157 / 423
第8章:部活にクレーム
10話:ゲイだから
しおりを挟む
「お母さん。裸の男女がいても俺には関係ないから」
ため息を交えてアキラは言う。
「なんでよ!?」
「俺、ゲイだから。男が好きだから、例えここの女子が今ここで本当に全裸になったところで、なんともないから」
時間が止まったように静かになる。いつの間にかスマホを手に戻ってきた明日香、強烈な毒舌でアケミを責め立てた素華も表情を変え、事情を知っている裕也も、おいおい大丈夫かよと言わんばかりの表情だ。
「何よそれ……」
「お母さんがこんなだから今まで言うことも出来なかったけれどさぁ。相撲部に女がいるってだけでこんなに迷惑かけてるんだもん……こう言えば迷惑かけないで済むんだったら、そうするしかないでしょ?」
「嘘でしょ? あなた、こいつらをかばうための嘘なんでしょ?」
「かばうって……自分が相撲部に攻撃してること理解してるんじゃん。自覚あるならやめてよ」
語るに落ちているアケミに、素華は小さな声で一人ごちる。
「だって、男が好きだなんて嘘に決まってる」
「……本当だよ。だから、女がどうこうとか、全部無駄。男子校に入れても無駄。馬鹿馬鹿しい。俺が大人になるまで、不健全なものには絶対に触れさせないだっけ? 馬鹿じゃないの? いつも言ってることだけれどさ、馬鹿でしょ、母さん」
彼の口ぶりから諦めが感じられる。
「相撲部の人たちはみんないい人なんだ……それなのに、俺に女を見せないことがそんなに大事? もうやだよ……どうせゲイだから女を見なくても問題ないけれどさ。相撲部の友達が困るのを黙ってみてらんないよ。これ以上友達に迷惑をかけないで」
「あんた! 何考えてるのよ!」
項垂れながらため息をつくアキラの弓道着にしがみつき、アケミは金切り声を上げる。体を揺さぶられながら詰め寄られているが、アキラはもう無反応だ。
「何とか言いなさい!」
金切り声を上げ、アケミがアキラに平手打ちをする。近くにいなかったために裕也も止められなかった。ここで、一番最初に動き出したのは明日香だった。
ため息を交えてアキラは言う。
「なんでよ!?」
「俺、ゲイだから。男が好きだから、例えここの女子が今ここで本当に全裸になったところで、なんともないから」
時間が止まったように静かになる。いつの間にかスマホを手に戻ってきた明日香、強烈な毒舌でアケミを責め立てた素華も表情を変え、事情を知っている裕也も、おいおい大丈夫かよと言わんばかりの表情だ。
「何よそれ……」
「お母さんがこんなだから今まで言うことも出来なかったけれどさぁ。相撲部に女がいるってだけでこんなに迷惑かけてるんだもん……こう言えば迷惑かけないで済むんだったら、そうするしかないでしょ?」
「嘘でしょ? あなた、こいつらをかばうための嘘なんでしょ?」
「かばうって……自分が相撲部に攻撃してること理解してるんじゃん。自覚あるならやめてよ」
語るに落ちているアケミに、素華は小さな声で一人ごちる。
「だって、男が好きだなんて嘘に決まってる」
「……本当だよ。だから、女がどうこうとか、全部無駄。男子校に入れても無駄。馬鹿馬鹿しい。俺が大人になるまで、不健全なものには絶対に触れさせないだっけ? 馬鹿じゃないの? いつも言ってることだけれどさ、馬鹿でしょ、母さん」
彼の口ぶりから諦めが感じられる。
「相撲部の人たちはみんないい人なんだ……それなのに、俺に女を見せないことがそんなに大事? もうやだよ……どうせゲイだから女を見なくても問題ないけれどさ。相撲部の友達が困るのを黙ってみてらんないよ。これ以上友達に迷惑をかけないで」
「あんた! 何考えてるのよ!」
項垂れながらため息をつくアキラの弓道着にしがみつき、アケミは金切り声を上げる。体を揺さぶられながら詰め寄られているが、アキラはもう無反応だ。
「何とか言いなさい!」
金切り声を上げ、アケミがアキラに平手打ちをする。近くにいなかったために裕也も止められなかった。ここで、一番最初に動き出したのは明日香だった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
35
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる