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第13章:お祭りの日

18話:神使の見える化

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 お祭りは大きなトラブルはなく終わった。多少の喧嘩やスリ被害などはあったようだが、祭りの会場が騒然となり、会場が冷え切ってしまうような大規模なことはなかった。小さな喧嘩は木村組や明日香と裕也により仲介され、恐喝なども百合根が報告したあれ以外にの報告はされていない。これに関しては、古々と振々が人間には捉えられない感覚で監視していたため間違いはないはずだ。
 スリ被害に関してはどうしようもなかったが、そのうちのいくつかは財布を落としてしまっただけなのかもしれない。あの人ゴミだ、落としたら、親切な人が拾わない限りは見つかることはないだろう。

 明日香は自由時間に相撲を取ったりなど、祭りを満喫することはもちろんしたものの、それ以外の時間は祭りのトラブルに対応したりなどで忙しく、眠れたのは午前一時ほど。力尽きた彼女は午前9時まで爆睡していたそうだ、

 後片付けに関してだが、そこかしこに設置されていた段ボール製のゴミ箱がちゃんとあるというのに、ゴミは散乱して散々な状態だ。トイレも、特に男子トイレは非常に汚れていて、酔った男が小便器から外しまくったのだろう、トイレの内部はひどい匂いであった。
 裕也はデッキブラシとホースを使ってそれを掃除し、女子トイレは素華が同様に掃除する。外は箒やトングを使って放置されているゴミを協力して拾いあう。、この清掃作業は相撲部だけでは手が足りないので、今回も弓道部に協力してもらっている。
 そうして、午前中に掃除が終わると、お祭りで余って冷蔵庫に放り込まれていた焼きそばやタコ焼きと、明日香の祖父が用意してくれた冷たい麦茶で疲れた体を癒す。最後に、改めて拝殿で参拝を行うと、ボランティアは解散となった。

 神社に残ったのが、相撲部のメンバーと本宮家だけとなったところで、明日香は話を切り出した。
「ねぇ、真由美ちゃん、素華ちゃん。ちょっと付き合ってほしいんだけれどいいかな?」
「なんですか? 女同士でしかできないことですか?」
「ちょっと、素華ちゃん、その言い方いやらしくない?」
 素華、真由美に言われて明日香は苦笑する。
「いや、それも悪くはないんだけれど、本命じゃないかなーって。そうじゃなくってね、うちの本殿にあるご神体を見てほしいの」
「ご神体? 信仰の対象ですか?」
「そういうこと」
 素華が首をかしげ尋ねると、明日香はそれに頷いた。
「ってか、悪くないんですか……もしかして明日香さん、バイセクシャルだったり?」
「ううん、レズビアン」
「え……」
 冗談で言ったつもりだが、あっさりとそう返されて真由美は返答に詰まった。
「大丈夫よ、襲ったりはしないから」
 あまりにも軽い調子で明日香が言うので、素華も真由美もそれ以上は何も言わなかったが、思わぬところから思わぬ驚きが来るものだと二人は内心驚いていた。
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