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夏休み

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  そして、夏休みがやって来た。相変わらず進路は決まらなくてプリントには何も書けない。一方カフェノートと旅行ノートにはたくさんの文字が書かれている。

  きっと、わたしは進学はしないで派遣やアルバイトをしながら将来のことを考えるのかなと漠然と考えている。

  今は進路のことより高校生活最後の旅行の方がわたしにとっては大事なことなのだ。カフェノートや旅行ノートを開くとワクワクするのだ。

  そして、カフェノートを開き眺めていると、祐介君の豪快で大きくて綺麗な文字が浮かび上がってきた。

『早乙女ちゃん、夏休みになりました。俺は嬉しくて鞄を振り回しながら学校から帰ってきました』

 祐介君の鞄を振り回して歩く姿を想像するとなんだか可笑しくて笑ってしまった。

『それからもうすぐ夏の旅行だよ。まあ、俺の方は家族旅行だけど……。 でも、家族旅行なんてこの先何回行けるか分からないんだもんね。

  ちょっと恥ずかしいけど楽しみたいなと思っています。それと、早乙女ちゃん達と同じプランで旅行に行けるかと思うとワクワクするよ。祐介』と書かれていた。

  わたしは、しばらくの間祐介君の文字を眺めそれからペンを握った。
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