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第18章:居場所になる
3話
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「ベルトで……? いつ?」
「ついさっき……」
「本当……? ちょっと、見ていいかな……?」
「う、うん」
明日香は少女を連れ、灯のある場所へと赴く。白いLEDライトに照らされた場所で少女の服を軽くめくると、服に隠れていた背中には痛々しく腫れ上がった跡がある。
「写真、撮るね」
「撮ってどうするの?」
「虐待の証拠をつかむの……あなたの親は異常だよ……絶対に、辞めさせなきゃ」
「でも、どうやって……?」
「そのための撮影なの」
真由美はあまりの怒りで、少女を威圧してしまうくらいにはすごい剣幕だ。少女が怯えているのにも構わず、真由美は黙々と写真を撮る。
「あのね、このお姉さんも昔、親に殴られたりとかそういうことがあってさ……だから、子供に暴力を振るう親が許せないの」
真由美がこんな調子なので、明日香が代わりに少女へと説明する。
「その写真、警察に見せるんですか?」
「そういうことにもなるかもしれないね」
少女の問いに明日香はそう答える。そうこうしているうちに、真由美は背中の写真を撮り終える。
「ねぇ、これはさ、近いうちに……医者に行きましょ……えっと、名前は」
写真を確認しつつ真由美が言う。今まで名前もわからずに体の写真を撮っていたのだから、彼女も暴走気味である。
「名前は、水谷ナツキです」
「真田真由美よ……」
「私は本宮明日香ね。そうね、明日は土曜日だし、明日にでもお医者さんに行きましょう、それがいい。お医者さんなら知り合いも多いから、どういう風についた傷かとか、結構わかる人を紹介する。殴られた傷とか、転んだ傷とか、そういうの診断するのにもコツがいるのよ」
明日香は親が道場を開いている影響なのだろう、アスリート特有の怪我にも対応できる特別な事情にも精通している医者なら心当たりがたくさんある。
「医者? でも、お金……」
「親に出させればいいでしょ」
「ウチの家、お金がないんです。ほとんど寄付しちゃって」
「知るか。貯金していない親が悪い」
今回のことは真由美はもちろんだが明日香も怒り心頭だ。ナツキが悪いわけでもないのに、まるで彼女を責めるかのように強い口調を使っている。
「ついさっき……」
「本当……? ちょっと、見ていいかな……?」
「う、うん」
明日香は少女を連れ、灯のある場所へと赴く。白いLEDライトに照らされた場所で少女の服を軽くめくると、服に隠れていた背中には痛々しく腫れ上がった跡がある。
「写真、撮るね」
「撮ってどうするの?」
「虐待の証拠をつかむの……あなたの親は異常だよ……絶対に、辞めさせなきゃ」
「でも、どうやって……?」
「そのための撮影なの」
真由美はあまりの怒りで、少女を威圧してしまうくらいにはすごい剣幕だ。少女が怯えているのにも構わず、真由美は黙々と写真を撮る。
「あのね、このお姉さんも昔、親に殴られたりとかそういうことがあってさ……だから、子供に暴力を振るう親が許せないの」
真由美がこんな調子なので、明日香が代わりに少女へと説明する。
「その写真、警察に見せるんですか?」
「そういうことにもなるかもしれないね」
少女の問いに明日香はそう答える。そうこうしているうちに、真由美は背中の写真を撮り終える。
「ねぇ、これはさ、近いうちに……医者に行きましょ……えっと、名前は」
写真を確認しつつ真由美が言う。今まで名前もわからずに体の写真を撮っていたのだから、彼女も暴走気味である。
「名前は、水谷ナツキです」
「真田真由美よ……」
「私は本宮明日香ね。そうね、明日は土曜日だし、明日にでもお医者さんに行きましょう、それがいい。お医者さんなら知り合いも多いから、どういう風についた傷かとか、結構わかる人を紹介する。殴られた傷とか、転んだ傷とか、そういうの診断するのにもコツがいるのよ」
明日香は親が道場を開いている影響なのだろう、アスリート特有の怪我にも対応できる特別な事情にも精通している医者なら心当たりがたくさんある。
「医者? でも、お金……」
「親に出させればいいでしょ」
「ウチの家、お金がないんです。ほとんど寄付しちゃって」
「知るか。貯金していない親が悪い」
今回のことは真由美はもちろんだが明日香も怒り心頭だ。ナツキが悪いわけでもないのに、まるで彼女を責めるかのように強い口調を使っている。
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