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放課後 カフェノートのことを話す
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「では、亜子ちゃん心して聞いてください」
「うん、ちゃんと聞くから言ってごらん」
亜子ちゃんはオレンジジュースをストローでジュルジュルと飲みそして、真面目な顔つきになった。
わたしは、カフェノートとの出会いについてゆっくりと話した。
「わたし、よく行くカフェでカフェノートを見つけたんだ。そのノートには美味しかったメニューのことや日常の些細な出来事が書かれていて読んでるだけで楽しかったんだ」
亜子ちゃんはわたしの話を相槌を打ちながら聞いてくれている。
「最悪な点数のテストを机の引き出しの奥に隠していた人がいたんだけど、その人お母さんにそれがバレてゲンコツを食らった~って書いてあってほのぼのしながら笑っていたんだ。そこまでは普通のカフェノートだと思っていたんだけど……」
わたしは、アイスティーをストローでジュルッと一口飲み続きを話した。
「ここからが本題なんだけど……」とわたしは言って、祐介君のカフェノート不思議な話をした。
亜子ちゃんも真面目な顔つきでうんうんと相槌を打っている。
わたしは、ふぅーと息を吐きそれから話を続けた。
気がつくと西暦二千年になった。空から恐怖の大魔王なんて降ってこなかった。
俺達は当たり前のように今日も生きている。西暦千年代から西暦二千年代へと新しい時代の幕開けの瞬間に生きていることが奇跡のようでなんだか嬉しかったと西暦二千年について書かれていたことなどを話した。
「う~ん、確かに不思議なノートだよね」
亜子ちゃんは不思議そうに首を傾げた。
「うん、だけどねそのノートは年季が入っていて表紙を確認すると小さな文字で『2000年』と書かれていたんだよ」
わたしがそう言うと亜子ちゃんが、
「なんだ! それって古いノートだったってオチなの?」と言って笑った。
「違うよ~続きがあるんだよ」とわたしは言った。
わたしは、むむんと胸の前で拳を握る。
「それって昔のことを書いた日記か何かなの?」と亜子ちゃんが聞いた。
「違うよ、わたし、その西暦二千年の時代の世界にいるその人にお返事を書いたんだよ。そしたら……」
わたしは、握っている拳にぎゅーっと力を込め亜子ちゃんの顔を真っ直ぐ見つめた。
本当のことを話したら亜子ちゃんはきっと、笑うか若しくは呆気に取られるかのどちらかだと思うけれど、ここは勇気を出そうと決めた。
「そしたらね……」とわたしが続きを言おうとしたその時、亜子ちゃんが……。
「まさか、その西暦二千年の世界にいる人とノートで会話したなんて言わないよね? お返事がきたとか……さっき早乙女ちゃん言ってたけど」と言ったのだった。
わたしは一瞬びっくりして大きく目を見開いてしまった。
「あ、亜子ちゃんってば鋭いよ! その通りだよ。ピンポン、正解だよ~」
「えっ! 正解なんだ……」
今度は亜子ちゃんがそう言って大きく目を見開いた。
「うん、そうだよ。その西暦二千年の世界に住んでいる人からお返事がきてノートを通して会話をしたんだよ」
わたしは、遂に本当のことを話してしまった。
亜子ちゃんはしばらくの間黙っていた。
わたしの話したことを信じてくれたのだろうか? わたしは堪えられず「亜子ちゃん信じてくれた?」と聞いた。
「……信じるのは難しいけど早乙女ちゃんが嘘をつくなんて思えないから本当のことと考えるしかないよね」
そう言ってわたしの目を見た。
「信じてくれてありがとう」
「いや、信じたと言うか……信じざるを得ないじゃないの」
亜子ちゃんはオレンジジュースをジュルジュと飲みながら言った。
「でも、信じてくれたんだよね。うれしいよ」
「まあ、一応ね。それでその古いノートでどんな話をしたの?」
亜子ちゃんはストローでオレンジジュースの氷をかき混ぜるとカランカランと良い音がした。
「うん、ちゃんと聞くから言ってごらん」
亜子ちゃんはオレンジジュースをストローでジュルジュルと飲みそして、真面目な顔つきになった。
わたしは、カフェノートとの出会いについてゆっくりと話した。
「わたし、よく行くカフェでカフェノートを見つけたんだ。そのノートには美味しかったメニューのことや日常の些細な出来事が書かれていて読んでるだけで楽しかったんだ」
亜子ちゃんはわたしの話を相槌を打ちながら聞いてくれている。
「最悪な点数のテストを机の引き出しの奥に隠していた人がいたんだけど、その人お母さんにそれがバレてゲンコツを食らった~って書いてあってほのぼのしながら笑っていたんだ。そこまでは普通のカフェノートだと思っていたんだけど……」
わたしは、アイスティーをストローでジュルッと一口飲み続きを話した。
「ここからが本題なんだけど……」とわたしは言って、祐介君のカフェノート不思議な話をした。
亜子ちゃんも真面目な顔つきでうんうんと相槌を打っている。
わたしは、ふぅーと息を吐きそれから話を続けた。
気がつくと西暦二千年になった。空から恐怖の大魔王なんて降ってこなかった。
俺達は当たり前のように今日も生きている。西暦千年代から西暦二千年代へと新しい時代の幕開けの瞬間に生きていることが奇跡のようでなんだか嬉しかったと西暦二千年について書かれていたことなどを話した。
「う~ん、確かに不思議なノートだよね」
亜子ちゃんは不思議そうに首を傾げた。
「うん、だけどねそのノートは年季が入っていて表紙を確認すると小さな文字で『2000年』と書かれていたんだよ」
わたしがそう言うと亜子ちゃんが、
「なんだ! それって古いノートだったってオチなの?」と言って笑った。
「違うよ~続きがあるんだよ」とわたしは言った。
わたしは、むむんと胸の前で拳を握る。
「それって昔のことを書いた日記か何かなの?」と亜子ちゃんが聞いた。
「違うよ、わたし、その西暦二千年の時代の世界にいるその人にお返事を書いたんだよ。そしたら……」
わたしは、握っている拳にぎゅーっと力を込め亜子ちゃんの顔を真っ直ぐ見つめた。
本当のことを話したら亜子ちゃんはきっと、笑うか若しくは呆気に取られるかのどちらかだと思うけれど、ここは勇気を出そうと決めた。
「そしたらね……」とわたしが続きを言おうとしたその時、亜子ちゃんが……。
「まさか、その西暦二千年の世界にいる人とノートで会話したなんて言わないよね? お返事がきたとか……さっき早乙女ちゃん言ってたけど」と言ったのだった。
わたしは一瞬びっくりして大きく目を見開いてしまった。
「あ、亜子ちゃんってば鋭いよ! その通りだよ。ピンポン、正解だよ~」
「えっ! 正解なんだ……」
今度は亜子ちゃんがそう言って大きく目を見開いた。
「うん、そうだよ。その西暦二千年の世界に住んでいる人からお返事がきてノートを通して会話をしたんだよ」
わたしは、遂に本当のことを話してしまった。
亜子ちゃんはしばらくの間黙っていた。
わたしの話したことを信じてくれたのだろうか? わたしは堪えられず「亜子ちゃん信じてくれた?」と聞いた。
「……信じるのは難しいけど早乙女ちゃんが嘘をつくなんて思えないから本当のことと考えるしかないよね」
そう言ってわたしの目を見た。
「信じてくれてありがとう」
「いや、信じたと言うか……信じざるを得ないじゃないの」
亜子ちゃんはオレンジジュースをジュルジュと飲みながら言った。
「でも、信じてくれたんだよね。うれしいよ」
「まあ、一応ね。それでその古いノートでどんな話をしたの?」
亜子ちゃんはストローでオレンジジュースの氷をかき混ぜるとカランカランと良い音がした。
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