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いよいよ旅行カフェノートと一緒に
しおりを挟むわたし達は、中央線で東京駅へ向かい新大阪行きの新幹線に乗り換えた。わたしと亜子ちゃんが二人掛けの席に座り、奈央と青橋君と久美佐ちゃんは三人掛けの席に腰を下ろした。
「新幹線に乗るのなんて久しぶりだよ~」
わたしは嬉しくてニコニコ笑った。
「わたしも久しぶりだよ~」
亜子ちゃんもとても嬉しそうだ。
「早乙女ちゃん、チョコポッキー食べる?」
「うん、食べる。じゃあ、わたしの歌舞伎揚と交換しよう~」
わたしはチョコポッキーを食べなら鞄からカフェノートとボールペンを取り出した。祐介君も新幹線に乗った頃かなと思うとわくわくする。
カフェノートを開くと祐介君の豪快で大きくて綺麗な文字が浮き上がっていた。
『早乙女ちゃん、おはよう。いよいよ今日から関西旅行の始まりだね。俺は昨夜は興奮してなかなか眠れなかったんだけどいつもより早起きをしてしまいました。
俺のお父さんとお母さんもめちゃくちゃ楽しみにしています。昨夜なんてずっと旅行のガイドブックを見ていました。
さあ、どんな旅になるかな。未来の世界の早乙女ちゃんと同じルートで旅をするんだと思うと嬉しくてそして不思議な気持ちになるよ。では、お互いに旅行を楽しもうね。祐介』と書かれていた。
わたしは祐介君のカフェノートに書かれている文章を読み祐介君の旅行前日興奮してなかなか眠れないその姿を思い浮かべクスクスと笑った。
そういえばわたしは爆睡してしまったな……。
「ねえ、早乙女ちゃん笑いながら何を読んでいるの? あ、それ、カフェノートだよね」
亜子ちゃんは歌舞伎揚をパリパリ食べながらわたしが読んでいるカフェノートを覗き込んできた。
「あ、亜子ちゃんってば見ないでよ」
「見せてくれてもいいじゃな~い」
「ダメだよ~見ないでよ」
わたしは、そう言いながらカフェノートを閉じた。
「あっそ、まあ、嫌ならいいけどね。わたしは、漫画でも読むよ」
亜子ちゃんが鞄から漫画本を取り出したのを確認してわたしはホッとした。そして、再びカフェノートを開いた。
ボールペンを握りわたしはカフェノートにペンを走らせた。
『祐介君、おはよう~待ちに待った旅行の日だね。わたしは今、新幹線に乗っています。祐介君は夜は興奮してなかなか眠れなかったんだね。それから早起きしたんだね。わたしは朝寝坊をしてしまったよ……。
それと爆睡してしまったよ。クマのぬいぐるみの触り心地良くて気がつくと夢の世界にいました(言い訳ですが(笑))
わたしも過去の時代にいる祐介君と同じルートで旅行ができるなんて嬉しいよ。祐介君も新幹線に乗っている頃かな? 早乙女』
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