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第9章:最低な男を探せ

5話

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 そうして、しばらくして何とか日向が泣き止んだところで、素華は彼氏をどのように探すつもりかの説明をする。
「で、私のプランなんだけれどさ。なんでもね、日向さんは彼氏のたっくんの通意他アカウントを、メイン垢とサブ垢の二つでフォローしていたの。一つはリアル垢で、すでにブロックされているけれど、もう一つはアニメやゲームのことを語るアカウントで、こっちはブロックされずに放置されているんです。
 それでもって、彼氏さんは油断しているのか、自分のアカウントを鍵アカウントにしただけで、今までのツイートを削除することはしていない。なので、私生活から読み取れる情報をみんなで調べて、みんなで特定作業をしようかと」
「はぁ……なんか定期的に特定作業って色んなSNSで見かけますよね。でも、私やり方がよくわからなくって……」
 素華の計画を聞いて真由美は心配そうに首をひねる。
「まぁ、大丈夫。私がやり方を教えるから。この男、通意他の廃人みたいで、一日だけでも物凄い量の画像とかあるもんで、一人で探すのがしんどいから、それで協力してほしいのよ。とりあえず、ヒナタさんと合わせてここに5人いるわけだし……そうね、私が一番大事なここ半年をさかのぼるから。みんなも半年分ずつさかのぼって欲しいな」
 素華に言われて、ピンとこない他の者たちは顔を見合わせた。


 実は、素華はすでにある程度、彼氏のことを把握している。デートの際、日向と彼氏は駅で別れるのだが、その時の駅の路線の方向。大学に所属しているらしく、テストやレポートの提出があること等だ。
 あとは彼女とゲームをプレイしていたくらいしか情報がないが、そこから何か有用な情報が得られるようなことはなかった。
「まずは写真に、店名がわかるようなビニール袋や専用商品があったら、それをリストアップしてほしいの。旅行中のやつとかはどうでもいいけれど、家で開封している風なものがあれば……チェーン店も、絞り込んだ時に重要になっているからお願い。もしもレシートの画像があったらそれも。場合によっては店舗名が載ってる可能性もあるし。あとは、広域の天気はいらないけれど、ゲリラ豪雨とかみたいな天気とか、あとは近くで何か事故があったときの呟きとかがあるといいね……それを探して」
 ともかく、素華はそれらの情報から特定作業を始めることになる。
 すでに真由美はラーメンの画像を発見してはいるが、それが特定に役立つのかどうかはまだ不明だ。とりあえず画像を保存してはいるが、まだ特定作業は始まったばかりである。
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