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エピローグ

エピローグその1

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 薄汚れた繁華街をサンドイッチマンがゴミ拾いをしながら歩いている。看板を一つ置くだけでも馬鹿にならない土地代がかかる繁華街の一等地では、下手に看板を置くよりも人件費を払って看板を背負わせた方が安いというのもあるが、清掃活動をすることで、彼はより目立ち、印象をよくしようとしているのだ。
 どこからどう見ても目立つこの男は、週に一回か二回ほどゴミ拾いに来ることもあって街の名物と化している。この街だけじゃなく、似たような他の街でも。年齢はまだ若く、大学を卒業したばかりといったところで、初々しさすら感じさせる顔の割に、体はプロレスラーかラガーメンかと思うくらいに逞しかった。
 そんな彼が背負う広告は、『住み込みの仕事、シェアハウスあります!!』、『初期費用ゼロから住所が出来ます!!』、『まずはたった1日、頑張ってみませんか?』と、目に痛いくらいに派手な色合いで書かれたポスターだ。
 体格も目立つ、看板も目立つ、行動も目立つ。しかし広告の影響は芳しくない。そもそも、この広告を必要としている人は、疲れきっていて外などあまり出歩かない。だからまぁ、本来届けたい人には届かないのだけれど、それでも問題はなかった。
 彼は30分の清掃活動を終えるとゴミ袋を処理して、近所にあるインターネットカフェへと向かう。
彼が目をつけるのは、決まって長期滞在者だ。家がなく雨風を凌げる場所を探してインターネットカフェにたどり着き、そこから抜け出すことも出来ずに地を這う大人たち。いわゆるネカフェ難民だ。
 彼らがここにたどり着く理由はさまざまだ。親に虐待や放任により実家から逃げ、頼ることも出来ずに都会を彷徨う者。実家に頼れないのは同じだが、それが自身の素行の悪さから来るもので、その素行の悪さゆえにいわゆる一般的な仕事にありつけない者。
 ただのダメ人間だったり、自業自得な借金などで夜逃げしてきた者。パターンは色々あるが、プライドか不仲か死別か、頼れる家族がいないのは大体共通していると言ったところ。そして、毎日安定した職場で働こうにも能力がないか、やる気がないか、もしくは怪我か病気か、そもそもどうすればそこに行き着けるかわからないのか、こちらもパターンは色々だが、問題があるのは共通している。
 最後に住処の問題だが、シェアハウスや住み込みの仕事は人間関係がどうとか初期費用がどうとか、そういう理由で忌避する者が多い。そんなわけで、依る辺無き人たちが集まる巣窟としての側面がこのインターネットカフェにはあった。
 そんな人たちを求めて、男はカフェの店員に挨拶をし、話を通した。彼の広告は本当に届けたい人たちには届かないと前述したが、普通に働く街の住人には届いている。インターネットカフェの店員がこの男を通すのもそのためで、ふらりと街に訪れては清掃活動をするこの男は、信頼における存在として街では顔を知られていた。
 インターネットカフェ店員の許可を得て店内に入り、男は長期滞在している男性客が入っている扉を軽く叩く。
「誰すか? 店員……じゃないですよね……?」
 疲れきった顔で応対した男性客の前に立つのは、ジャージ姿の大柄な男性。どう見ても店員ではないその男に、男性客は不思議そうな顔で対応に困っている。
「お疲れのところ失礼いたします。食事をご馳走しますので、お話を聞きませんか? 私、こういう者でございます」
 いきなり名刺を渡そうとすると門前払いにあう。その経験を踏まえて、まずは食事を奢ることを明言してから、名刺を渡す。男の名前は真田裕也。
この数年の間に苗字を変えた三橋裕也であった。
「名前はなんて言いますか? あぁ、無理して本名じゃなくてもいいですからね」
「ん……アツシです」
「アツシさんですね、なるほど……」
「奢ってくれるんですか……?」
「えぇ。野菜とか肉、食べてます? よければ、そう言うのも食べられるところに案内しますが」
 裕也に問われると、男は首を横に振る。
「一応、週に一回はファミレスのサラダバー利用してます。野菜はもちろん枝豆とかあるし……肉はハンバーガーでなんとか……でも、そろそろ食べたいですね」
「そっか、それなら今回もそういうファミレスでいいかな?」
「ありがてぇっす……じゃ、ちょっと待ってください」
 疲れている、というのもあるだろうが、ネカフェの男性客はそもそも会話をするのが苦手なようであった。裕也が話しかけるなければ、おそらく自分から話しかけてくることは一切ないだろうと思えるような、そういう雰囲気が滲み出ている。男は着衣を整え、脱いでいた靴下を履くと、靴を履いてインターネットカフェを這い出ていった。
「私、名刺にありました通り、人材派遣会社の社長をしておりまして。単刀直入に言いますと、アツシさんを我が社が抱える案件にご案内できればと思いまして……」
「いいけれど、なんで俺?」
「現在、職業がある方や住所をお持ちの方を住み込みのお仕事に誘うよりも、そうでない方々を誘う方が話が早くなることが多いのと……あとは、人助けみたいなものですね」
「ふーん……俺なんかを助けても無駄だと思うけれどなぁ。助けてと頼んでもいないし」
 食事を奢ってもらえると聞いてホイホイとついてきた割には、投げやりで失礼な態度でアツシは言う。こんな性格だから、彼らはこの生活から抜け出せないのだろう。
「そこはまぁ、商売ではありますからね。人助けしながら商売もする。これが一番健全な生き方なんです。誰かの役に立っているっていう実感は、生きる上でこの上ない精神的な糧になりますから」
「ふぅん」
 男はいかにも興味がないというふうに返事をする。人助けをすることで生きる糧を得られるという感覚は彼には理解できない。今は生きるのに精一杯で他人を助ける余裕などないのだろう、仕方のないことだ。
 そうこうしているうちに、二人はファミレスにたどり着く。サラダバーとドリンクバー、そしてプリンや杏仁豆腐などのデザートバーもあるファミレスで、お金がないときはここで野菜もタンパク質もミネラルも取る。インターネットカフェから徒歩3分で来れるこの場所は、ネカフェ難民への救済として認知される場所であった。

「俺はハンバーグステーキ、和風ソース、肉大きめ。サラダバーとデザートバーセットに決めた」
「俺は……」
 アツシはこちらを伺う。奢ってもらう手前、あまり高いものを食べるのは気がひけるのだろう。ドリンクバーもあるのだが、ネカフェでも飲み放題なので、もう飲み飽きているのだろう、それは眼中にない。
「チキンステーキで……サラダバー、いいですか?」
「もちろんだ。ちゃんと飯を食えば体の調子が全然違うぞ」
「じゃ、サラダバーもつけて……」
裕也に言われアツシは注文を決めて店員を呼ぶ。
「以上でよろしいですね? かしこまりました。当店ではライス、サラダ、デザートのおかわりはセルフサービスとなっております。お客様のご注文の場合あちらのドリンクバーコーナー以外のスペースは自由にお取りいただけますので、今からご自由にお楽しみください」
店員の定型文を聞き終えると、裕也は立ち上がりサラダバーへと促す。
「じゃ、行ってきます。アツシさんもいかがですか?」
「あ、はい」
 裕也に促されるままアツシも立ち上がり、サラダバーへと向かった。二人は思い思いの野菜を皿に持っていく。裕也はトマトやほうれん草、ニンジンにキャベツにレタスにひじきなど多数の野菜を持っていくのに対し、アツシはレタスと枝豆に胡麻ドレッシングをぶっかけただけ。緑黄色野菜が足りずいささかバランスがよくない。
 もちろんそんなことまで注意するとウザがられるのは明白で、そんなもんだと割り切って裕也はそれを見守った。
「それでは、早速お話に入らせていただきます。私は人材派遣業、つまりお仕事をしたい人とお仕事を探している方を繋げる仕事をしているほか、住所がない方に手軽に 住めるシェアハウスを紹介するお仕事をしております」
そこまで裕也が言ってみると、アツシの目は曇っている。
「いや、俺……なんというかその、人間関係とか無理なんで……シェアハウスとかはちょっと……」
 アツシにそう断られると、裕也は苦笑する。
「みんなそう言います。ほんと、同じセリフで断られます。やっぱり、最低限でも普通の会話が可能なら、インターネットカフェ難民なんかにならないんでしょうかね」
「さぁ? 知らね……」
 裕也の話はもはや、飯を奢ってもらうための義務だとでも考えているのだろう、アツシは考えるのも面倒くさそうにしており、返事も思考が伴っているように見えなかった。
「でも、逆に考えればですよ? 私が紹介する人って、みんなそんな感じですから。だから、みんな必要以上の会話をしない人ですし……それに、私が紹介する職場もみんなそんな感じです。無理に会話できない人は無理に会話をしなくていい。
うちではそういう職場、そういうシェアハウスしか紹介しませんので、ご一考いただければと思います」
「はぁ……まぁ、考えます」
 とはいうものの実際のところアツシは何も考えていない。彼は考えるのが面倒になってもう何年も経っている。今更彼に考えることなど難しい。これで、彼が一言でも助けて欲しい、救い出してほしいという言葉が出るのなら裕也も本気で彼を助けるのだが……この手の人間で、素直にそうやって助けを求めるタイプは本当に少ない。
「今の生活には満足されていますか?」
 その言葉を引き出すために、裕也は尋ねてみる。
「いやぁ、満足していないっすけれど……でも別にこれでいいかなってお持ってます。まともな生活して長生きしたところで、どうせ子供も家庭も作れないし……逆に、俺が満足していないからなんとかしたいって言ったらどうするんですか?」
「仕事を紹介します。安定して仕事のある、寮付きの職場。車がなくても最低限の生活とネット環境があって、少し我慢すれば貯金も出来ます。
その他、何か妥協出来る条件があれば、その分賃金がいい感じの職場の選択肢も増えますし……でも、助けて欲しいとか仕事が欲しいって言われなければ、こちらとしても何もしないし出来ないですね」
「そっすか……なんつーか、本気で助けようとはしてないんすね」
 アツシはけだるげにため息をついた。
「そういうものですよ」
 アツシの言葉に、裕也は当然だとでも言いたげに返す。
「溺れている人を助けるときにですね、暴れている人を助けようとすると自分まで溺れちゃうんです。暴れてる人と、身を任せてくれる人、どちらかしか助けられないんなら、身を任せてくれる人を助けます。そういうもんです。
 助けられることを望んでいない人間を無理に助けようとしても、時間ばっかりかかって面倒くさいだけですから……1回断る人は、10回でも断りますから。そういう人はきっぱり割り切って、また次の誰かに話を持ちかけたほうが、結果的に多くの人を助けられるんです下手な鉄砲、数撃ちゃ当たるといいますが、弾丸が沢山あるなら変に狙い撃つよりも、バンバン撃ったほうがいいんです」
 裕也が持論を言うと、アツシは気まずそうに目を逸らす。
「なので、あなたにこうやってチャンスを持ち掛けるのは、今日一度きりです。もちろん、気が変わったら名刺に記した電話番号かウェブサイトにアクセスしていただければ、きちんとご案内いたします。きちんと働く気があるなら、私もあなたの力になりますよ。仕事を紹介します」
「結局、金のためじゃねえか……俺に仕事を紹介したら儲かるんだろ?」
「そうですよ。悪いですか? 金を稼ぎながら人助けをすれば、私自身が国から事業支援をしてもらわなくても人助けが続けられます。元々、使命感を持って人助けをしているんじゃなく、趣味で人助けをしてるようなものですからね。
 だからこそ……あなたに仕事を紹介できるのは、あなたが健康で、働ける状況にある時だけです。もしも怪我をしたり、病気になって働けなくなってしまったりしたら、うちでももう声をかけられない。本当に国の福祉に頼るしかない。そうなる前に、私に頼れるうちに頼ってください」
「……嫌味を言っても、響かねえんだな」
「慣れました。あなたは他の人とよく似ていますから。同じようなことしか言わないですからね。だから、その行き付く先も大体同じなんです。このままネットカフェからも追い出されて、ホームレスになるしかありません。もしくは、刑務所のほうが心地よいからと、自分から犯罪を犯すとか、ね」
 裕也はサラダをむしゃむしゃバリバリと口にしながら、淡々と説明を続ける。
「だけれど、変わろうと思えば、変われます。まずはたった一日、頑張ってみませんか? 思い立ったが吉日、たった一日、やってみれば案外簡単かもしれません! 一日目は、どんな馬鹿でもできる仕事しか紹介できませんけれどね!」
 裕也は包み隠さず、『馬鹿でもできる仕事』と言い切った。それで馬鹿にされていると感じ、物凄く不機嫌になる者はもちろんいるが、この程度で起こる奴ならば、紹介した職場でやっているわけもない。一種のふるいなのである。
 再度裕也はアツシを仕事に誘う。だが、アツシの顔は結局振るわない。
「……まぁ、いきなり言われても、心の整理はつかないですよね。とりあえず今日はお食事を楽しみましょう。お電話、ご連絡、待っています」
「ありがとうございます……」
 口ではこう言っていてもアツシは奢ってもらったことに対しても、少し反感を覚えているような様子だった。道楽で他人に施しをしていい気になりやがって、と。彼にとっては、善意を与えられる事すら、『道楽が出来ることへの自慢』なのだ。他人から与えられる善意にすら怒りや憎しみをお0ぼ得てしまうようになると、もはや彼自身が救われることが難しい、救いようがないというべき状態だ。
 結局、アツシは裕也の誘いを受けることはなかった。彼との世間話はほとんど取り付く島もなく、チキンステーキだけ食べ終えるとさっさと帰っていった。帰り道の最中に名刺をその辺に捨てて、彼は不機嫌な気分で数日を過ごすのだ。
『あの裕也とかいう男、金があるから貧乏人に奢って金持ち自慢をしているんだ』『どうせ、俺なんかに仕事はできないとあざ笑ってやがる』『あいつみたいなやつがいるから俺みたいに不幸な奴が生まれるんだ』、全くもっと見当外れ以外の言葉しかない思い込みをして、彼は裕也のおかげで浮いた食費を酒に注ぎ込み、インターネットカフェの個室で泥酔するのであった。
 結局、今日の奢りは不発に終わる。ただ、裕也の活動が無駄かといえばそうでもない。
『ゆー君! 朗報だよ!』
 せっかく奢りで話を聞いてもらったのに、特にこれといった収穫もない帰り道、スマートフォンの通知音に気付いてポケットから取り出した画面に表示されていたのがそのメッセージだ。
『今日奢った子、私の求人に募集してくれるんだって。やったよ!』
「どんな子だった?」
『親から逃げてきたんだって。若い子だった。
っていうか、今回も若い子だったね。
やっぱり、年を取るというか、何年もネカフェに入り浸るような生活を続けていると、
その生活から抜け出すのが怖くなっちゃうというか……
意欲がなくなっちゃうみたいで……なんかもう、勧誘もほとんど成功しないね。
でも、若い子と言うか、まだその生活に慣れていない人は……
やっぱり、まだ立ち直るための気力があるみたい。ゆー君はどうだった?』
「今日もダメそう。
なんて言うか、俺に施しされて、
むしろ屈辱を感じてるっぽいんだよな。
一応名刺は渡しておいたけれど、
連絡は来ないだろうなぁ……」
『失敗することのほうが多いのは仕方ないよ。
そんなことよりも社長、
今月はボーナスの一時金だよね?』
「お金の話をするときだけ社長って呼ぶんじゃねえよ!
 まあいいや。夜のスカウト成功で、お小遣1万円だな。後で奢れよ、真由美」
『いいけれど……
欲しかった推しグッズも買いたいから、あんまり高いお店は嫌だよ?』
「安く済ませたいなら、お前の手料理でもいいぜ」
『それじゃ、美味しいもの作っちゃうね!』
 そんな真由美のメッセージを見て、裕也は微笑みポケットにスマートフォンをしまう。

 彼がこんな活動をするようになったきっかけは、百合根の父親が行っているシノギで得た人脈であった。彼が網羅するシノギは非合法の仕事や、奴隷労働じみた仕事も多いのだが、それを行う過程で健全な事業を行う会社とのつながりも多数出来ていた。そのため、その健全な人脈を何とか活かせないかと始めたのが、今裕也が社長をやっている人材派遣業だ。新しく会社を立ち上げるにあたり、会社の業務内容を理解している人員を多数揃えたうえで、若き社長に据えられたのが裕也であった。
 社長に就任するにあたって、彼が主に取り持つ業務は、『特になし』。事務を手伝うなり、営業を手伝うなり、求職者を職場に案内するなり、色々やるべきことはあったし、実際そういったすべ他の業務を浅く広く行っている。
 ……のだが、裕也が力を入れたのが、広報であった。街の清掃活動で名前を売り、奢りから始まる直接スカウトで名前を売り、そうやって名前を売ることで知名度を上げ、信頼度を上げ、名刺に載っているウェブサイトを訪れた求職者たちにポジティブな印象を抱かせる。
 それが、社長としての彼が力を入れている業務であった。百合根の父親に押し付けられるような形で、まだ社会経験もない若造が年下の部下たちに囲まれて。大した能力もないのにいい給料をもらうプレッシャーに耐える日々。そうして彼が導き出したこの業務は、今のところおおむね成功と言ったところ。
 いつも清掃活動をしているおかげか、地元民からの評判も良く、ネカフェ難民に仕事を与えて救い出すことで治安も良くしている。そうした積み重のおかげで噂が噂を呼び、良い求人が向こうから舞い込んでくることがあるのだ。今では稀にではあるが、彼らが清掃活動をしているその姿を見て、行き場のない者が仕事を求めて話しかけてくることすらあるそうだ。テレビや動画配信者からの取材も受けた。いまだに続いているトゥモローチャンネルにも紹介された。
 いつしか、一部の部下も清掃活動を手伝い、妻の真由美に至っては奢りから始まるスカウトまでも真似するようになった。彼が高校時代に経験した人助けの数々は、かけがえのない経験として今も役立っている。最初こそ社会経験もないくせに道楽で社長をやられて迷惑だとすら思われていた裕也だが、『損して得を取れ』の精神を続けてきた結果がついてきたことで、今では年上の部下にも信頼されるようになっている。
 とはいえ、まだまだ社会経験がないのも事実。まだまだ年上の部下から学ぶ事も多く、積極的に仕事を教わっている。そういう素直なところがまた彼が好かれる要因となっている。

 古々が守護霊をやめてもう何年もたっている。今では年に数回程度顔を見に行くだけだ。親離れというのはそういうものなのかもしれないが、相撲部と同じような活動をして、相撲部の時のように真由美とやり取りをしていると、たまに懐かしくなってしまう。
 だが、今はもう彼女に頼らなくとも、自分は生きて行ける。
「タケちゃん、やっぱり駄目だったじゃん」
『俺は今の暮らしに不満を持ってそうな男を見定めただけだ。そこから抜け出す気力や覚悟があるかまではわからない』
 今は新しい守護霊もいるし、大切な家族もいる。一体何がどうしてこうなったのか、思い返すと長いのだけれど。神社が繋いだ縁のその果てで、裕也は幸せな人生を謳歌していた。

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