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いつか会えたら

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「……そうかもしれないね。高校三年生の祐介君は過去の人だもんね。お父さんもどこに住んでいるのかも分からないし生きているのかも分からないんだもんね」

  言っていてわたしは悲しくなってきた。

「でもさ、高校三年生の祐介君には会えなくても今の祐介さんには会えるかもしれないよ。それにお父さんにだってきっと」

  奈央は希望と悲しみが混じり合ったような複雑な表情を浮かべている。

「うん、そうだね。お父さんにきっと会えるはずだよ。それとおじさんになった祐介君にも」

  わたしはにっこりと笑って見せた。

「そうだね。ってかおじさんになった祐介君ってなんかおかしいね」

  奈央はクスクス笑った。

「だって、二十二年後なんだもん!  おじさんだよね」

「確かにそうかもね。姉ちゃん残念だよな」

「残念って何がよ!」

  わたしは、頬を膨らませ奈央を睨んだ。

「まあおじさんでもいいじゃん。関西旅行に行こうよ」

  奈央はニカッと笑った。

「ふん、なによそれ。それはそうと奈央は西暦二千年の祐介君と西暦二千二十二年のわたしがこのカフェノートで繋がっていることを信じてくれたの?」

「……うん、信じられないけど信じるしかないかなって感じかな」

「奈央信じてくれてありがとう。関西旅行に行こうね」

「えっ?  姉ちゃんがありがとうって言ったぞ。今日は雨が降るかな?」

「なんで雨が降るのよ」

  わたしは唇を尖らせた。だけど、今のわたしは機嫌がいいのだ。
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