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第17章:詐欺の片棒
1話:自分にできること
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二年生の二人と古々が修学旅行に行っているころ。素華と真由美は二人だけの寂しい部活に勤しみ、今はその休憩時間の最中であった。
「……なんか、私達って役に立っているんですかねー」
「どうしたの、真由美?」
真由美のぼやきに、素華は首をかしげる。
「いや、なんというか……裕也さんと明日香さんは腕っぷしが強いから、人助けの時に実力行使が出来ますし。それに、百合根さんはヤクザで……」
「いや、彼女はヤクザじゃないでしょ」
真由美の間違ったぼやきに、素華は苦笑しながらツッコミを入れる。
「あ、うん……あんまりにも堂々としているから、なんかこう、勘違いしちゃうけれど、彼女はヤクザじゃなかったね……そう、ヤクザの力を存分に使えるじゃないですか。でも、私ってごく普通の女の子で……矢面に立とうとしたら、やっぱりみんなに心配かけるじゃないですか」
「まぁ、私も催涙スプレーで痴漢をぶちのめしたりはしたけれど、あれも一人で立ち向かえたわけじゃないから、無理はしないほうがいいわね。真由美ちゃん、もっと無茶でもしたいとか?」
「無茶したいって言うか、無茶しても心配させないくらい強くなりたい、ですかね」
出来れば明日香先輩みたく、と真由美は思う。
「そんな、腕っぷしだけにこだわらず、私達は私達が出来ることを精一杯やればいいだけで。確かに、三人とも有能かもしれないけれど……だからって、三人だけで何でもできるわけじゃない。
私達が協力しないとどうにもならないことだってあるでしょ? マンパワーが必要なときとか、そういう時に役に立てれば、私は万々歳だと思う」
「確かに、素華さんは……マルチ商法の時とか、妊娠した彼女から逃げた男を探すとか、そういうことで役に立ちました、けれど……私は……」
「あなたは、あの合唱部の女の子と、今でも友達らしいじゃない。話し相手になってるところ、頻繁に見てるし……あなたはそうやってアフターケアが出来る。私には無理なことだし、それもあなたの有能ポイントじゃあない? 私って、言葉がきついから、カウンセラーには徹底的に向いていないのよね」
真由美は、今も望海と時折話している光景をよく見る。素華には、あんなうじうじした奴とは男でも女でも会話は無理だった。
「……なんか、私達って役に立っているんですかねー」
「どうしたの、真由美?」
真由美のぼやきに、素華は首をかしげる。
「いや、なんというか……裕也さんと明日香さんは腕っぷしが強いから、人助けの時に実力行使が出来ますし。それに、百合根さんはヤクザで……」
「いや、彼女はヤクザじゃないでしょ」
真由美の間違ったぼやきに、素華は苦笑しながらツッコミを入れる。
「あ、うん……あんまりにも堂々としているから、なんかこう、勘違いしちゃうけれど、彼女はヤクザじゃなかったね……そう、ヤクザの力を存分に使えるじゃないですか。でも、私ってごく普通の女の子で……矢面に立とうとしたら、やっぱりみんなに心配かけるじゃないですか」
「まぁ、私も催涙スプレーで痴漢をぶちのめしたりはしたけれど、あれも一人で立ち向かえたわけじゃないから、無理はしないほうがいいわね。真由美ちゃん、もっと無茶でもしたいとか?」
「無茶したいって言うか、無茶しても心配させないくらい強くなりたい、ですかね」
出来れば明日香先輩みたく、と真由美は思う。
「そんな、腕っぷしだけにこだわらず、私達は私達が出来ることを精一杯やればいいだけで。確かに、三人とも有能かもしれないけれど……だからって、三人だけで何でもできるわけじゃない。
私達が協力しないとどうにもならないことだってあるでしょ? マンパワーが必要なときとか、そういう時に役に立てれば、私は万々歳だと思う」
「確かに、素華さんは……マルチ商法の時とか、妊娠した彼女から逃げた男を探すとか、そういうことで役に立ちました、けれど……私は……」
「あなたは、あの合唱部の女の子と、今でも友達らしいじゃない。話し相手になってるところ、頻繁に見てるし……あなたはそうやってアフターケアが出来る。私には無理なことだし、それもあなたの有能ポイントじゃあない? 私って、言葉がきついから、カウンセラーには徹底的に向いていないのよね」
真由美は、今も望海と時折話している光景をよく見る。素華には、あんなうじうじした奴とは男でも女でも会話は無理だった。
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