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第17章:詐欺の片棒
17話:反逆
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カナはシホと話し合い、事務所を辞める意思を固めると、何かがあったときのためにとプロデューサーの名刺をコピーさせてもらう。そして、弁護士に契約書を見せると、担当してくれた弁護士は呆れた顔をして対応してくれた。色々なことに対して違約金で縛っていた契約は大体が違法だからと、『もしも揉めたらぜひ相談してください、力になります』と自信満々に口にしてきたそうだ。
少ない自由な時間を縫うようにして弁護士事務所に相談したカナは、その日の成果を明日香に報告する。
「それで、私達はまず、弁護士を通すことなく……ファンと恋人のふりをして違約金詐欺をしたことを公表しない代わりに、違約金を払わずに事務所を脱退するという条件で、事務所と相談します……『やらされていることに納得がいかないことや、不明瞭な出費で私達への給料が少ない現状に耐えきれないから』、と……」
「いいじゃない。あとは、その気持ちをもって突っ走ればいい」
「それで、弁護士から、これからの会話はすべて録音、出来ることなら文章に残してほしいって言われました……」
「録音機器は持ってるの?」
「はい。持ってます、というか、録音することは伝えたうえで録音するように、とは言われました。最悪、『演劇の一環です。まさか録音するだなんて』とか言われたら困るので。なので、ただ録音するだけならスマホで十分です」
「そっか……じゃあ、大丈夫だね」
元々二人は小さいころからアイドルを夢見て、ダンスのレッスンと歌のレッスンは8歳から受けてきたような努力家で、行動力もある子だ。一度勢いに乗ってしまえば、それを止めることは難しい。そんな二人だからか、武器を揃えた翌日には、目的を告げずにプロデューサーをカフェに誘い、人目のある場所で事務所を抜けることを相談するなど、やることは早い。
カフェの席に着くと、会話を始める前に録音することを告げられて、弁護士の名刺を提示され、すでに無料相談を受けてきたことも告げられ、さらには今までの悪事もばらす、文章で指示した記録もきちんと残っていると、完全武装で攻撃を仕掛けてきたのだからプロデューサーもたじたじだ。
弁護士の名刺と録音機器を前にして。さらには、この録音記録は同時にクラウドに保存しており、信頼できる友人がアクセス可能な状況にあるため、今ここでスマホを奪っても無駄だ、という安全策もあらかじめ通達しておく。その信頼できる友人とはもちろん明日香のことであり、簡単に手出しは出来ないし、させない。
こうなってしまうと広沢は強気な発言も出来ず、『社長と相談する……』と、青い顔をしていうのが精いっぱいだった。
少ない自由な時間を縫うようにして弁護士事務所に相談したカナは、その日の成果を明日香に報告する。
「それで、私達はまず、弁護士を通すことなく……ファンと恋人のふりをして違約金詐欺をしたことを公表しない代わりに、違約金を払わずに事務所を脱退するという条件で、事務所と相談します……『やらされていることに納得がいかないことや、不明瞭な出費で私達への給料が少ない現状に耐えきれないから』、と……」
「いいじゃない。あとは、その気持ちをもって突っ走ればいい」
「それで、弁護士から、これからの会話はすべて録音、出来ることなら文章に残してほしいって言われました……」
「録音機器は持ってるの?」
「はい。持ってます、というか、録音することは伝えたうえで録音するように、とは言われました。最悪、『演劇の一環です。まさか録音するだなんて』とか言われたら困るので。なので、ただ録音するだけならスマホで十分です」
「そっか……じゃあ、大丈夫だね」
元々二人は小さいころからアイドルを夢見て、ダンスのレッスンと歌のレッスンは8歳から受けてきたような努力家で、行動力もある子だ。一度勢いに乗ってしまえば、それを止めることは難しい。そんな二人だからか、武器を揃えた翌日には、目的を告げずにプロデューサーをカフェに誘い、人目のある場所で事務所を抜けることを相談するなど、やることは早い。
カフェの席に着くと、会話を始める前に録音することを告げられて、弁護士の名刺を提示され、すでに無料相談を受けてきたことも告げられ、さらには今までの悪事もばらす、文章で指示した記録もきちんと残っていると、完全武装で攻撃を仕掛けてきたのだからプロデューサーもたじたじだ。
弁護士の名刺と録音機器を前にして。さらには、この録音記録は同時にクラウドに保存しており、信頼できる友人がアクセス可能な状況にあるため、今ここでスマホを奪っても無駄だ、という安全策もあらかじめ通達しておく。その信頼できる友人とはもちろん明日香のことであり、簡単に手出しは出来ないし、させない。
こうなってしまうと広沢は強気な発言も出来ず、『社長と相談する……』と、青い顔をしていうのが精いっぱいだった。
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