61 / 134
58
しおりを挟む
「着替えたよ」
俺が声をかけると友紀は振り返り、真顔でマジマジと見つめてきた。
「やっぱり……可愛いな……」
「めちゃくちゃ、女子が好きそうな可愛いワンピだよな」
「あっ……あぁ、そうだな……ワンピ可愛いな」
「ウィッグはどれにする?」
「ウィッグなしでも、十分良いけど……」
「変装なんだから、いつもと雰囲気変えないとマズイだろ」
「そ、そうだよな……悪ぃ……このワンピなら、ゆるふわなウェーブのが合うんじゃないか?」
「確かにこれ合いそうだし、いつもとイメージか変わるかもな」
友紀が選んだスモーキーアッシュの髪色の、ゆるふわなウィッグを被った。
「うん…すごく……いい…………このヘアクリップもつけてみて。ウィッグの固定も出来るし、組み合わせとしてはありだぜ」
薦められたフリルとパールの付いた、白いリボンのヘアクリップをウィッグに付けた。
「友紀、カラコンいるかな?この服とウィッグなら裸眼でもバレなさそうだけど……なぁ、話聞いてる?」
「あっ…悪ぃ……少しボーっとしてた。裸眼でも十分可愛いな」
「いや、可愛いとかじゃなくて……変装として、どうか知りたいんだけど」
「私服だとかなりイメージ変わるから、裸眼でも柚希ってわからないと思うよ……」
他にも明日組み合わせるバッグや靴や靴下を、あれこれと迷いながら、どれにするか二人で決めた。
「じゃあ、まずは正面から撮ってくから」
どんな服装か分かりやすいように、正面、横、後ろ姿と、特徴のある服の飾りや小物類はアップで撮影した。
送る画像を選ぶのに、ベッドに腰掛け並んで座った。写真を撮った友紀のスマホで、どの画像にするか考えていた。
「画像これとこれが、いいんじゃねぇか?服装わかりやすいし」
「あ……うん、そうだな……どれも…可愛い……」
「なぁ……友紀さっきから、全然話聞いてねぇし、変なんだけど」
「ごめん、柚希!」
「なっ……!」
友紀がいきなり抱きついてきて、その勢いでベッドに倒れ込む。密着した身体から、友紀の股間が硬くなってるのがわかった。
陽人に『柚希は隙が多すぎる』って、口うるさく言われた言葉を思い出す。
藻掻いて押し退けたくても、体格差でとてもじゃないけど敵わない。
「ごめん……絶対、何もしねぇから……少しの間でいい……このままでいさせて……頼む……」
震えた声で苦しそうに、友紀が懇願した。
男だからわかるけど、友紀がすごく我慢してるのがわかった。
暫くすると、きつく抱きしめていた腕の力が緩んだ。友紀はヒョイっと起き上がると、ベッドの端に腰を掛け小さく項垂れていた。
「悪かった……俺、童貞だから……女の格好した柚希見てたら、ムラムラしちゃって……深い意味はないから……嫌な事して、本当にごめん……この事、征爾に言って制裁は受けるから……ごめん……」
強面の友紀が今にも泣き出しそうな、すごく不安な顔をして俯きながら、大きな体に似合わないか細い声で、絞り出すようにして言った。
「驚いたけど……変な事した訳じゃねぇし……制裁とか、しなくていいから。明日、護衛よろしくな」
「ごめん……明日、迎えに来るから……このまま俺、帰るな……じゃあ、明日……」
立ち上がった友紀は、わたわたと逃げるように帰って行った。
俺が声をかけると友紀は振り返り、真顔でマジマジと見つめてきた。
「やっぱり……可愛いな……」
「めちゃくちゃ、女子が好きそうな可愛いワンピだよな」
「あっ……あぁ、そうだな……ワンピ可愛いな」
「ウィッグはどれにする?」
「ウィッグなしでも、十分良いけど……」
「変装なんだから、いつもと雰囲気変えないとマズイだろ」
「そ、そうだよな……悪ぃ……このワンピなら、ゆるふわなウェーブのが合うんじゃないか?」
「確かにこれ合いそうだし、いつもとイメージか変わるかもな」
友紀が選んだスモーキーアッシュの髪色の、ゆるふわなウィッグを被った。
「うん…すごく……いい…………このヘアクリップもつけてみて。ウィッグの固定も出来るし、組み合わせとしてはありだぜ」
薦められたフリルとパールの付いた、白いリボンのヘアクリップをウィッグに付けた。
「友紀、カラコンいるかな?この服とウィッグなら裸眼でもバレなさそうだけど……なぁ、話聞いてる?」
「あっ…悪ぃ……少しボーっとしてた。裸眼でも十分可愛いな」
「いや、可愛いとかじゃなくて……変装として、どうか知りたいんだけど」
「私服だとかなりイメージ変わるから、裸眼でも柚希ってわからないと思うよ……」
他にも明日組み合わせるバッグや靴や靴下を、あれこれと迷いながら、どれにするか二人で決めた。
「じゃあ、まずは正面から撮ってくから」
どんな服装か分かりやすいように、正面、横、後ろ姿と、特徴のある服の飾りや小物類はアップで撮影した。
送る画像を選ぶのに、ベッドに腰掛け並んで座った。写真を撮った友紀のスマホで、どの画像にするか考えていた。
「画像これとこれが、いいんじゃねぇか?服装わかりやすいし」
「あ……うん、そうだな……どれも…可愛い……」
「なぁ……友紀さっきから、全然話聞いてねぇし、変なんだけど」
「ごめん、柚希!」
「なっ……!」
友紀がいきなり抱きついてきて、その勢いでベッドに倒れ込む。密着した身体から、友紀の股間が硬くなってるのがわかった。
陽人に『柚希は隙が多すぎる』って、口うるさく言われた言葉を思い出す。
藻掻いて押し退けたくても、体格差でとてもじゃないけど敵わない。
「ごめん……絶対、何もしねぇから……少しの間でいい……このままでいさせて……頼む……」
震えた声で苦しそうに、友紀が懇願した。
男だからわかるけど、友紀がすごく我慢してるのがわかった。
暫くすると、きつく抱きしめていた腕の力が緩んだ。友紀はヒョイっと起き上がると、ベッドの端に腰を掛け小さく項垂れていた。
「悪かった……俺、童貞だから……女の格好した柚希見てたら、ムラムラしちゃって……深い意味はないから……嫌な事して、本当にごめん……この事、征爾に言って制裁は受けるから……ごめん……」
強面の友紀が今にも泣き出しそうな、すごく不安な顔をして俯きながら、大きな体に似合わないか細い声で、絞り出すようにして言った。
「驚いたけど……変な事した訳じゃねぇし……制裁とか、しなくていいから。明日、護衛よろしくな」
「ごめん……明日、迎えに来るから……このまま俺、帰るな……じゃあ、明日……」
立ち上がった友紀は、わたわたと逃げるように帰って行った。
0
お気に入りに追加
402
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。




真面目な部下に開発されました
佐久間たけのこ
BL
社会人BL、年下攻め。甘め。完結までは毎日更新。
※お仕事の描写など、厳密には正しくない箇所もございます。フィクションとしてお楽しみいただける方のみ読まれることをお勧めします。
救急隊で働く高槻隼人は、真面目だが人と打ち解けない部下、長尾旭を気にかけていた。
日頃の努力の甲斐あって、隼人には心を開きかけている様子の長尾。
ある日の飲み会帰り、隼人を部屋まで送った長尾は、いきなり隼人に「好きです」と告白してくる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる