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第11章:いいお話があります
14話
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「うーん、この絵にかいたような地雷臭。フルコースじゃない」
明日香がため息をつく。
「どうしてこう、目に見える地雷を踏みにいくかね?」
裕也も項垂れる。
「なんでこんな奴がモテて俺がモテないんだ……」
こんな奴にも恋人ができることにショックを受ける庄司。
「馬鹿? いや、馬鹿? なんでこんな男と付き合うの? 見た目からして無理、無理!」
最後に素華で、好き勝手に美紀の彼氏の印象を言う。
「悪そうに見えていたけれど、優しかったから……」
「食虫植物はね、虫が好む甘い匂いがするものよ……はぁ」
素華は呆れのせいで、ため息が止まらないようだ。
「ま、いいや。とりあえず、こいつの商売に興味があるってことにして、近づきましょう。私がまず最初に近づく」
「素華ちゃんが? 危なくない?」
「……かもしれない、けれど、でもさ。本宮先輩には一度助けてもらったから、あなたにだけリスクは背負わせたくないんです。もしもこのクソ男が警察に駆け込んだ時は、私も一緒です。それに、私、騙されたふりの演技くらいなら出来ますし。明日香先輩、騙されたふりとか出来ます?」
「……無理、顔に出る」
素華に演技が出来るか聞かれて、明日香は確かにその通りだと苦笑しながら首を横に振る。
「ふむ……まぁ、素華ちゃんがそういうのなら? でも、無理はしないでね」
「まず、接触すると言っても、どこかの喫茶店とかだと、相手が手を出せない代わりにこちらも手が出せませんし。どこか、相手の家とか、ホテルの一室とか、それくらいのプライベートな空間にですね、誘いこませれば何とかなるかも……しれません。ただ、私は男に荒事をするのは無理なので、庄司さんや三橋先輩に何とかしてもらうしかない部分は必ず出てきますが……」
「ホテルって素華ちゃんねぇ……」
まだ18歳以下の未成年のわりに、なんでそういう知識があるのかと明日香は苦笑する。たまにBL刑の絵を描いているというし、そういう本から知識を得ているのかもしれない。
「と、ともかく、人気のないところまで、誘いこまれなければいけないわけですし……そのために、ですね。私が体を張ろうかと」
「……で、人気のないところまで誘いこんだら俺達の出番ってわけか?」
裕也の言葉に素華は頷く。
「そうです……ま、問題は相手が二股してくれるかどうかですが。実は一途とかで、美紀さんを裏切れないとか言い出したら無理かもな―……ま、あり得ないか」
素華はいらないことを心配する。そんな犯罪を何とも思わない男が、一途だなんてのは心配する必要もないだろう。
「あり得なそうだし、いいだろ」
裕也は苦笑しながら計画の練り込みを続けた。
明日香がため息をつく。
「どうしてこう、目に見える地雷を踏みにいくかね?」
裕也も項垂れる。
「なんでこんな奴がモテて俺がモテないんだ……」
こんな奴にも恋人ができることにショックを受ける庄司。
「馬鹿? いや、馬鹿? なんでこんな男と付き合うの? 見た目からして無理、無理!」
最後に素華で、好き勝手に美紀の彼氏の印象を言う。
「悪そうに見えていたけれど、優しかったから……」
「食虫植物はね、虫が好む甘い匂いがするものよ……はぁ」
素華は呆れのせいで、ため息が止まらないようだ。
「ま、いいや。とりあえず、こいつの商売に興味があるってことにして、近づきましょう。私がまず最初に近づく」
「素華ちゃんが? 危なくない?」
「……かもしれない、けれど、でもさ。本宮先輩には一度助けてもらったから、あなたにだけリスクは背負わせたくないんです。もしもこのクソ男が警察に駆け込んだ時は、私も一緒です。それに、私、騙されたふりの演技くらいなら出来ますし。明日香先輩、騙されたふりとか出来ます?」
「……無理、顔に出る」
素華に演技が出来るか聞かれて、明日香は確かにその通りだと苦笑しながら首を横に振る。
「ふむ……まぁ、素華ちゃんがそういうのなら? でも、無理はしないでね」
「まず、接触すると言っても、どこかの喫茶店とかだと、相手が手を出せない代わりにこちらも手が出せませんし。どこか、相手の家とか、ホテルの一室とか、それくらいのプライベートな空間にですね、誘いこませれば何とかなるかも……しれません。ただ、私は男に荒事をするのは無理なので、庄司さんや三橋先輩に何とかしてもらうしかない部分は必ず出てきますが……」
「ホテルって素華ちゃんねぇ……」
まだ18歳以下の未成年のわりに、なんでそういう知識があるのかと明日香は苦笑する。たまにBL刑の絵を描いているというし、そういう本から知識を得ているのかもしれない。
「と、ともかく、人気のないところまで、誘いこまれなければいけないわけですし……そのために、ですね。私が体を張ろうかと」
「……で、人気のないところまで誘いこんだら俺達の出番ってわけか?」
裕也の言葉に素華は頷く。
「そうです……ま、問題は相手が二股してくれるかどうかですが。実は一途とかで、美紀さんを裏切れないとか言い出したら無理かもな―……ま、あり得ないか」
素華はいらないことを心配する。そんな犯罪を何とも思わない男が、一途だなんてのは心配する必要もないだろう。
「あり得なそうだし、いいだろ」
裕也は苦笑しながら計画の練り込みを続けた。
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