困ったものだ。
「あ、でも……」
「でも何よ?」
「……えっと、祐介君もいきなり亜子ちゃんに話しかけられるとびっくりするかな~って思ったんだよ」
わたしが慌ててそう言うと亜子ちゃんは、
「あっそ、びっくりするかな? まあいいよ。また今度で」
亜子ちゃんは、言いながら漫画本を手に取り読み始めた。
わたしはホッとしてカフェノートを開き眺めた。亜子ちゃん達の協力もありこの旅行が出来ているのだから挨拶くらいしてもらってもいいかなとも思った。
そして、新幹線は新大阪駅に着いた。
「わ~い、大阪だよ~串カツがわたし達を待っているよ~」
「わ~い、大阪だ~串カツもたこ焼きも大阪のシンボルのビリケンさんもわたし達を待っているよ~」
わたしと亜子ちゃんは、新幹線から降りると喜び叫んだ。
「姉ちゃんに亜子さんうるさいですよ。恥ずかしい人達ですね」
奈央がふぅーと深い溜め息をついた。
「だって、嬉しい時は素直に嬉しい~って叫ばなきゃね。奈央ももっと嬉しそうな顔をしたらいいんだよ」
「そうよ、奈央君大阪に着いたんだよ」
「……では言わせてもらいますけどどうして俺はボストンバッグを二個持っているんですか?」
奈央はボストンバッグを両手に持ち頬を膨らませている。一つはわたしのボストンバッグでもう一つは奈央のボストンバッグだ。
「ん? あ、そのボストンバッグね。だって、重たいんだもん」
「……ふざけるなよ~自分で持てよ」
「……あの俺も言わせてください。どうしてボストンバッグを二個持っているんですか?」
見ると青橋君も両手にボストンバッグを持っていた。
「あ、ごめんね。だって、重たいんだもん」
亜子ちゃんはにっこりと笑った。
「勘弁してくださいよ」
そんなわたし達を久美佐ちゃんはクスクスと笑いながら眺め奈央と青橋君は唇を尖らせている。
「さあ、行こう」
わたしは歩き出した。
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