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不思議なカフェノート
しおりを挟むそのカフェノートには輪郭がぼやけていて薄くなっている豪快で綺麗な文字で書かれたお返事が来ていた。
祐介君からのお返事だ。そこに書かれていた内容は……。
『 俺もチョコレートケーキを食べています。祐介』
たった一言だけどしっかりと書かれていたのだった。しかもわたしと同じチョコレートケーキを食べているだなんてびっくりするではないか(と言っても食べ終えてイチゴのショートケーキを食べているけれど)
わたしと亜子ちゃんは祐介君からのお返事を食い入るように見た。
「一体どうなっているんだろうね?」
亜子ちゃんが顔を上げて言葉を発した。
「ねっ、不思議でしょう。信じてくれたよね」
「……それは信じるしかないからね。って言うかちょっと楽しくなってきたよ」
亜子ちゃんは口元に手を当ててウッシッシッと笑った。
「ちょっと亜子ちゃんってばその笑い方ろくでもないことを考えていないよね?」
わたしはちょっと心配になり聞いた。
「まさか、とんでもないよ」
そう言ってウッシッシッと笑う亜子ちゃんの笑いがなんだか怪しいなと思った。
カフェからの帰り道。亜子ちゃんと並んで歩いた。しばらくの間わたし達は黙っていた。
先に言葉を発したのは亜子ちゃんだった。
「ねえ、早乙女ちゃん不思議なノートと出会ったね」
「うん、お返事がはじめてきた時はそれはもう心臓が止まるかと思うほどびっくりしたよ」
わたしが書いた文章の下に祐介君の文字が浮かび上がってきた時はびっくりしてそして、気がつくと夢中になりペンを走らせていた。
「さっき、読ませてもらったけど早乙女ちゃん楽しそうだな~って思ったよ」
「そっかな? 楽しいけどね」
「うん、とっても楽しそうでその祐介君のことが気になっているのかなと感じたよ」
亜子ちゃんはそう言ってこちらに視線を向けてウッシッシッと笑った。
「だから、亜子ちゃんその笑い方止めてくれるかな? それと、気になるってどういう意味よ。因みに現在の祐介君はおじさんだよ」
「あ、そっか残念だね……ツマンナイ」
亜子ちゃんはそう言いながらウッシッシッと笑った。
「亜子ちゃんってば何を言っているんだか」
そんな話をしながらわたし達は駅に向かった。
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