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第16章:恋心の行方
9話:いつかあの日のように
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いつか、二人で入ったファミレスに、裕也とアキラはまた二人で入店する。あの日のようにパフェを頼んだところで、アキラはずっと気になっていたことを聞いてみる。
「今日、痴漢を取り押さえようとしたとき、俺……以前の真由美さんのことを思い出しました」
「以前のことってなんだ?」
「夏祭りの日のことです。ゴミ拾いをしていたとき、タバコのポイ捨てした男性に注意していたじゃないですか……あんなこと、よくできるなって」
「でもお前、親を殴ってたじゃないか? 喧嘩できるんじゃないか?」
アキラが疑問を口にすると、裕也はそう指摘する。
「いやいや、まさか。親は世間体ばっかり気にしてて、自分の運動不足とだらしない体型にすら気付かない、雑魚です。若い俺に勝てる道理がありませんし、あいつに武器を使う度胸なんてありません。長い時間一緒にいたんだからよくわかります」
アキラは言ってて金心くなることを言いながら苦笑する。
「その点、道行く人間なんてどんな本性なのかそう簡単にはわからない。それを、真由美さんは……俺よりも小さく弱い体で、立ち向かっちゃうんですもん。いくら相撲部で鍛えているからって、多分俺より弱いと思うんですがね……」
「そりゃ、真っ向から喧嘩すればお前よりも弱いだろうな、実際。……あいつの真意を聞いたことはないけれど、どうなんだろうな? あいつ、殴られ慣れてるから……」
裕也は言う。しかし、アキラは分からなかった。
「殴られ慣れてる……と、どうなるんですか?」
「あいつは、本気で殴ろうとしてくる奴の殺気というか、動作や表情から漏れ出る圧力がわかるのかもしれないし。もしくは、多少殴られても、俺らが仇を取るから大丈夫って考えていたのかもしれない。ってか、俺もあいつがどこまで考えていたのかはわからん
「えぇ……? まぁ、女の顔を本気で殴れる奴ってごく少数でしょうし……顔以外を殴られる分には、きちんと防御すれば耐えられるのかもしれませんが……それを、女性の体格でやりますかね、普通?」
裕也の考察を聞いてアキラは困惑する。
「今日、痴漢を取り押さえようとしたとき、俺……以前の真由美さんのことを思い出しました」
「以前のことってなんだ?」
「夏祭りの日のことです。ゴミ拾いをしていたとき、タバコのポイ捨てした男性に注意していたじゃないですか……あんなこと、よくできるなって」
「でもお前、親を殴ってたじゃないか? 喧嘩できるんじゃないか?」
アキラが疑問を口にすると、裕也はそう指摘する。
「いやいや、まさか。親は世間体ばっかり気にしてて、自分の運動不足とだらしない体型にすら気付かない、雑魚です。若い俺に勝てる道理がありませんし、あいつに武器を使う度胸なんてありません。長い時間一緒にいたんだからよくわかります」
アキラは言ってて金心くなることを言いながら苦笑する。
「その点、道行く人間なんてどんな本性なのかそう簡単にはわからない。それを、真由美さんは……俺よりも小さく弱い体で、立ち向かっちゃうんですもん。いくら相撲部で鍛えているからって、多分俺より弱いと思うんですがね……」
「そりゃ、真っ向から喧嘩すればお前よりも弱いだろうな、実際。……あいつの真意を聞いたことはないけれど、どうなんだろうな? あいつ、殴られ慣れてるから……」
裕也は言う。しかし、アキラは分からなかった。
「殴られ慣れてる……と、どうなるんですか?」
「あいつは、本気で殴ろうとしてくる奴の殺気というか、動作や表情から漏れ出る圧力がわかるのかもしれないし。もしくは、多少殴られても、俺らが仇を取るから大丈夫って考えていたのかもしれない。ってか、俺もあいつがどこまで考えていたのかはわからん
「えぇ……? まぁ、女の顔を本気で殴れる奴ってごく少数でしょうし……顔以外を殴られる分には、きちんと防御すれば耐えられるのかもしれませんが……それを、女性の体格でやりますかね、普通?」
裕也の考察を聞いてアキラは困惑する。
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