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~現代女子高生が異国で生活編~
~美桜のご令嬢生活~
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アルストロメリア王国の朝。侯爵家のカノンの部屋。コンコンとノックする。
「カノン様、おはようございます。朝のお支度のお時間でございます。」
侍女のリリーがカノンの部屋を訪れ支度の準備を始める。
美桜はリリーの言うことに従い腕をあげたりしドレスを身にまとっていく。
「御髪も整えますので、こちらにお座りください。」と椅子に腰かけるように案内され首から上をお化粧や髪留めで整えていく。
「できました!お疲れさまでございました。今、朝食のご用意を致しますので少々お待ちください。」リリーは支度を整え終えると厨房に朝食を取りに向かった。
その間美桜は部屋で今日は何をしようか考える。
昨日カノンの姿で目が覚めたばかりでこの世界の情報はあまりない。
「そうです!今日は家の中の探索と令嬢に関するお勉強をしましょう!あとは甘いものですね!スコーンもそうですが、紅茶も結局ハチミツを入れたのですよね。甘いものは果物かハチミツだけと言っていましたし。砂糖の原料の実があることは言ってましたが、実が大きくて使い道がわからず誰も見向きもしないってリリーさんが言っていました。それも調べてお菓子作りを久々にしたいです。」
今日の予定が決まった美桜は朝食が来るまでの間楽しみで心が弾む。
「そういえば、ドレスも少し変えたいです。動きやすくてワンピースみたいなシンプルなデザインが欲しいですね。カノンさんの趣味ではなさそうだけど、この世界の基準でしょうか…。朝食が来るまでデッサンしてオーダーメイドで作ってもらえるかあとで確認してみましょう。」
美桜がシンプルな服を着たくて紙にデザイン画を描いているとリリーが戻り朝食の用意をしてくれた。今日のメニューはサラダにサーモンのミニキッシュ、ジャガイモのスープだ。それから飲み物には紅茶だ。この世界では基本、水か紅茶しかないらしい。
普段食はおいしいものばかり。香辛料の使い勝手が良すぎるくらいにご飯だけで満足なほどのおいしさだ。だが、現代の食文化を知っている美桜にとっては甘味がないのは口寂しい。紅茶ですらストレートか牛乳、果物かハチミツを入れるしかない。
(卵や牛乳、バターなど原料は日本にあるものばかりなのにどうして甘味に関することは発展していないのです?!誰も求めなかったのですか!)
朝食を食べながら不満に思った心が表情に出たようでリリーに心配された。
「カノン様、お口に合いませんか?何か代わりのものをお持ち致しますか?」
「い、いえ、大丈夫です、おいしいですよ?ただ甘味が欲しいなと思いまして…」
「甘味…ですか。何か果物をお持ちしますか?」
やはりこの世界の甘味は果物と紐づけされているらしい。リリーのその言葉にガクッと首を垂れる美桜だった。
「甘味に関しては少し調べたいことがあるので後で厨房に行ってもいいですか?それと今日の予定なのですが、お屋敷の探索と令嬢としての振る舞いの復習をしたいのですが講師か専門の方お呼びできますか?」
美桜はリリーにそう伝える。一瞬目を丸くしたリリーだが美桜の意思を汲み取り「かしこまりました。手配いたします。手配が出来次第お呼びいたしますのでそれまでお屋敷でご自由にお過ごしくださいませ。」
リリーはさっそく済んだ朝食の片づけを始め、手配にあたった。
美桜はお屋敷を見て回るべく事前にリリーから新人の使用人たちが使う屋敷の案内図を持って部屋を後にした。
「カノン様、おはようございます。朝のお支度のお時間でございます。」
侍女のリリーがカノンの部屋を訪れ支度の準備を始める。
美桜はリリーの言うことに従い腕をあげたりしドレスを身にまとっていく。
「御髪も整えますので、こちらにお座りください。」と椅子に腰かけるように案内され首から上をお化粧や髪留めで整えていく。
「できました!お疲れさまでございました。今、朝食のご用意を致しますので少々お待ちください。」リリーは支度を整え終えると厨房に朝食を取りに向かった。
その間美桜は部屋で今日は何をしようか考える。
昨日カノンの姿で目が覚めたばかりでこの世界の情報はあまりない。
「そうです!今日は家の中の探索と令嬢に関するお勉強をしましょう!あとは甘いものですね!スコーンもそうですが、紅茶も結局ハチミツを入れたのですよね。甘いものは果物かハチミツだけと言っていましたし。砂糖の原料の実があることは言ってましたが、実が大きくて使い道がわからず誰も見向きもしないってリリーさんが言っていました。それも調べてお菓子作りを久々にしたいです。」
今日の予定が決まった美桜は朝食が来るまでの間楽しみで心が弾む。
「そういえば、ドレスも少し変えたいです。動きやすくてワンピースみたいなシンプルなデザインが欲しいですね。カノンさんの趣味ではなさそうだけど、この世界の基準でしょうか…。朝食が来るまでデッサンしてオーダーメイドで作ってもらえるかあとで確認してみましょう。」
美桜がシンプルな服を着たくて紙にデザイン画を描いているとリリーが戻り朝食の用意をしてくれた。今日のメニューはサラダにサーモンのミニキッシュ、ジャガイモのスープだ。それから飲み物には紅茶だ。この世界では基本、水か紅茶しかないらしい。
普段食はおいしいものばかり。香辛料の使い勝手が良すぎるくらいにご飯だけで満足なほどのおいしさだ。だが、現代の食文化を知っている美桜にとっては甘味がないのは口寂しい。紅茶ですらストレートか牛乳、果物かハチミツを入れるしかない。
(卵や牛乳、バターなど原料は日本にあるものばかりなのにどうして甘味に関することは発展していないのです?!誰も求めなかったのですか!)
朝食を食べながら不満に思った心が表情に出たようでリリーに心配された。
「カノン様、お口に合いませんか?何か代わりのものをお持ち致しますか?」
「い、いえ、大丈夫です、おいしいですよ?ただ甘味が欲しいなと思いまして…」
「甘味…ですか。何か果物をお持ちしますか?」
やはりこの世界の甘味は果物と紐づけされているらしい。リリーのその言葉にガクッと首を垂れる美桜だった。
「甘味に関しては少し調べたいことがあるので後で厨房に行ってもいいですか?それと今日の予定なのですが、お屋敷の探索と令嬢としての振る舞いの復習をしたいのですが講師か専門の方お呼びできますか?」
美桜はリリーにそう伝える。一瞬目を丸くしたリリーだが美桜の意思を汲み取り「かしこまりました。手配いたします。手配が出来次第お呼びいたしますのでそれまでお屋敷でご自由にお過ごしくださいませ。」
リリーはさっそく済んだ朝食の片づけを始め、手配にあたった。
美桜はお屋敷を見て回るべく事前にリリーから新人の使用人たちが使う屋敷の案内図を持って部屋を後にした。
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